星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

ケロウナ便り(157)満額回答・完売御礼

2017年07月25日 20時58分11秒 | Weblog
ハイランダーではありません。コンドミニアムの方です。

12年間住み慣れた我が家を売りに出したものの、いよいよ人の手に渡るとなるとなんとも寂しい限りです。広告出してから実質二週間で売約済みとなる電撃速攻です。

不動産屋と初めて会って契約を結んだのが6月9日。家族全員集合の嵐が去るのを待って、売却の具体的相談をしたのが6月30日。ウエブサイト用の広告写真を撮ったのが7月4日。ウエブサイトへの広告掲載が7月9日。そして本日7月24日に売買契約が本決まりとなるとは・・・スピード感抜群ですね。

おかげさまで売り出し価格満額での契約で、家具付き、9月1日退去とこちらの条件もすべて満たされた申し分ない契約内容でホッと胸をなでおろしています。買い手の顔は見えませんが、家具付きを希望したのは自分が住むためではなく、大学生等への賃貸物件として運用する投資目的だろうと想像しています。



上の写真は売出し中のコンド物件を表示した2015年夏の看板です。毎年流入人口が拡大を続け、底固い不動産市場といわれていても随分多くのコンドが同時に売りに出されていて、二年前に限られた時間内での売却には苦労が伴っていたかもしれません。

それに比べて二年後の今年は、下の写真の通り同じ看板に我が家を含めて2軒が掲示されているだけで、「品薄」の売り手市場であったことが分かります。これまた幸運でした。



これからは不動産譲渡手続きを専門とする弁護士(Conveyancer)による細々とした書類が作成され、8月31日の最終契約(買い手による支払いの完済)、9月1日の引き渡し(売り手の退去)を迎えるだけです。

これ以上のShowingは無くなるので気楽ですが、向こう一ヶ月に限られた時間の中での引越し準備作業を思うと気が重くなります。店開きのワクワク感満載の楽しみに比べて幕引きのシンミリ感がなんともやりきれません。

いずれこの日が来ることを想定して極力持ち物を少なくして来たつもりですが、12年の間に増えた細々した雑貨類の処分が一仕事です。大きな家具調度類は買い手にそのまま引き継ぐにしても、小さな什器類、和食器類その他もろもろは、ケロウナ在住の友達の中に嫁ぎ先を探して「嫁入り」させてやるのがこれからの大仕事となりそうです。

思い残すことのないようにゴルフの修業もせねばならないし、超多忙の8月となりそうです。

ケロウナ便り(156)受け取れ詐欺?(3)

2017年07月24日 09時10分42秒 | Weblog
今回のやり取りを時系列で追ってみて、何らかの悪巧みを図る詐欺集団の手口を暇に任せて分析してみましょう。

まず第1号の姐さんと第3号は同じグループであったのではないかと私は想像しています。

1号が先鋒として私に接近してしてこちらの感触を探る。それなりの食いつきをしてきたが、PayPalを嫌がったりちょっと面倒な条件を言い出したりしているので、とりあえず一歩引き下がって3号の出番を作る。

美味しい餌を蒔いてじっくり時間かければ必ず食いついてくると確信した3号がアプローチすると、予想以上にウブで純な相手が何の疑問も持たずに網にかかってきた。

「オンタリオの親戚」と「PayPal」へのこだわりという共通項がこちらの警戒心を呼び起こすことへの配慮に欠けた新人集団であったのは、こちらにとっては幸いでした。

1号の姐さんの名前がFelicia Taylor, 3号がTaylor Singerであったのは、なんか安易に「Taylorチーム」と名乗っているようで、こちらの注意力を試されているようで「おい、バカにすんなよ!」と言いたくなります。

一番やり取りの多かった3号のメールを分析すると、必ずしも同じフォントに統一されておらず、一つのメールの中でも異なった二種類のフォントが混在しているケースがあり、いわゆる「コピペ」で手抜きをしたと思われるフシがある。

こちらが出したメールの中身を熟読して反応することをせずに、自分の言いたいことだけを一方的にセッカチにまくし立てている風情があり、まともなコミュニケーションが成り立っていません。

振り込め詐欺とは逆に「とにかく早く振り込むから口座番号を教えろ!」「早く受け取れ!」と功を焦るこの集団を「受け取れ詐欺」と呼ぶことにしましたが、それにしても、何が狙いなのかは未だに謎です。なんでそんなに急いで振り込みたいのでしょうか?

マネーロンダリングに私を(私のPayPal口座を)利用するにしてはあまりに少額の金銭授受で納得がゆきません。

中古車の売買のサイトでありながら、肝心の車はそっちのけでPayPal口座へのアクセスばかりを性急に追い求める新人詐欺師に振り回された三日間でした。まだまだ注意力は衰えていないことを実感させていただきました。後期直前高齢者を舐めたらいかんぜよ!

カナダ人の友達に相談したら、私と同じ意見で「何を狙っているのか分からないが、まともな相手ではなさそうだからこれ以上深追いしないほうが賢明」との見立てです。

現車の確認ができる地元の買い主とだけに限定して商談することを明記して、一旦取り下げた広告を再度投稿して仕切り直しです。

「売ります買います」の原点である、売り手と買い手が対面して駆け引きすることで生まれるワクワク感を楽しませてもらえばお安くしとくよ!さ〜買った買ったあ!!

(追記)

ローカル限定で出した広告に、Thomas Jacksonと名乗る御仁から早速反応がありました。笑っちゃうことに、3号のTaylor Singerくんのメールと一言一句ソックリ同じ文面の内容でした。これで、動機は不明のままですが、受け取れ詐欺師の一団であることが証明されました。クワバラクワバラ!!

でも、先鋒としての1号姐さんの登場は今回はありませんでした。冤罪だったのならゴメンなさい。

ケロウナ便り(155)受け取れ詐欺?(2)

2017年07月24日 07時26分27秒 | Weblog
こんな美味しい話が広告掲載から数時間で手元に届く、ネット社会の現実に興奮して眠りにもつけずいると、そこに第1号顧客の姐さんからメールが入りました。

職場の上司が事情を理解してくれて、本件に係るメールや電話のやり取りは就業中でも大目に見てくれることになったので、詳細を電話で話したい。PayPalにこだわらずキャッシュ精算にも応じる。こちらはIT関連の職業に従事する「honorable woman」だから信用してもらいたい。

こちらの言い分を理解してくれて当方の要求の線まで譲歩してくれたのは有り難いけど、実は貴女の返事が来ないので諦めて、他と商談を進めているの。縁がなかったのかもね。ゴメンね。

と姐さんには丁重なお断りメールを出して一件落着。姐さんからの反応をもう少し辛抱強く待ってあげずに第3号の美味しい話に飛びついた自分の欲深さにちょっと怯んだ瞬間でした。

これで誰に気兼ねすることもなく第3号との商談に集中できると安心しきった私は、求めに応じて数枚の追加の写真を添付しながらPayPalのメールアドレスを第3号に連絡しました。

これまでの3号とのやり取りで気になるのは、先方が金を早く払いたいと言うことばかりで、いかに早く入金されても引き渡しが8月末になることへの理解・合意が明確になされていないことです。

血液A型の超慎重なジャパニーズシニアの面目躍如で、これまでの双方の主張を箇条書きに整理して、これに合意を得られたら手付金を受け取る、と常識的なビジネスライクなメールを出して相手の反応を待つことにしました。

「あなたの提案の全てに合意する」を期待していたのに、こちらの提案には一切触れずに、先方の言い分だけを羅列したメールが届きました。

PayPalのメールアドレス、口座の名義、合意金額と可能なら電話番号を再度伝えて来いとの内容。更に新たに1項目が追加されています。オンタリオまで陸送する会社の本社がアメリカにあり、陸送費820ドルを事前に送金する必要があるが、手付金の他に820ドルをアンタに送るから、そちらから陸送会社に送金して貰いたい。

「なんでオイラがアンタの陸送の面倒見る必要あんのよ?! ふざけんな!!」とブチ切れる前に、相手が次にどう出るのかを冷静に観察するため、しばらく放おっておくことにしたら、案の定「友達の病気見舞いに行くのでその前に送金したいから返事よこせ」なんて白々しい御託を並べた催促メールが届きました。相手も相当に功を焦っているようです。

事ここに至ると、先方の狙いは車にはなく、PayPalの口座を利用したなんらかの良からぬ企みがあるとしか思えません。安全を誇るPayPalに悪さはできないだろうから、私を介在させて第三者に送金させる、いわゆるマネーロンダリングに私を利用することあたりでしょうか?

催促もしていない金を「早く払いたい!」とばかりを繰り返す、功ばかりを焦った新人詐欺師でしょうか。振り込め詐欺とは真逆の「受け取れ詐欺」とでも言うべき輩のようです。

「陸送会社にまで関与する気はサラサラありませんので、本件はこれを以て終わりとします。当方の車に寄せていただいたご関心に感謝します」と丁重なメールで一件落着と思っていたら、中一日置いて第3号から文字通り「OK」一言のメールが届きました。

ウンでもスンでもない愛想のないメールでしたが新人詐欺師の誠意?心意気?が伝わる意外な結末でした。

それにしても・・・・、何が狙いなんでしょうかね〜? 冷静に総括・分析してみたいと思います。

その前に、変なことになる前に、PayPalの口座は早速解約しておきました。あくまでも慎重かつ小心なジャパニーズシニアなのです、私。


ケロウナ便り(154)受け取れ詐欺?(1)

2017年07月23日 13時42分27秒 | Weblog
住んでいるコンドミニアムの売却は不動産屋に任せて淡々・粛々と進んでいて、間もなく最初の買取希望者が買うか買わないかの結論を出す日が迫っています。希望者は買い取るための条件を提示(オファー)してから、資金繰り、物件の細部検分その他もろもろの準備作業に2週間の猶予が与えられているそうです。その二週間が間もなく満了して、結論を出す日が明後日ということです。

もし結論が「ノー」なら、全て最初から仕切り直しで次のオファーが来るのを待ち、それからまた二週間の検討期間が起算されるので、こちとらはまたまた「まな板の鯉」状態で、これが繰り返されるのです。

成約するまでは「物件を見てみたい」という客をエージェントが連れてくる「showing」の1時間は売り主は席を外す必要があり、少しでも好印象を与えるように普段飾っていないような花をテーブルにセットしたり、家の中を片付けたりととなかなか気も遣います。

今日の話題は中間にエイジェントの介在しない、売り主と買い主との間の個人売買です。家が片付いたら次に大きな仕事は現在使用中の自動車の処分です。

 

ちょうど4年前の7月にアメリカ大陸半横断ドライブに出かける直前に地元の「売ります買います」サイト経由で手に入れた愛車Highlander、今回は売り手としてこのサイトを利用することにして広告を投稿しました。

いわゆる個人売買の値だてに参照する中古車相場表(Black Book)より500ドルほど安くして早めに売れるようにとの配慮を忘れないのがシニアの良識ってもんですね。帰国間際まで使用するので引き渡しは8月下旬になる点をきっちりと条件として明記して反応を待つことにしました。

広告を投稿し終わるのを待っていたようなスピードで早速第一の買い手候補が登場です。ネット社会です。

ケロウナには住んでいない女性で、オンタリオに住む従兄弟へのサプライズとして買いたい、仕事の関係で4時間毎に休憩時間にしかメールに反応できないが辛抱強く連絡を取り合ってもらいたいこと、決して携帯メール(日本で言うSMS,当地ではTextというのが一般的)は職場の目が厳しいので控えてもらいたいとの前置きをつけた上で、売り手買い手の金銭トラブルを避けるため、PayPalという金銭授受のための仕組みを利用することを条件として、商談を進めたいとの、それなりにリーズナブルな提案。

しかし、安全な金銭授受のためとはいえ、余計な新たなアカウントを開設るのも億劫だし、現金かチェックでの入金を条件としたい旨回答して、反応を待つことにしました。

2人目は、いきなり「どこまで値下げできるのか?」とのケロウナ住民からの単刀直入な問い合わせです。「もともと相場以下で出しているので、値下げはしません!」と強気に反応していたら、3人目のTextが携帯に引きつづいて入ってきます。広告投稿からまだ3時間も経たないうちにこの賑わいです。

3人目が指定したメールアドレスに直接メールを入れると、間もなく返事が来ました。

競争相手が多いものと想像するので、他を出し抜くためにもこちらの希望価格に800ドル上乗せして買うから、広告を取り下げて私に売ってくれ。オンタリオに住む父親への贈り物として買うのだが、仕事の関係で現物を自分で確かめられないのでもう少し写真で詳細を見せてもらいたい。他はアンタの言うことを信用したいが、広告に載せた他には問題はないんだろうね?そこだけは再確認してもらいたい。
手付金500ドルをPayPal経由で払い、残金もなるべく早く入金する。オンタリオへの陸送は別途段取りして車をピックアップさせるから。

悪い話でもない、どころか美味しすぎる話なのでちょっと耳を疑います。言い値に800ドルも上乗せして、オンタリオに陸送までして買うほどのシロモノかい?しかも、またPayPalかい?

喉の奥に刺さった小骨のような、なんとはなしの違和感が芽生えて、「美味しいものには毒がある」と自分に言い聞かせながら、今後のために無駄ではなさそうなので安全な金銭授受を謳うPayPalの口座開設だけは済ませておきました。

長くなったのでこの続きはまた次に。