星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

洞爺湖便り(7)はいどうど

2014年09月20日 22時10分41秒 | Weblog
これまでの人生で馬に乗ったことが二度あります。最初は60年近く前に神奈川国体で馬術競技に出場した従兄弟を応援に川崎競馬場へ行った時。当時獣医大学生であった従兄弟の愛馬にのせてもらい、馬場を1~2周したのでしょうが記憶が定かではありません。二度目はもう6年前になりますが、アルゼンチンに短期語学留学に行った時、学校の課外活動でのピクニックでお遊びの馬乗り。この時には馬のコントロールの仕方が分からず(誰も教えてくれず)ただ馬の気の向くままに任せてのダラダラ・グテグテの数分間で乗馬なんてものではなく、消化不良だけが残る体験でした。

旧い話ですが、アラカン扮するところの鞍馬天狗が杉作をのせて京の街道を愛馬(白馬であったのですが号は覚えていません)にまたがって疾走する場面を「かっこいいなぁ!」と感動して観ながら拍手したことを今でも覚えています。あんな具合に馬にまたがって一度で良いから疾走してみたいと、かねてから夢見ていながらその夢の実現に向けての一歩が踏み出せないままで今日に至っています。

 

どうやらその第一歩を踏み出す時が来たようです。疾走するのは百年早そうですが、馬子(インストラクター)が手綱を引くのではなく、自分一人で馬をコントロールしながら洞爺湖の森を40分ほどトレッキングするコースに参加してみました。

あてがわれた馬の名前が「サクラ」。栗毛色の精悍な馬とは違って、薄茶色の気の弱そうな馬です(写真右上)。どちらかというとあまりやる気のない馬で、すきあらば道草食ったり楽をしたがるタイプ。手綱を通してのコミュニケーションをしっかり取らないと舐められかねないので要注意との事前情報です。なんだか乗り手と同じタイプの馬で妙に親近感が湧きます。かかとで軽く蹴って始動させ、手綱を引いて止め、小指方向に向けて軽く手綱を左右に引くことで方向を修正する、この三点だけを教わって即行動開始です。

今日は快晴ながら昨夜の雨でトレッキングコースはどろどろのぐちゃぐちゃ。サクラのやる気が一気に萎えそうで心配です。教わった通りの要領でサクラの横っ腹を踵でキック。面倒くさそうにしながらもサクラは静かに山道を登り始めました。「ナイスキック!」とインストラクターが褒めてくれました。OB杭にはじかれてフェアウェイに戻ったゴルフボールと同じで、結果オッケーのスタートです。

インストラクターが先頭を歩き、もう一人の生徒(休暇旅行中のヤングレディー)を乗せた馬(ハルカ)がサクラの前を歩いて30分ほど裏山を登って降りる初級コースながら、自分の手綱捌きで落馬することも無く、山の上からの素晴らしい眺めも楽しめたので、それなりに満足できたトレッキングでした。

  

道に落ちた馬糞は何度も見ていますが、歩きながら目の前でハルカのやらかす行為は想像以上の迫力であったことと、30分ほどの行程で2~3回も目撃するとは驚きでした。馬の視野は350度で真後ろ以外は殆どのものが目に入るそうで、唯一の死角は真後ろだそうです。真後ろに居ると蹴られるのは臆病なくらいに注意深い馬の習性と聞いて目からウロコでした。

 

ランチは洞爺湖町の道の駅あぷたの自慢の逸品「ウニ丼」。イベントで今日は100円の割引です。コレステロールのことは今日は忘れることにして堪能しました。で、このウニが「ばふんウニ」だと。・・・・話が出来すぎてるんじゃない?

洞爺湖便り(6)ちょっと遠足に

2014年09月19日 21時34分21秒 | Weblog
せっかく洞爺湖にベースキャンプがあるので、周辺の町でこれまで行ったことのない所を訪れるのも今回の楽しみの一つです。札幌には何度も行っているので今回は外し、余市と小樽に初めて行って来ました。

余市は9月29日から始まるNHK朝ドラの新シリーズ「マッサン」の舞台となる町で、放送が始まったら観光客でごった返すに違いなく、スタート直前の今こそ絶好のタイミングでありました。ニッカウヰスキー余市蒸溜所のガイド付きツアーも混んでおらず、ランチにジンギスカン定食を食べたレストランもまだまだ空席がありました。

     

余市の産んだもう一人の英雄、宇宙飛行士の毛利衛さんを讃えて、観光協会の建物は宇宙記念館をも兼ねていて余市への観光客を呼び込む目玉として活躍しているようでした。ついでと言っちゃナンですが、洞爺湖から余市に向かう途中に真狩(まっかり)という小さな町があり、演歌歌手細川たかしさんの生まれ故郷だそうで、そこの道の駅ではハリボテの細川さんが迎えてくれました。故郷の産んだ名士が観光に一役も二役も買っている姿は微笑ましものです。

 

小樽観光の定番、運河見物とガラス工芸店冷やかしだけをサクッと済ませて朝里川温泉へ。そして小樽では決して外してはいけない寿司屋へ直行です。寿司を食べながら仕入れた翌朝の朝食ネタ。地元の魚を豪快に食べさせてくれる「民宿青塚食堂」へ行けとの指示に素直にしたがって行って来ました。これが美味かった!



そして、札幌に立ち寄らずに小樽から定山渓温泉経由で中山峠を越えて2時間で洞爺湖に戻ってまいりました。
洞爺湖のマイホームに帰り着くと「ああ~帰って来たぁ。ウチが一番良いよなぁ!」といういつものセリフ。温泉と美味いもの食べた幸せをもう忘れかけているようです。

ちなみに、今回の立ち寄り湯は素人っぽい定山渓ではなく、隣の小金温泉という、玄人受けする温泉にしておきました。はい。


洞爺湖便り(5) パークゴルフ

2014年09月18日 20時05分57秒 | Weblog
洞爺湖周辺の市町村にはゴルフ場は無くてもパークゴルフ場は必ず一つや二つはあるようです。北海道十勝地方で1983年に始まったスポーツで、特に北海道全域にまたがってコースが多数あるのは理解できますが、道外では千葉県にコースが多いと初めて知りました。

洞爺湖暮らしも一週間もすると、観光客用に用意されたスポットはほぼ全てカバー済みで、行くべき所は行き尽くしたという感じです。二週目の洞爺湖生活は、「見る」ことから一歩踏み出して、ここに居るからこそ出来る新しいことにチャレンジして「やってみる」を中心に据えることにしました。

先ず最初にやってみたのがパークゴルフです。

洞爺湖町に隣接する壮瞥町。ここは横綱北の湖の出身地で、郷土が誇る名横綱を顕彰する大層立派な「北の湖記念館」があって、その脇に展開する「壮瞥町パークゴルフ場」が今日のコースです。

 


ゴルフの受付、用具の貸し出し等全ての業務を北の湖記念館の事務員が担当しています。ゴルフ場なら事務員が受付カウンター(兼)プロショップ(兼)キャディーマスターの仕事をするようなものです。町営パークゴルフ場ならではのアイデアとこの事務員の仕事っぷりを意気に感じてのコース選定では決してなく、これまた、コースの脇に併設されている、町営温泉「ゆーあいの家」の源泉掛け流しの看板に負けたのです。入浴券付きで道具レンタル代込み込みで600円はタダみたいなものですね。

900メートルでパー66の公認コースでのスコアが68、つまり2オーバーです。夢に見続けたエイジシュート達成です!しかも、ゆうあいコース2番ホール35メートルのパー3ホールではホールインワンのおまけつきです。ああ、ゴルフのカップもこれくらい大きければ言うことないんだけどなあ!!




洞爺湖便り(4)ジオパーク

2014年09月16日 20時06分11秒 | Weblog
最近でも20年~30年に一度噴火している有珠山。災害をもたらす反面、温泉、景観等大地の恵みを洞爺湖周辺にもたらしてもいます。自然と周辺の人間の共存の歴史を学び、「生きている地球と生命との繋がりを学ぶ場所」と定義した有珠山ジオパークが大変充実していて、洞爺湖観光の目玉的存在となっています。特に、災害の遺構を巡るフットパスの充実は目を見張るものがあります。全部を踏破することは難しいかも知れませんが、少しでも多くのフットパスにチャレンジてみたいと思っています。



取り敢えず手軽なフットパスからスタートと、遊覧船で中ノ島に渡り、簡単な森林浴遊歩道に行って来ました。
短い距離とはいえ、かなりの上り坂もあり顎を出しながら、マイナスイオン浴びながらの一時間足らずの散策で、エゾシカに巡り会えたのはラッキーでした。そういえば、先日はドライブ中にキタキツネにも遭遇しましたよ。熊はまだですが。

  

では、この続きはいずれまた。

洞爺湖便り(3)洞爺湖応援団

2014年09月15日 15時10分00秒 | Weblog
オリエンテーションで分かったこと。
その第一は洞爺湖町は人口9,600人弱の小さな町でスーパー、コンビニはあっても大型店舗は15キロ離れた伊達市まで行かないと皆無であること。洞爺湖をとりまく有珠山、昭和新山等の観光資源、隣の壮瞥町までを含めた周辺の温泉を売りにした観光が主要産業で、あとは農業、酪農業がそれなりに営まれているが基本的には過疎化の傾向にあること。だからこそ、他地区からの転入移住を促進するための体験宿泊施設まで用意して努力しているとのこと。この話を聞いてちょっとひるんだ私を励ますように、役場の担当のTさんは「この移住体験施設を利用した方での移住実績はゼロです」と言ってくれました。Tさんの心中を察すると複雑な気持ちになった小心者の私です。

よ~し、それならこれをご縁に洞爺湖町を微力ながら応援しよう。ふるさと納税もするぞ。これから二週間の生活では徹底的に洞爺湖町のイベントに参加して、食材は地元生産品しか買わないぞと心に誓い、さっそく道の駅巡り開始です。

こちらの気持ちに応えるかのように、背中を押してくれるかのように、秋のグルメフェアなるイベントがスタートしてチラシを片手に買い歩き、食べ歩きスタートです。

ホタテ稚貝の旨味がぎっしり詰まったホタテ汁付き洞爺湖赤牛の「ステーキ丼」をブランチに食して、景品のジャガイモをもらい、デザートのソフトクリームが定価の100円引き。これじゃ道の駅も赤字じゃない?

 

腹ごなしの散歩、ウオーキングにはうってつけの遊歩道が湖畔に沿って大変良く整備されています。
アップダウンの少ない「水辺の森の小径」一周4キロ程度の初心者コースをサクッと歩いて調子を整える。
こんなパターンの生活が続きそうです。いずれもっとアップダウンのあるフットパスのいくつかに挑戦したいと思っています。

 

ま、やること食べること沢山ありそうだから、無理せずにぼちぼち行きましょうかね。


洞爺湖便り(2)オリエンテーション

2014年09月14日 23時09分03秒 | Weblog
出発を前にして天気予報は北海道石狩地方の集中豪雨を伝え、飛行機が飛ぶのかと不安になってネットで調べても運航状況に異常なし、現地に電話したら「隣町は集中豪雨らしいが当地は一滴も雨が降っていない」との回答。
狐につままれたような気持ちですが、とにかく成田空港まで行くだけ行ってみて、そこで最終判断するつもりで出発です。

   

運航が不安定とあまり評判の宜しくないLCCの中では、今日搭乗予定のJ社は就航率98%と評判上々。流石のJ社でも今日の荒天では運航すまいとの予想に反して全くのノープロブレム。札幌悪天候のために出発時間が30分ほど遅れただけで通常運航です。あの天気予報はナンだったんだ?洞爺湖町に着いてから集中豪雨に見舞われて避難命令なんか受けたら、現地の皆さんに迷惑かけるだけじゃなくて、周囲から「とんでもないアホ」呼ばわりされるのが目に見えてるなぁ・・・・・。ちょっとばかり気の重いままのテイクオフでした。

新千歳空港から洞爺に向かう途中で通過する白老や苫小牧は、ニュースによれば記録的集中豪雨に見舞われたはずですが、高速道を走る限り全くそんな気配は見られず、なんの異常もなく定刻に洞爺湖町役場に到着し、淡々粛々と役場で体験宿泊施設の賃貸借契約締結です。

これから二週間お世話になる家まで町役場の担当の方に案内してもらいながら、ゴミの出し方、生活必需品の買える店、イチオシのグルメ情報なんぞもしっかりと仕入れていよいよ洞爺湖町生活のスタートです。

近代的な姿に立て替えて間もなく平成18年に廃校になってしまった、洞爺村立香川小学校(現香川コミュニティセンター)の校庭の端に立つ、元教員宿舎が我が家です。近所には人家が全くないうら寂しい場所ですが、家の裏からは蝦夷富士(羊蹄山)の全貌が一望できる、素晴らしいロケーションです。

  

到着2日目の午前中は、生活に必要な洞爺湖畔のメインスポットを半日かけてオリエンテーションとして連れて廻ってくださり、これから二週間の生活に何の不安も無くなり、期待が膨らむばかりです。

銭湯代わりにこれから毎日お世話になるであろう町営の温泉施設「いこいの家」へのご挨拶を済ませてから、経済的にまだゆとりのあるうちにと、お薦めの回転しない寿司屋で豪華な夕食で洞爺湖生活をスタートさせたのでした。