自慢できる話でもありませんが、私は百万円以上出して新車を買ったことは人生に二度しかありません。中古車ディーラーから買ったのが3台、友人知人から譲ってもらったのが7~8台でしょうか。車に百万円以上の金は使わないことにしているのです。自動車なんて所詮AからBに安全且つ確実に動けば問題なしと思っているほうで、「命を預ける物だから常に新車であるべし」と何百万円もの大金を平気で車に注ぎ込む人の気が知れません。そんな金もありませんし。
ケロウナに最初に来た2005年の夏、当地で下駄代わりに乗り回すために買った中古車(スズキ製の小型SUVサイドキック1800CC)も、さすが日本車、オイル交換と定期点検さえきちんとやってやったら、二万キロ近く健気に走り続けてくれました。愛情を込めてサイドキックちゃんと呼んであげる所以です。
ただ、広大なカナダで長距離走行したり、ゆくゆくは国境を越えて隣のアメリカに長旅に出かけてみたいなんぞと考え出すと、サイドキックちゃんのパワーと快適性には物足りなさが否めません。日本製のSUVまたはVanの中から、自分なりにメーカー、年式、値段などを特定して具体的な物件探しを始めようかと考えていた矢先の出来事です。
行きつけのショッピングモールで買物を済ませ、駐車場に向かって歩いている私の前を、私がイメージしていた第一候補の車が通りかかりました。「あぁ、あれだよな。あの年式がいいんだよな」と思いながらそれとなく見送ると、後部のガラス窓に「FOR SALE」の張り紙が。駐車場に停めて長身のシニアが店の方に歩き出したのを見て、女房に一言「ちょっとヒヤカシに行ってくる!」と言い残して猛ダッシュ。
お急ぎのところすみません。この車に関心ありなので、ちょっといいですか?
年式は?走行距離は?あなたは何人目のオーナー?事故歴は?そして、いくら?
矢継ぎ早の質問にキッチリと答えてくれた老紳士(というより上下ジーンズの似合う細身のカウボーイ風シニア)。肝腎の値段は私の予想を下回る好条件です。サイドキックちゃんがいくらで売れるか(そもそも売れるのか?)によってその差額の出費がいくらくらいで収まるのか?質問の間に頭の中のコンピューターが計算をし続けます。
大体のイメージがつかめたので「どうも突然お邪魔しました」と礼を言って一応先方の電話番号を控えて別れようとしたら、「もしこの車買ったら、今乗ってる車どうするの?」と今度はカウボーイが訊いてきます。私が今乗っているのは駐車場のあそこにある、あの小さなSUVだと指で示しながら「これを買う前にあれを売るのが先決」と応じたら、「ちょっと見せてくれ」と来た。写真家としてビクトリアで働いている末娘が小型車への乗換えを検討中とのことで、「これいくらで売るつもり?」と鋭い突っ込みです。
こちとら、そこまで具体的に詰めて考えていなかったので、「大体あなたの車と同じ年代で同じような走行距離だから、同じような値段をイメージしている。そちらが良ければ、なんならスワップ、物々交換でもいいよ」と応じたものです。まんざらでもなさそうなカウボーイ、娘に連絡してサイズに問題無いか確認する、問題なければ本件(物々交換!)進めたいとのスタンスです。
「でも、お嬢さんが現物見なけりゃ決められないでしょ?」
「いや、俺が決めたことは娘は信頼する。ただサイズだけは娘に確認する必要があるので時間をくれ」と、なんともカッコイイお父さんです。
娘さんから前向き回答が来たようで、次の日に同じショッピングモールの駐車場で会いたいとの電話が届きました。お互いの車をもっと知り、試乗もしてみたいとのもっともな、堅実な申し入れです。どうやら信用して良さそうなカウボーイとの印象です。
ほんの冷やかしのつもりが、ことによったら・・・。 面白くなりそう!
ケロウナに最初に来た2005年の夏、当地で下駄代わりに乗り回すために買った中古車(スズキ製の小型SUVサイドキック1800CC)も、さすが日本車、オイル交換と定期点検さえきちんとやってやったら、二万キロ近く健気に走り続けてくれました。愛情を込めてサイドキックちゃんと呼んであげる所以です。
ただ、広大なカナダで長距離走行したり、ゆくゆくは国境を越えて隣のアメリカに長旅に出かけてみたいなんぞと考え出すと、サイドキックちゃんのパワーと快適性には物足りなさが否めません。日本製のSUVまたはVanの中から、自分なりにメーカー、年式、値段などを特定して具体的な物件探しを始めようかと考えていた矢先の出来事です。
行きつけのショッピングモールで買物を済ませ、駐車場に向かって歩いている私の前を、私がイメージしていた第一候補の車が通りかかりました。「あぁ、あれだよな。あの年式がいいんだよな」と思いながらそれとなく見送ると、後部のガラス窓に「FOR SALE」の張り紙が。駐車場に停めて長身のシニアが店の方に歩き出したのを見て、女房に一言「ちょっとヒヤカシに行ってくる!」と言い残して猛ダッシュ。
お急ぎのところすみません。この車に関心ありなので、ちょっといいですか?
年式は?走行距離は?あなたは何人目のオーナー?事故歴は?そして、いくら?
矢継ぎ早の質問にキッチリと答えてくれた老紳士(というより上下ジーンズの似合う細身のカウボーイ風シニア)。肝腎の値段は私の予想を下回る好条件です。サイドキックちゃんがいくらで売れるか(そもそも売れるのか?)によってその差額の出費がいくらくらいで収まるのか?質問の間に頭の中のコンピューターが計算をし続けます。
大体のイメージがつかめたので「どうも突然お邪魔しました」と礼を言って一応先方の電話番号を控えて別れようとしたら、「もしこの車買ったら、今乗ってる車どうするの?」と今度はカウボーイが訊いてきます。私が今乗っているのは駐車場のあそこにある、あの小さなSUVだと指で示しながら「これを買う前にあれを売るのが先決」と応じたら、「ちょっと見せてくれ」と来た。写真家としてビクトリアで働いている末娘が小型車への乗換えを検討中とのことで、「これいくらで売るつもり?」と鋭い突っ込みです。
こちとら、そこまで具体的に詰めて考えていなかったので、「大体あなたの車と同じ年代で同じような走行距離だから、同じような値段をイメージしている。そちらが良ければ、なんならスワップ、物々交換でもいいよ」と応じたものです。まんざらでもなさそうなカウボーイ、娘に連絡してサイズに問題無いか確認する、問題なければ本件(物々交換!)進めたいとのスタンスです。
「でも、お嬢さんが現物見なけりゃ決められないでしょ?」
「いや、俺が決めたことは娘は信頼する。ただサイズだけは娘に確認する必要があるので時間をくれ」と、なんともカッコイイお父さんです。
娘さんから前向き回答が来たようで、次の日に同じショッピングモールの駐車場で会いたいとの電話が届きました。お互いの車をもっと知り、試乗もしてみたいとのもっともな、堅実な申し入れです。どうやら信用して良さそうなカウボーイとの印象です。
ほんの冷やかしのつもりが、ことによったら・・・。 面白くなりそう!