カナディアンロッキー(Canadian Rockies)への旅といえば、レイクルイーズとジャスパーを結ぶ、片道240キロのIcefield Parkway沿いに展開する雄大で荘厳な標高3000メートルクラスの山々や氷河を見ながらドライブし、レイクルイーズ(Lake Louise)およびコロンビア氷原(Columbia Icefield)あたりに立ち寄るのが一番ポピュラーな観光コースでしょう。海抜1600~1900メートルの高地を延々と走りながら見る、スケールの大きなパノラマは、それだけで充分に中身の濃い旅を演出してくれます。
折角ケロウナに長期ステイしているからには「ロッキーに行ったことがある」「ロッキーを見たことがある」だけでは勿体無いので、カナディアンロッキーの豊かな大自然に直接触れ、肌身に感じることのできるような体験をしたいとかねがね望んでいました。いわば、「物見遊山」の「物見」だけで終わらせずに「遊山」を楽しむチャンスの到来を待ちわびていたわけです。
ホノルルに住む息子夫婦とサンフランシスコで仕事をしている娘とが8月後半にケロウナに集合した機会に、久しぶりに家族全員でカナディアンロッキー方面に遠足に出かけることにしました。2泊三日と時間も限られているので「物見」中心のドライブとならざるを得ませんが、「遊山」の要素も盛り込みたいと欲張りな企画です。
初日はケロウナから200キロのRevelstoke近郊にある温泉Canyon hot springsに立ち寄り入浴して昼食を摂り、午後は宿泊地Goldenまでの150キロを合計5時間ほどで走る、比較的楽な行程です。とにかく国土の広いカナダでは一日6時間、500キロ程度は走破しないと遠出のドライブは出来ないと言っても過言ではないと思っています。走るだけで一日が終わってしまいかねません。でもこれに慣れると300キロくらいの距離はさほど遠く感じなくなってくるから不思議なものです。大自然相手には体力と気力が求められます。
初日の目玉商品「Canyon温泉」が、カルシウム系冷泉を40℃くらいに温めてはあっても、消毒の塩素の匂いばかりが鼻につく、「あったかいプール」止まりであったのは、想定内とはいえ、残念でした。でも、なかなか経験できない「遊山」気分が味わえたので善しとしましょう。
途中でMt.Revelstoke National Park, Glacier National Parkと二つの国立公園の看板だけを見ながら、「次には来るからね!」と約束しながら、カナディアンロッキーめがけて、愛車のサイドキックちゃんに鞭を入れ続けたのでした。
Golden市内で夕食を済ませ、今回の物見遊山の基地となる、カナダ気象庁を早期退職した夫婦が営むBB(Bed & Breakfast、朝食付きのペンションのような宿泊施設。詳細は別稿にて記す予定。)に到着。レイクルイーズに寄りながら、コロンビア氷原まで足を伸ばす往復600キロの定番「物見ツアー」を明日に控えて、早々に床につきました。
BBの主人に求められるままに、明日の朝食のメニューをキッチリと決めたことは言うまでもありません。