星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

バンコック・チェンマイ・ゴルフ事情 (7) 総集編

2009年02月06日 09時25分03秒 | Weblog
チェンマイといえば、今から三十数年前に玉本何某が現地の若い娘さんたちを囲い込んでハーレムまがいの生活をしていたニュースが日本人の頭に刷り込まれているようです。今回の旅行に際しても「いいとこに行くなぁ!」「玉本みたいになるんじゃねえぞ~!」と友人の思いやりと嫉妬の言葉で送り出されたものです。

玉本何某と同じ境遇ではなかったものの、私も古都チェンマイの魅力にすっかり取りつかれてしまいました。乱暴な言い方をすればバンコックは東京同様の大都市で、都市機能は備わっていても生活に潤いが乏しく、街のたたずまいにも心休まるものが欠けています。それに対してチェンマイはいわば京都あるいは「小京都」とよばれるような地方都市のイメージです。街全体がこじんまりしていて、すべての都市機能が小さい半径の円に収まっているので動きやすいことと、なんといっても古都としての歴史を残す街のたたずまいが訪れる者の気持ちを和ませてくれます。

仕事の第一線を退いて年金生活に入ったシニア層の間で人気の高い、海外でのロングステイ。ロングステイの候補地の中でもチェンマイは常に上位を占めているそうです。現にロングステイ中の中高年カップルに遭遇したので訊いてみると「素晴らしい!」の一言だそうです。宣伝にいわく「夫婦で15万円で生活できるチェンマイ」。その真偽の程は別にして、衣食住の物価が安いうえに、なによりも人間の優しさがにじみ出ている、こんな所なら2~3カ月滞在してもいいかなとも思います。但し、冬の間だけですがね。

今は1年のうちで一番気候のよい時期。日中は28~9度になっても朝夕は15度以下と極めて快適。これは12月~2月の3ヶ月間だけで、残りの9ヶ月は日中30数度、夜間でも30度近い熱帯夜の連続とのこと。生活がイメージできません。

月の半分をタイで過ごしている義兄の話。

ロングステイに必要なインフラはほぼ完備していて問題なし。ただ、安全安心な公共交通機関に乏しいのが難点とのこと。バンコックで目にした普通のタクシーにはチェンマイではお目にかかりませんでした。三輪車に椅子をつけたおなじみのトゥクトゥクに加えて、一目見ると日本の霊柩車に赤いペンキを塗ったようなトラック・バス(シーロー)が我が物顔で街中を、裏路地を疾走しています。料金がいちいち交渉によって決まるという、公共機関とはおよそ縁遠いシステムには驚きます。安くて便利だし旅情をかきたてられて面白半分に利用しましたが、事故に会っても何の補償もないことを強調されれば、確かにビビります。

人数が揃った今回の旅行では、ツアコンRさん手配によりガイド付き専属マイクロバスがチャーターできたおかげで快適・迅速な行動が可能でしたが、個人旅行なら一番苦労することかもしれません。

余談ですが、チェンマイで案内してくれたガイドさん、ゴルフ場への往復の車内で身につけた知識・情報を惜しげなくさらけ出し、喋りっぱなし。驚いたのは日本に一度も行ったことないとは信じられないような、その語彙の豊富さでした。手垢でよれよれになった本を見たら「正しい敬語の使い方」。恐れ入りました。こんなタイ人もいるんです。こちらももっと勉強しなくっちゃ!

嫁さんが他に男を作って逃げられたと身の上話をするときは、さすがに一瞬表情を曇らせたものの、元気を取り戻してサービスこれ努めてくれました。全部が全部心優しい人ばかりでもないんですね、当たり前の話ですが。このガイドさんの心意気に対してそれなりのチップを弾んだこと、言うまでもありません。

あっという間の五日間。これでおよその土地勘・生活勘はつかめたので、次はナイトライフを含めた更なる探訪も視野に入れて、また来たい!また来よう!今度はもう少し永く!

次回はバンコックは飛ばしてチェンマイに直行しようぜ! がシニア6人の結論でした。


愚にもつかない思い出話に長々とお付き合いいただき、コップンカップ!(合掌)


バンコック・チェンマイゴルフ事情 (6) チップ編

2009年02月05日 10時40分48秒 | Weblog
日常生活にチップの習慣の少ない日本人は、旅行先でチップの出し方に神経を使います。旅行者相手のレストランなどでは10パーセントのサービス料が勘定に上乗せされていて手間が省けますが、そうでない場合の対処の仕方が難しいのです。

たかがチップ、されどチップ。旅の印象の良し悪しを左右する場合があると言っても過言ではありません。

いわゆる「枕ゼニ」。欧米のホテルですと1~2ドルを枕元に残す、ハウスキーパーへの「ご苦労さん料」はいわば常識ですね。これをタイのホテルでもやるべきか否かが話題になりました。欧米でなら普通にやることを、タイでもやるべきかどうかが話題になる裏には「アジア人同士」だからとの発想が働くのでしょうか。

サービスを目の前で受けて、期待を上回るグッドサービスに対して感謝の意味で出すチップが本来の姿であってみれば、本人の留守中のサービスに対しては「捨て金」に等しいから不要との意見もありましたが、私の答えは「一泊だけならいざ知らず、連泊する場合は絶対不可欠」です。留守中であるだけにチップを置かなかった場合の逆効果を心配する私は、枕ゼニはいつも置くことにしています。

財布を持ち歩かない私は、一日が終わってポケットにたまったコイン全部を集め、枕元に放り出す。それでは少なすぎると思わるる時には20バーツ札を足して置く。

この「20バーツ札」がバンコック・チェンマイ旅行では大変重宝な存在でした。いつも多めにポケットに忍ばせておくのが秘訣です。100バーツ出して「80バーツお釣りくれ」とチップにお釣りでは野暮な話ですからね。

ホテルポーターが手荷物を部屋に運んでくれたら20バーツ。無料のホテルバスでも手荷物の積み下ろしをしてくれたら20バーツ。ゴルフ場のシャワールームでタオルを渡してくれるカウンターのお兄ちゃんに20バーツ。そのほかちょっとしたサービス場面で、こちらの期待した以上にサービスされたと感じたら20バーツ。文字通り「喜捨」としてばら蒔くのには、この20バーツ紙幣はまさに手ごろな金額なのです。

ホテルにしても、レストランにしても、ゴルフ場にしても、マッサージ屋にしてもサービスの対価としての基本料金を払いさえすれば、最低限必要な「機能的満足」は得られるのでしょうが、そこに働く人々のモチベーションの原動力はチップの多寡に違いありません。ただ「いただく」もので堂々と「要求」できない性格のものだけに受け取る側の立場は弱いものとならざるを得ませんが。それだけに、さりげなく20バーツを手渡してあげると、20バーツ以上の力を発揮し、次の機会のサービス内容に格段の差が生じること請け合いです。

このチップの原理原則に違反した、とんでもないキャディーにも巡り合いました。
途中で携帯電話かけたり、ティーグラウンドで順番待ちの途中で居眠りしたりした他のキャディーよりはマシだったし、パーもそこそこに出たのでチップを出そうかと思案して金勘定していた矢先に「100バーツ!」なんてぬかしやがった。「もう二度と来ないから、あんたにはキャディーフィーだけ。このどアホ!」

その対極にいるのがこの写真のトゥクトゥクタクシーの運ちゃん。交渉して運賃値切られても、最後に渡したチップの10バーツでこれだけ愛想よくご機嫌でした。

今回の旅行中に出会った男性も女性もおしなべて控え目で優しげで、仏教文化を共有する安心感からか、外国旅行中に感じる緊張感とは無縁の一週間でした。それなりのチップを出したがゆえの「悪くされるはずがない」との安心感だったのでしょうか。

バンコック・チェンマイのゴルフ事情 (5) お食事編

2009年02月04日 13時16分35秒 | Weblog
今回の旅行で楽しんだ食事について。

一流ホテルで朝食付で一泊5000円以下。何種類もの新鮮なフルーツをはじめとして、和・洋・中・タイとあらゆるエスニックの朝食が提供されます。どれを食べてもフレッシュで美味しく、幸せな一日を予感させるに十分です。バイキングのセルフサービスと銘打ちながら、こちらの好みに合わせた卵料理も目の前で作ってくれるし、至れり尽くせりです。値ごろ感、割安感が横溢したサービス内容です。

昨年11月にバンコック国際空港が暴徒によって占拠される事件があってから観光客が激減したとの特殊事情が背景にあるので、平常時より更に料金ダウン、サービスアップが図られているかもしれません。わがツアコンR氏の粘り強い交渉により、一般客よりも相当に有利な料金設定となっているに違いありません。

旅行者としては「生水」を飲まないようにと注意していながら、ついついうっかり「氷」を浮かせた冷たい飲み物に手を出してしまいがちです。生野菜も生水で洗うから避けるべしとの説もありますが、サラダもOKだったし、そう神経質になる必要は、少なくとも一流ホテルでは、なさそうです。街中の屋台なんぞでは十分注意するに越したことはないでしょうが。

ゴルフの後にコースのレストランで毎回食べたランチ。天丼、カツ丼、餃子、ラーメンまで置いてあるコースもありましたが、タイ式スープ麺、チャーハンの類で味も量も十分堪能できます。飲み物・チップ込みでおよそ6~700円。ここでも割安感が漂います。

こういう所に必ず置いてあるのが、細かく切った唐辛子を魚醤に浸したホットソース。緑の小さな切れ端ひとつを舌先に転がすだけでも口の中が大火事状態。でもこのピリ辛ソースが料理の味を引き立てる力は相当なもので、滞在最後のほうには、もうこれなしでは物足りなくなってくる始末でした。

現地のガイドに頼んでマーケットに連れて行ってもらい、この唐辛子をしこたま仕入れてまいりました。我が家では魚醤にではなく、写真のように普通の「お酢」に浸してホットビネガーを作り、このピリ辛酢を香辛料としてあらゆる料理に多用しているのです。「タイ風タバスコ」とでも言ったらいいのでしょうか。クセになります。

夜はタイ、中華、イタリアン、和食とすべてを試してみましたが、飲み物チップ込みでいずれも一人当たり2000円前後。現地の人たちには決して安くはないのでしょうが、円高の恩恵を被った旅行者にはなんとも有難い値ごろ感でした。

タイスキ(タイ風しゃぶしゃぶ鍋料理)をたらふく食べて、ビールをしこたま飲んで勘定したら、なんと一人当たり1000円にもならない。??? 何かの間違いじゃないかと思いながらも早々に支払いを済ませ店を後にしました。間違ったからと追いかけてきやしないかと後ろを振り返りながら帰りましたが誰も追ってきません。

あとでわかったことですが、食材にピンからキリまであり、通常日本人旅行者が選ぶ高級食材だと、勘定はそれなりの域(一人2000円前後)になるらしい。わがグループは、どうやら全員空腹でオーダーを急ぐあまり、食材を吟味する余裕もなく、メニューの最初に出てくる一番安い「庶民風」を選んだのではないかと言うことでした。まあ、値段で食べるんじゃなくて、安くて美味しいもので満足できるのが一番ですがね。

バンコック・チェンマイ・ゴルフ事情 (4)

2009年02月03日 11時09分41秒 | Weblog
キャディーとのコミュニケーションを如何に取るか、取れるかがその日のスコアに大いに影響します。片言の英語がわかるキャディーが多く、ゴルフ用語だけに限定すれば英語で通じますが、折角だからとタイ語を教えてもらいながら日・タイ・英三か国語を駆使?して異文化交流ラウンドです。

今回のツアーコンを務めていただいたR先輩が用意してくれた「必携ゴルフ用タイ語集」で俄か勉強したあとは現場での実践あるのみです。

一番ホール。いきなり目の前の両側に水が迫っています。

私:フェアウエイ・トントン?(狙いはフェアウエイまっすぐだよね。)
キャディ:サイ・トクナム、ミギ・トクナム(左は池ポチャ、右も池ポチャ。)
私:(見りゃ分かるって言いながら)カポーンとナイスショット
キ:リーハップ!キレイ!(どうやらナイスショット!の意味らしい。綺麗は彼女の数少ない日本語彙、カナダでの"Beautiful!"と同じ用法)

第二打地点からグリーンを遠望するとどうやらバンカーが目に入る。

私:みぎトクサイ?(右のはバンカー?)
キ:マイ・トクサイ。ナム。(マイは否定の「ノー」。いいやバンカーじゃない。あれも池)
私:(池に入れたくない一心でスイングが乱れチョロ)チッキショー!
キ:マイ・ペンライ!(その後頻繁に耳にした表現。ノープロブレム!ドンマイ・ドンマイ。キャディーさんも私を腐らせないように必死です。)

オリンピックのかかったグリーン上はこちらも真剣。

私:これ、かなりのロンだよね。(上り:クン、下り:ロン)
キ:マイ・ロン。すこしクン。すこしスライス。(と言いながら指でカップの円を作り、内側一杯を指でさす)
私:(半信半疑でパット。キャディーの読み通りのラインでカップイン)
やったぁ!銀だよ銀!オリンピックポイント・スリー!

日本人ゴルファーの多い当地では「オリンピック」はキャディーさんも知っています。スコアカードもキャディーが記入してくれます。カードを覗いてみるとパーであがったホールに◎が記されています。その◎の数に10バーツ掛ければ今日のチップ収入になるわけで、なかなか抜け目ありませんね。

よせばいいのに、「バーディーはボーナス20バーツ!」なんて大見栄切っておきながら、ショートパットをちびってバーディーを逃すホールが2~3ホール続出。チップ惜しさにわざと外したんじゃないかと疑いの眼差しを投げかけられてしまいました。

円換算すると割安なコストのため、キャディーへのチップも往々にして大目に払う傾向が旅行者にはありますが、現地に住む人のことを考え、また次の機会に訪れるときのことを考えれば、節度をもったレベルにとどめるべきだと思います。自分自身の、そしてキャディーのモチベーションを高めるためにも、このパー・ボーナスは先達の考え付いた面白いアイデアだとつくづく思いました。

まあ、こんな按配でのゴルフを毎日楽しみ、マッサージで体の手入れをしてもらい、安くて美味しい食べ物を食べられるなんてのは、極楽ゴクラク。メンバーの一人がもらした、「生きててよかったぁ!」との感想に実感がこもっており、満場一致、全員同感でした。

今度の旅行で見たこと、聞いたこと、感じたことを気まぐれに少しばかり続けるつもりですので、もうしばらくお付き合いのほどを。

バンコック・チェンマイ・ゴルフ事情 (3)

2009年02月02日 11時49分38秒 | Weblog
その昔、タイでのゴルフといえばクラブを持つキャディーが一人、ショットの間で座るための椅子を運ぶキャディーが一人、日傘をさしかけるキャディーが一人と一人のゴルファーに3~4人のキャディーを雇い、王侯貴族のような気分でラウンドしたものとの話を聞いたことがあります。

さすがに今日ではこんな場面にはめぐり合いませんが、一人のプレイヤーに専属のキャディーが一人つきます。二人乗りカートにワンバッグだけ載せ、キャディーがカートを運転してボールのところまでカートを進めます。

コースに到着した時に車からバッグを降ろす際に、自分のクラブを最初に触る人が今日一日付き合うキャディーとなるだけに、どんなキャディーが自分のクラブに手をかけるかと、みんな興味津々、今日の運勢を占うような気持ちになります。尤も、最初のご対面では先方は帽子を深々とかぶり、日焼け予防のスカーフで顔半分くらい隠した「カラス天狗」状態ですから、最初の一瞥だけではなかなかキャディーの質までは見抜けないのですが。

キャディーフィーが200バーツ(600円)、サービス内容によりチップを50~60バーツ添えて出せば、深々と合掌され、コップンカッ!(ありがとう)となります。

ティーショットの後に、しばし自分の球を眼で追ったあと、さてティーを拾おうとすると、脇からキャディーがさっと拾ってくれることもしばしばです。グリーンに上がったらボールをマークし、ボールを拭いてくれて、カップのどこいらへんを狙ってパットせよと、懇切丁寧に教えてくれます。チップを一バーツでも多くもらうためには、とにかく自分の付いた客に少しでも良いスコアを出させたい、顧客満足度を上げることが彼らの報酬アップにつながることを熟知したサービスのプロです。

専属キャディーだから、他のプレーヤーのキャディーとはある意味競争関係にあるためか、同伴プレイヤーの球の行方に関心を示さないどころか、自分の客が打ち終わると、まだその近くで次のプレイヤーが打とうとしているのに、「早くカートに乗れ」と催促し、自分の客の球の行った方向にカートを走らせようとします。「おいおいちょっと待ってよ。あの人が打ってるじゃん!」とも言えないので、カートの座席を叩いて「早く来い」と催促するのを無視すること再三でした。同伴プレーヤーに対するマナーもさることながら、打球の前に飛び出す勢いで驀進するのには閉口しました。

義兄から事前に教わった、チップにまつわる話です。

キャディーに今日一日尽くしてくれたら、パー1個につき10バーツのボーナスを出すと事前に耳打ちするんだそうです。そうするとボーナス欲しさに気合いの入ったアドバイスが来るし、せいぜい60~70バーツの出費で収まるとの目論見です。この話を耳に入れておいて、簡単なパーパットを外したりすれば、本人以上にキャディーが悔しがり、キャディーとの一体感も醸成されて、より真剣に芝を読んでくれ、グリーンのアンジュレーションもより的確に教えてくれるようです。

長くなりましたので、コースでの実践編はこの次に。

バンコック・チェンマイ・ゴルフ事情 (2)

2009年02月02日 00時38分05秒 | Weblog
ARIMA ONSENと大きな看板が出ていて、その横に「有馬温泉」と日本語でも書いてあるじゃありませんか。なんと店の名前、固有名詞だったのです。それならそれと早く言ってよ。バンコックのマッサージを符牒的、隠語的に称したものと思い込み、変な期待をしてしまった自分が何とも滑稽で気の毒に思えた瞬間でした。先輩諸氏からの失笑を買ったこと、言うまでもありません。

お店からは一銭も(一バーツも)貰っていませんが、タイ式マッサージの受け方を伝授しましょう。

1時間コースと2時間コースが通常です。2時間で400バーツを受付カウンターで前払いして下からコースを選び、終了後にチップ100バーツをマッサージ師に払う、合計500バーツが標準価格。およそ1500円です。(1バーツ=3円)

①全身コース ②肩・腰コース ③頭・首コース ④足・足裏コース

足・足裏コースと頭・首コースは一階の受付カウンター裏の椅子に座ってマッサージを受け、全身、肩・腰コースは階上の大部屋(個室もあるようです)で横になってマッサージを受けます。

初体験の私は①全身コースを試してみました。文字通り頭のてっぺんから爪先まで全身くまなく揉みほぐされます。頭髪(頭がい骨)と顔面のマッサージは生まれて初めてだったのですが、結構いけてました。

上着を脱いで、下着の上にお仕着せのマッサージ着をつけ、ふくらはぎ辺りを踏まれているらしいとまでは分かるものの、言葉のやり取りができずに、二時間もの長きにわたって俎板の上の鯉よろしく、他人に体を任せたことなんて、これまでにはなかった経験ばかりです。

途中で寝込んでしまって自分のいびきで目を覚ましたり、隣の御仁のいびきで目を覚ますこともたびたびです。こんなことなら無呼吸症候群用に愛用しているマウススピース持ってくりゃ安眠できたのにと思っても後の祭り。今後はそうしよう!

一段落すると生ぬるいお茶を持ってきて、「さあ飲め」と言わんばかりの仕草。
もう終わりかと思ったら、これからが全身マッサージの「全身」たるゆえんです。後ろから羽交い絞めにされて、相手が思いっきり体を反り返し、こちらが仰向けに「逆海老固め」でもくらったように背筋を伸ばすポーズ。これがなんとも「痛気持ちいい」のです。逆海老といって、すっかり癖になりました。

これから続く6回のゴルフの後は、例外なしにこの二時間コースで体の手入れをするのが定番のタイ式ゴルフ。マッサージ店は街角のどこにでもあり、料金は大体どこも同じレベルのようですから安心なのです。

ゴルフの話の前にマッサージから入りましたが、タイでのゴルフを語るには外せないアイテムなのでありました。

ちなみに、私が勘違いしたマッサージを提供する店はマッサージ「パーラー」と称するようです。為念。

バンコック・チェンマイ・ゴルフ事情 (1)

2009年02月01日 05時26分18秒 | Weblog
ゴルフ好きの先輩諸氏にお供して、シニアゴルファー6人のバンコック、チェンマイゴルフ遠征に出かけてまいりました。バンコックで3泊2プレイ、チェンマイで4泊4プレイ。強行軍と言えなくもないけど、カナダで13連チャンを平気でこなした身には楽勝ケースです。

カナダや日本では絶対望めませんが、タイでは毎日ゴルフの後に2時間に及ぶ全身マッサージで体のお手入れができるのです。私も肩は凝るほうですが、日本ではあまりマッサージにかかったことはありません。肩をぐるぐる回して誤魔化すだけです。10分1000円が相場のマッサージなんてとんでもない。

バンコックで先輩が「さあ、これから有馬温泉でマッサージだ!」って大声で言うから「ああ、『有馬温泉』とは巧く言うよな。日本人にしか分からないから、外人に聞かれても問題ないんだよな」と納得して後について行きました。

ホテルのすぐ裏手に展開する繁華街、通称タニヤ通りは、昼間はラーメン屋をはじめとした日本料理屋が軒を並べる何の変哲もないレストラン街。あたりが暗くなる頃になると、どこからか湧き出してきたとしか思えないような数の風俗系のお姐さん方が道端にひしめきあい、「あっ、シャチョウサン、ヒサシブリネ」と声をかけてきます。現地の人とコミュニケートすることの好きな私としては、しばらくご歓談なんてのも選択肢にあったのですが、わき目も振らずに決然と有馬温泉を目指す先輩諸氏の迫力に負けて、「また今度来るからね」と姐さんに心で詫びて素通りするのが精一杯でした。

日本人と思われる観光客も相当数タニヤ通りを徘徊していましたが、親しくコミュニケーションをとっている人は目につかず、ましてや一緒に店に入って行った人は全く見かけませんでした。「話の種に通ってみるだけ」なんですね、きっと。

目についたのは、観光客とは明らかに違う雰囲気で、たぶん現地に住んでいるのであろうわが同胞が繁華街を闊歩してる姿の多いことでした。どこぞの企業の駐在員か、自分で選択して永住している日本人であろうと想像しながら、欧米の都市では見られない光景に目を見張り、さすがバンコック、「アジアの近さ」を印象づけられたことでした。斯く言う私の義兄も月の半分はバンコック・パタヤに出張して「半永住」みたいな生活をしているので、ついつい「兄貴もこんなとこで、こんな生活してるのか」と、えらく親しみを覚え、この佇まいが身近に感じられたものです。

インフラが整備され、衛生環境が整った欧米の良さもさることながら、物事すべてが雑然としていて、「何が起こってもおかしくない」風情が横溢する、この「アジア的猥雑さ」といった物にも惹かれます。

これからの一週間が楽しみです!