星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

きょうの一言(21) Under the gun

2006年07月26日 14時40分55秒 | Weblog

海外に長期滞在する者にとって、現地で発生する固定費用をいかにして減らすかと言うことは大事な問題です。私の場合もいわゆる固定電話は設置せず、最近の若者のように携帯電話だけで生活しています。プリペイド方式で通話料は高いものの、滞在していない時の基本料等の固定費が発生しない方式で割安です。

この方式の面倒なところは、プリペイドカードの有効期限が二ヶ月のため、二ヶ月毎に更新の手続きが必要なことです。先日その手続きに訪れたオフィスの担当者が私に応対中に電話が鳴り出しました。何人かいる他の社員も接客中で、どうやら私の担当者が一番の若手らしく、暫くキョロキョロ見回してから、迷惑そうに仕方無しに受話器を取り上げました。そして一言常套句です。

Hello, thank you for calling Telus Mobility. All of us are right now busy serving other customers, so please hold on.

こう言われて電話の向こう側で待つ者の気持ちは「おいおい、忘れるなよ!」であるのは洋の東西を問わないのでしょう。忘れられては困る相手が「チョット待ってくれ、David と話したいんだけど」と言った模様です。

I have seen him earlier, but David is not around now. I'll put you through to his voice message system.  E-h-h-h, just a minute, he seems to be back, e-h-h.

どうやらDavid とおぼしき社員が奥から出てきて、自分宛の電話が入っているらしいのに気づき、「今、俺は留守」のサインを私の担当者に盛んに送って来ます。

Hello. Are you still there?  David came back once but he sure seemed like to be under the gun.  I'll have him call you back later. 

この時のDavidなる人物の忙しそうな風情、電話に出る余裕なんて微塵もなさそうな雰囲気は、まさにピストルを胸倉にでも突きつけられたかの如き様相でした。この担当者のhe seems to be under the gun という表現がDavidの余裕の無さを120パーセント余す所なく言い表していて、そばで聞いていて納得してしまいました。


きょうの一言(20) You betcha!

2006年07月23日 02時34分49秒 | Weblog

アメリカでそうであったように、ここカナダでもレストランで出される食べ物一人前の量がべラボーに多いのには驚きます。小柄な女性でも平気な顔して一皿平らげますが、平均的日本人の手には余ります。およその目安としては一人前を二人でシェアして、小さめのサラダなんぞを摂れば十二分に満足な食事になります。

コーヒーショップでのやり取りです。
私:We would like to share one club house sandwich. So would you make it sure to cut that into even numbers so that I don't have to fight with my wife?
ウエイトレス: You betcha!!

「はい、かしこまりました。間違いなく。」といった意味でのスラングで”You bet” と言いますが、これをもっと砕いて「合点承知ぃ!」 とでもいったノリなのでしょう。理屈っぽく言えば、betchabet youでしょうからyou bet yourself の省略形で、「私がその通りにするほうに、あなた賭けても間違いなく勝てるわよ」といったニュアンスなのだと思います。聞いている方としては、「こりゃ間違いなく大丈夫だな」と心強くもなります。

ご存知のようにBet(ベット)は動詞で「賭ける」、名詞で「賭け事」ですよね。カジノでルーレットの球が廻り終わる直前に、”No more bets, thank you.”と言いながらディーラーがこれ以降の賭けを毅然と制する動作を思い出してワクワクする人は相当のbet好きです。最近はゴルフでも「おい、今日のベットはどんなルール?」なんて頻繁に使われ、日本語としても定着してきた感があります。

私:The tee time is six thirty tomorrow morning.  Are you sure you can make it?
仕事仲間:You bet  I'll be there.

「(どんなに早かろうと)間違いなく行くよ。なんならアンタ賭けてもいいよ」ほどの意味で、これが一般的な用法です。これを短くして ”You bet” または ”You betcha” と景気良く言うことにより「こりゃ絶対間違いなさそうだ」と安心するわけですね。

われわれに「別ちゃん」と仲間から呼ばれる友達がいますが、このウエイトレスの言い方もまさに「You ベッチャン!」と聞こえました。

 


ケロウナ便り(20) サクランボ狩り

2006年07月22日 07時25分48秒 | Weblog

ケロウナ便りも(19)を最後にしばらくサボっていました。
というのも、6月の営業報告をした後は次の営業報告でもっと素晴らしい内容を報告したいばかりに、ますます仕事に精を出したため時間的、体力的に余裕が無かったことと、仕事のほかは殆ど便りに書くべきことをしていなかったこととによります。

仕事師の妻ももっと真面目に仕事をしてみたいと言うことで、7月から同じ職場の平日会員になって夫婦で共働きを始めました。投資した営業権利金の早期回収を図るべく、週休二日制にもかかわらず、休日出勤までする働きぶりであったのです。

ところが、7月も後半に入るとケロウナらしい本来の暑さがやってきて、今日からこの週末にかけては40℃近い気温に達すると言う予報が出ています。如何に仕事好きとは言え、熱射病になったり脱水症状を起こすのは本意ではないので、今日は臨時休業して近場の果樹園にサクランボ狩りに行ってきました。

我が家から車で15分ほどの所の道路わきに「U pick Cherries」と手書きの看板がありましたので立ち寄ってみました。ドイツ系カナダ人夫婦が経営する13エーカーほどの果樹園です。ブリキのバケツを渡され「これ一杯で約10ポンドです。幹に赤いマークの付いている樹が今食べごろのLapin種です。」とだけの説明です。入園料が要るわけでもなければ、園内で食べる量が制限されるわけでもないと分かると、一目散に現場に急行です。

シーズンのピークを過ぎているので残り少ないのではないかとの心配は杞憂でした。写真にあるような赤黒い実をたわわにつけた樹が何本も残っています。店で買うのとは違って、熟れた実にも酸味があり、なんともフレッシュな美味しいチェリーでした。バケツに入れるのは後回しにして、先ずは腹に入れることに専念したことは言うまでもありません。このために昼前の時間を選んで昼飯抜きでやって来たのです。

甘さではLapin種をはるかに凌ぐ、黄色いRainier種はシーズンが終わってしまって摘むほどには残っていませんでしたが、昼飯抜きの腹を一杯にするには充分すぎるほどの量があり、これも充分に堪能できました。

さんざん食べた後、「このチェリーについている点々は雨の雫の跡だよな?まさか肥料じゃないよな?」と人並みに気にもなりましたが、これも杞憂でした。オーナー曰く「有機栽培ですから心配ありません」と。食べる前に訊く余裕の無いのが「昼飯代わりのサクランボ狩り」の哀しさです。

摘み終わったバケツの中身を計量して「6ポンドですから13ドルなにがしです」。店で買うのと値段の差がどのくらいあるのか、勉強不足で答えが出せませんが、二人で美味しいサクランボをタラフク食べた満足感を手に入れたことを思うと、お買い得な小一時間でした。

果樹園オーナーによると、この周辺には日系カナダ人の経営する果樹園が沢山あるようで、今後の探索と散策が楽しみになりました。


ケロウナ便り(19) 6月の営業報告

2006年07月05日 04時01分28秒 | Weblog

ゴルフが仕事のケロウナ生活。6月の仕事の営業実績を纏めてみました。

6月13日ケロウナ到着。6月14日が終日雨であった以外はすべて快晴。営業可能日は合計16日でした。友達来訪の準備で臨時休業した20日と、友達一行を空港に送った後、遊びに来ていた娘と一緒に過ごすため臨時休業した25日の二日を除いて営業。実営業日を営業可能日数で割った「稼働率」は14/16=88%とまずますでした。

自分の仕事場Okanagan Golf Clubでの勤務が12日、延べ14回(つまり残業して一日に2回仕事した日が2日あった、仕事大好き人間です)、仕事の道具を背負って徒歩での営業が6回、残りの8回は営業車を利用して体力温存に努めました。足で稼ぐ営業の比率をもっと高めるのが今後の課題でしょう。オカナガンGCでの営業権利金は前払いしていますので、営業車の使用料16ドルを毎回払うだけですから、今月の使用料は合計128ドル。

外回りの営業は18日のPredator Ridgeと24日のThe Harvestの2回のみでしたので、営業費用も合計161ドルと比較的安く抑えることが出来ました。

6月に私の仕事(16回)にかかった費用の総計は289ドルで一回当たり約18ドルという結果になりました。(外回り営業にかかる交通費、前払い営業権利金の償却費と、何処にいても発生する飲食費は除外してあります)

いよいよ肝腎の営業成績の報告です。

私の仕事場オカナガンGCにはBearとQuailの二つのコースがありますが、Quailの方が難度がやや高いのとアップダウンが強いので、歩いての営業には辛いものがあります。身体を慣らし、仕事の環境に順応することを主眼とした6月はもっぱらBearでの仕事が中心でした。習志野カントリーにキングとクイーンがあり、キングよりクイーンを好む私にはBearのほうがピッタリのコースです。Bearでの仕事10回の平均売り上げは84.5、生涯ベスト売り上げの77も出て、きわめて順調な滑り出しと自己評価しています。一方6月は敬遠気味であったQuailでの4回の平均売り上げが90でした。

外回り営業先のPredator Ridgeはカナダでも有数の難度の高い仕事場。ここで90を売り上げ、The Harvestを85でしのいだのは、自分の仕事場での熱心は仕事振りの成果であったものと、これまた評価しています。

16回の仕事で総売上1380、一回当たりの単純平均売り上げ86.25でありました。

それにしても飽きずによく仕事するものだと、自分でも熱心な仕事振りに驚いています。同じ仕事場でありながら、早朝、日中、夕刻と仕事を始める時間によって変化する仕事環境、一人で歩いての営業もあれば同じ仕事場に属するカナダ人との共同営業ありと、仕事のやり方のバリエーションが無限に広がるので退屈しないのです。

これから真夏になると日中の温度が35度を超す日が続くので、勤務パターンを早番と遅番に切り替え、日中は室内で次の仕事の準備(早い話が昼寝)に努めることを7月の営業方針としたいと検討しているところです。

ああ、言い忘れるところでした。足で稼ぐ営業の成果でしょうが、70キロ前後であった体重が65キロ以下に下がり、色は黒いけど、カモシカのような足になりましたぁ!

 


ケロウナ便り(18) カナダ・デイ(2)

2006年07月03日 12時33分31秒 | Weblog

カナダ・デイにどんな行事が繰り広げられるのか、市民がどのようにして祝うのか、興味津々、野次馬根性丸出しで街に繰り出しました。

夏季限定ですが毎週水曜日と土曜日の午前8時から午後1時まで、ショッピングセンター脇の広場でFarmers and Crafters Marketなる朝市が開かれています。普段着の一般市民の集う格好の場所として、先ず此処の様子から探索です。

手作りの木工品、ガラス装飾品、陶磁器その他の雑貨を並べ、商うというより素人が趣味と実益を兼ねてフリーマーケットで陳列して客を待つような、のんびりとした空気が漂っています。出店数が全部で50程度。そのうち2~3割が果物、有機野菜、蜂蜜・ジャム等の農産品やベーカリー、エスニック料理のスナックスタンドなどの食品関係です。これといった魅力的な物も見当たらないので、シーズンが始まったチェリーと有機野菜を少々求めてこの場を去りました。カナダ・デイらしさといえば、小さな国旗の飾りをポケットに刺している人を時々見かけた程度で、多分通常の開催日と変わり映えしないのではないかとの印象を持ちました。

新聞によれば、ダウンタウンにある市民ホール(アイスホッケー場です)で記念式典やら、小・中学生バンドによるパレードやら、戦没者の慰霊セレモニーなども催されたようですが、この手の官製の行事にはあまり関心が無いのでパスしました。

こちらの関心事としてはゴルフの腕を上げることの方が優先順位が高いので、昼間の時間は当地在住の中村プロからドライビングレンジでレッスンを受けることとし、夜の湖畔での花火大会までの時間調整をしたのでした。

午後10時過ぎてもまだ空には明るさの残るこの時期、せっかくの花火大会なのにと気を揉んでいたら、空が完全に暗くなった11時に花火が打ち上がり始めました。オカナガン湖畔に集まった多くの市民、観光客が歓声をあげながら見守る中での花火大会のスタートです。隅田川を初めとする日本各地の花火と比べたら規模はきわめて小さくて見劣りしますが、年に一度のお祭りで地元市民が歓声をあげるのを聞きながら、目の前100メートルぐらい先の空に上がる花火を見るのは、なかなか異国情緒もあってグーでした。何と言っても、これほど近くで見る花火はそれなりに迫力がありました。

およそ20分後に最後の連発花火が上がってお開きです。これほどの人がケロウナに居たのかと思われるほど、会場のWater Front Parkから家路に就く人の波が湧き上がるように動き始めたのにはビックリしました。普段見慣れているシニア層のみならず、こんなにたくさんの若者を一ヶ所で見たのは初めてでした。若者もたくさんいるんですねケロウナには。

老若男女を問わず手に手にミニ国旗を持ち、国旗をデザインしたTシャツを着る中年カップル、国旗を身体にまとい大声出しながら歩く若者、ほっぺたに国旗シールを貼る女の子・・・、カナダ人のカナダ・デイ・ルックの基本の基本は「メープル」でした。

アイスホッケー・アリーナ前の市営駐車場が満杯で、出庫する車の列が微動だにせず、駐車場から出るのに40分近くかかりました。車で待ちながら、「さて2月11日にはどんな行事があったっけ?」と自問自答しても答えが出ませんでした。

わが祖国でも「建国記念日」なんていかめしい名称をやめて、広く国民が親しめる名前に変えたらどうでしょうかねぇ。

 


ケロウナ便り(17) カナダ・デイ

2006年07月01日 23時41分02秒 | Weblog

7月1日はカナダの建国記念日カナダ・デイ(Canada Day)です。

アメリカの小学生がカナダの小学生に聞いたそうです。
Does Canada have a Fourth of July?
カナダの小学生の答えて曰く、
Yes, only it comes on the First !

アメリカの独立記念日Independence Day が7月4日(Fourth of July)であることは広く知られていますが、隣のカナダの建国記念日が7月1日であることは、私も恥ずかしながらケロウナに来て初めて知りました。ともに「独立」だ「建国」だと硬く言わず、アメリカの”Fourth of July”が一般的であるように、カナダでは”Canada Day”が普通のようです。 

フランスの探検家Jaques Cartierがプリンスエドワード島やセントローレンス河口を発見してカナダ本土に上陸したのが1534年。後のフランスによるカナダ領有の基礎を築きました。北米大陸の植民地をめぐる英仏の戦いフレンチ・インディアン戦争(1754~1763)が欧州本土での七年戦争(1756~1763)へと発展し、敗北したフランスがカナダを英国に割譲して、200年続いたフランスの植民地支配は終わりを告げたのです。

英国支配が一世紀経過した1867年7月1日(明治元年ですね)に、後にカナダの憲法の基礎を成すConstitution Act, 1867が英国議会で成立し、カナダの政治の骨格がきまりました。この法律で当時三箇所に分散していた英領(Province of Canada, Nova ScotiaおよびNew Brunswick)が統合されてDominion of Canadaが創設される運びとなったのです。この創設をもってカナダの建国とし、7月1日を建国記念日とすることが1879年に法制化されましたが、当然のことながら当時の名称は英国色の濃いものでありました。これを1982年英国議会が決議したAct of Canada, 1982に基づく新生カナダにふさわしい呼称としてCanada Day(カナダ・デイ)に改めたのです。

カナダ・デイとは市民にとってどんなものなのか、町では何が起こるのか、どのように祝うのかをこれから町に出向いてチェックしてきます。次の便りが届くまでの間に、私がそうしたように、カナダに関して勉強しておいてください。

↓のサイトが俄か勉強には便利でした。厳粛なカナダ・デイに嘘はつけません。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%80