海外に長期滞在する者にとって、現地で発生する固定費用をいかにして減らすかと言うことは大事な問題です。私の場合もいわゆる固定電話は設置せず、最近の若者のように携帯電話だけで生活しています。プリペイド方式で通話料は高いものの、滞在していない時の基本料等の固定費が発生しない方式で割安です。
この方式の面倒なところは、プリペイドカードの有効期限が二ヶ月のため、二ヶ月毎に更新の手続きが必要なことです。先日その手続きに訪れたオフィスの担当者が私に応対中に電話が鳴り出しました。何人かいる他の社員も接客中で、どうやら私の担当者が一番の若手らしく、暫くキョロキョロ見回してから、迷惑そうに仕方無しに受話器を取り上げました。そして一言常套句です。
Hello, thank you for calling Telus Mobility. All of us are right now busy serving other customers, so please hold on.
こう言われて電話の向こう側で待つ者の気持ちは「おいおい、忘れるなよ!」であるのは洋の東西を問わないのでしょう。忘れられては困る相手が「チョット待ってくれ、David と話したいんだけど」と言った模様です。
I have seen him earlier, but David is not around now. I'll put you through to his voice message system. E-h-h-h, just a minute, he seems to be back, e-h-h.
どうやらDavid とおぼしき社員が奥から出てきて、自分宛の電話が入っているらしいのに気づき、「今、俺は留守」のサインを私の担当者に盛んに送って来ます。
Hello. Are you still there? David came back once but he sure seemed like to be under the gun. I'll have him call you back later.
この時のDavidなる人物の忙しそうな風情、電話に出る余裕なんて微塵もなさそうな雰囲気は、まさにピストルを胸倉にでも突きつけられたかの如き様相でした。この担当者のhe seems to be under the gun という表現がDavidの余裕の無さを120パーセント余す所なく言い表していて、そばで聞いていて納得してしまいました。