星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

ゴルフな英会話(3) ナイスショット

2006年11月30日 18時26分55秒 | Weblog

10番ホールに駆けつけると、顔なじみのstarterのJohnがいつものひょうきんな口調で
"Hey Sanzo, where is your lady pro this morning? "
と軽口を叩きます。いつも一緒にプレイしている女房の姿が見あたらないからです
"Being an assistant to the lady pro, I have to keep practicing even when she is taking a beauty rest.  Tough life, John."
てな調子の気楽なやり取りを楽しみながらプレイ前の緊張感を解きほぐします。 

Johnもわれわれと同年代でリタイア後にケロウナに移り住み、ゴルフ場のスタッフとしてアルバイトをしているシニア世代です。週2~3日働くだけでも従業員は休みの日にゴルフが出来る特典がつくので、ゴルフ好きのシニアには格好の仕事のようです。bag drop areaでのbag boy やbag girlにも同じ特典が与えられるので、ゴルフ場でのアルバイトは大学生には人気が高いようです。

一緒にプレイするsingleのBobは30歳代半ば、ズングリムックリで腕っ節も強そう。素振り(practice swing)を見るだけで飛距離に命を懸けるhard hitterである雰囲気が伝わってきます。 

Bob:You guys go ahead.  I will wait until the group ahead of us has gone out of sight.
前の組に打ち込みたくないから最後に打つとは飛距離に自信満々です。
 
私:  All right, let me tee off first then.
因みにフットボールはkick off、バスケットボールはjump off、ホッケーはface offで試合開始ですが、ゴルフはtee offで始まります。出だしとしてはまずまずの気持ちの良い当たりでフェアウエイセンターをキープしました。距離もまずまずで満足です。

Bob:Good hit, Sanzo! You've got a very nice and smooth swing.
ナイスショット!の意味ではGood shot! Good hit! Great drive! などと言い、Nice shot!とは言わないようです。意味は通じますがね。飛距離を重んじるBobの目には私のショットは褒める距離でなかったらしく、スイングを褒めてくれました。なかなかの気遣いをする男ですね。

私:Thanks. Not too bad, eh?
褒められたら素直に I like that. とか That will play. と応じておきましょう。 

いよいよ次はBobの打順です。tee boxでブルンブルンとクラブを振り回します。tee ground上の二つのtee marks を結ぶ線と、その線の後方ツークラブの(2 club length)範囲をtee boxと呼びます。野球のバッターボックス、相撲の土俵のようなものですから、プレイヤーが精神を集中するためのルーティン(pre-shot routines)を始めたら他の者はおしゃべりしたり物音を立てるのは厳禁です。こういう場面ではカートのバッグからクラブを出し入れしてガチャガチャ音をたてたり、プレイヤーの視野の中に入るほどtee boxの近くに立ってポケットの中の小銭やティーをカチャカチャさせるのはマナー違反です。当然のことながら、われわれは息を潜めてBobの第一打を待ちました。

ぐしゃっとつぶれるような音を残してボールがクラブヘッドを離れフェアウエイセンターに向けて飛び出しました。まさに全身全霊をこめて「ひっぱたいた」状態です。こういうシーンで使うようにと身につけた、とっておきの表現が活かせます。
Wow! What a drive! You really killed the ball, didn't you, Bob?

あれあれあれれれ・・・、次の瞬間ボールはセンターからスライスと言うより右折するような勢いでぐんぐん右前方45度に進路を変えて進みだしたではありませんか。

Turn! Hang on! Come back! 
Bobが声の限りを尽くしてボールに叫び続けています。

ヤバイ!こんなときなんと言ったらいいんだろう・・・・?


ゴルフな英会話(2) ティータイム

2006年11月29日 10時31分38秒 | Weblog

バッグをBag dropに置いて受け付け手続きするときは貴重品をバッグの中に入れておかないようにくれぐれも注意しましょう。

日本のゴルフ場でチェックインするときは、ホテルのフロントのような受付カウンターで住所氏名を記帳したりと大袈裟ですが、カナダではプロショップで受付をします。電話で予約してあるスタート時間(tee time)の30分くらい前にチェックインを済ませるようにするのは世界共通の常識でしょう。

プロショップでの私と係員のやり取りは大体次のような感じです。

係員:Hi, Sanzo. How is it going today?  How many players this morning.
私: Twosome.  I have 10:30 tee time.
係員:I got you.  Are you going to pay for your guest ?
私: No. He is going to pay his green fee and a half cart.
係員:Gotcha. Are you going to walk or ride?
私: Walk.
係員:You know what Sanzo?  I have a single standing by.  Do you mind if he joined you? He is a member and a pretty good player and you would really have fun playing with him.
私: Of course not. 
係員:Awesome.  Another thing is that a big tournament is coming up this afternoon and I have to put you in the back nine this morning.  There will be a starter at the 10th tee.  OK, you guys are all set.  You have a great round, Sanzo
私: Thanks. See you later.

太字の部分を確認しておきましょう。

「スタート時間」はstarting timeでも分かりますがtee timeが一般的です。オヤツ食べながら一服する、あのTea timeと同じ発音です。
一人でゴルフ場に行き、他のプレイヤーと一緒の組でプレイすることは日常茶飯事で、今日も私とゲストのtwosomeに一人のsingleが加わり三人一組threesomeで回ることになったわけですね。四人がfoursomeであること、ご存知の通りです。

けちなホストの私はゲストにグリーンフィーとカート代を払わせています。二人乗りのカートですが、一人だけで利用するときはhalf cartと半額になります。私はカートに乗らず歩いて回るのです。グリーンフィーは年会費として前払いしてありますから、カート利用(ride)せずに歩いて(walk)プレイする限りはお金は一切かかりません。歩き方にもいろいろあって、手押しカート(pull cart)にバッグを載せる方法もありますが、私は写真のようなタスキがけになったバッグを背負ってラウンドします。

日本ではアウト→インまたはイン→アウトとプレイの真ん中に昼食をはさみますが、カナダでは昼食での中断はなく、front nine holes→back nine holesの順に通してプレイするのが普通です。しかし今日は午後から大きなコンペが入っている関係で、いつものfront nineではなく10番からのback nineスタートだそうです。 因みに、この「アウトコース・インコース」は昼食で中断する日本ゴルフに固有の呼び方のようですね。

では、starterの待つ10th hole teeing groundに急ぎ、Tee offと参りましょう!

 


ゴルフな英会話(1) セルフプレイ

2006年11月28日 01時41分23秒 | Weblog

ゴルフを始めてかれこれ40年。海外でプレイする機会にも恵まれ、随分と色々な所で色々な人たちとゴルフをしてきました。気の措けない日本人仲間とやるゴルフが一番気楽で楽しいのですが、コースで初対面の外国人と一緒にプレイするのもそれはそれで結構面白いものです。交友範囲が広がるし英語の勉強にもなります。

私が一緒にプレイしたアメリカ人、カナダ人にはけっこう熱くなるタイプのゴルファーが多く、一打一打に喜怒哀楽を顕わにする場面に幾度も遭遇してきました。ナイスショットに喜ぶよりもミスショットを呪い、ミスを犯した自分を罵倒するfour-letter-wordsが飛び交うのですが、それはさておき、ゴルフをしながら会話を楽しむために必要と思われる基本的な「ゴルフな英語」を気まぐれに、気ままに集めてみました。

アメリカ、カナダで私が見聞きした範囲での表現であったり、自分の体験をベースにした「異文化ゴルフ体験記」のようなシロモノですが、日本のゴルフ界で定着している表現との違いを分かってもらって、あちらのゴルフ事情の理解を深めてもらえれば、これも「異文化理解の促進」ということでメデタシメデタシなのです。宜しかったらおつきあいください。

ゴルフが「庶民のスポーツ」として男女の幅広い年齢層に浸透しているカナダに比べると、バブル崩壊後プレー代が安くなったとはいえ、日本ではまだまだ「大人の贅沢な遊び」の域にとどまって足踏みしている状態との印象がぬぐえません。ホテルのように豪華なクラブハウス、レストランでの高価なランチ、温泉並みの大浴場、まさに贅沢な遊びですね。「ゴルフそのもの」以外の部分に必要以上に金をかけ、利用者の負担が大きくなる結果をもたらしているのです。いわゆる「名門コース」で「ジャケット着用」なんて得意げに出している看板が全て取り外されるのはまだまだ先のことなんでしょうね。

受付を兼ねたプロショップ、簡単なレストランとコーヒーショップ、コース内売店、シャワー付きのメンバー用ロッカールーム。これだけの付帯施設です、カナダでは。ゴルフを楽しむための必要不可欠な施設にとどめているから利用料金も日本より安上がりで、ゴルファーにとっては有難いことです。それに比べて練習場は充実しています。芝生から直接打てるDriving Range、アプローチ練習用のChipping Green、パット練習用のPutting Surface。土地の広さが違うといえばそれまでですが、「ゴルフそのもの」が中心になっていることが実感できるのです。

南米のメキシコやブラジルのメンバーシップコースではキャディーが付きますし、東南アジアのコースではキャディー付きが主流のようですが、カナダやアメリカのみならずイギリス、フランスなど欧米では超名門コースを除いてハウスキャディーはいないのが普通のようです。ゴルフを安く楽しむために日本でもキャディーの付かないセルフプレイが定着してきましたが、欧米ではセルフが当たり前です。当然のことながら、ここで取り上げるゴルフシーンもセルフプレイであることをお断りしておきますが、いちいちSelf Playなんて言い方はいたしません。これ和製ゴルフ英語です。

それでは、さっそくゴルフに出かけましょう!!

日本のコースのように仰々しいロッカールームなんて無いので、ゴルフウエアに身を包みコースに向かいます。車のトランクがロッカーです。駐車場でゴルフシューズに履き替え、ゴルフバッグをカート置き場脇のBag Drop(バッグ置き場)に立てかけることから「ゴルフな一日」のスタートです。バッグをカートに積み込んだり、プレイ後のクラブを掃除してチップを稼ぐBag boys, Bag girlsとの会話で一日が始まります。

"Hi, how is it going?"
"How are you doing today?"

なんて愛想よく近づいてきます。疑問形の文章ではありますが、相手も答えを求めているわけでもなく、軽く「やあ、どうも」「こんちは」程度の挨拶ですから、こちらも軽く"Good!" または "Fine!"程度にとどめて十分で、"How about you?" "And you?"なんて付け加えたら申し分なし百点満点です。絶好調なスタートです。

さあ、この調子で次回はプロショップに入ってスタートの手続きです。