星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

ケロウナ便り(99) 執念

2009年10月03日 10時05分19秒 | Weblog
リベンジ討ち入り予定の9月28日を直前にして、最近松茸狩りに行ったが影すら見当たらなかったとの最新情報が入り、28日の討ち入りは延期して、今年のリベンジを諦めかけていたら・・・・・、な、なんと野菜農家のOさんからのビッグニュースです。

シャンテレールを採りに行ったカナダ人が「松茸も採ったけど、我々は食べないから」と気前よくお土産にくれたとの話です。Oさんが「半分おすそ分けに」と、これまた気前よく我々にくださいました。前回我々が行ったスポットからほど近いらしいこともわかりました。この世界ではスポットの位置を厳密に「何丁目何番地」かとまで問い詰めないのが流儀なのです。「どこそこあたり」との情報を基にして辺り周辺を嗅ぎまくり、探し回るのです。そして、見つけた漁場は「大体どの辺」と、はぐらかして自慢げに宣伝するのです。 嫌な性格になりますねぇ!

もう一つの情報として、300キロ近く離れたナカスプまで行かなくても、ケロウナから100キロほど北東にあるシカムス(Sicamous)でも松茸が売られていたとの話が飛び込んできました。でも、この話をよくよく調べてみると、シカムスで毎年開かれるきのこフェスティバルで即売されていたものの、どうやら採集地はナカスプ方面ではなかろうかという感じがします。シカムスと言えば、江戸っ子Hさんのお宅から40キロほどしか離れていません。もし本当にシカムスで松茸が採れるなら、あのHさんが毎年ナカスプまで出かけるはずがありません。

シカムスで松茸を見つけた第一号の日本人になろうかという野心も頭をもたげ、みんなが遠路はるばるナカスプまで出かけているときに、我々だけが近場のシカムスの極秘スポットで松茸狩りをしている姿をイメージしながら、ひとり納得した気分でほくそ笑みながら、ダメもとでシカムスに行く決心を固め、その決心を我が家の主任ハンターに伝えてみました。

「シカムスと言ったって、どこに行くの?」「この広いカナダ、そんないい加減な話じゃ無駄足踏むだけよ!」「もしそうなら、あのHさんが知らないわけないじゃない!」。主任ハンターは江戸っ子Hさんに無類の信頼を寄せております。

明日の弁当セットを準備しながら発せられた、わが主任の説得力ある発言で、私の「シカムス作戦」はいとも簡単に「ナカスプ・リベンジ作戦」に変更です。長いものには巻かれやすい私の性格がもろに出てしまいました。

というわけで、10月1日に帰国直前の最後の松茸探しにナカスプまで出かけて参りました。主任ハンターの活躍目覚ましく、写真のような元気のいい松茸が25本も収穫できました。

リベンジに同行できなかったKちゃん夫妻をまじえて明日は「松茸入りすき焼き」、そして帰国直前の「松茸佃煮」作りに、我が家の料理長が腕を振るいます。

今回目の当たりにした、わが主任ハンターの粘り強さ、執念には鬼気迫るものがありまして、今後のお付き合いに際しての良い勉強になりました。