黒溝台の戦闘、バルチック艦隊の極東遠征からロシア降伏後まで。
退却
新聞が連戦連勝をたたえ、国民が奉天の大勝に酔い、国力がすでに尽きようとしていることも知らず、…政治家までがそういう大衆の気分に賛同している…
日本は、道具にすぎない。
ルーズベルトはその世界政策からいって日本が大きく勝ちすぎることを望んではいなかった。…
艦影
「自分のみが天才だと信じ、他の者はすべて愚人だと考えている自己肥大的性格」
死闘
真之はこの光景をみたとき、…
(どうせ、やめる。坊主になる)
…かれは戦後、実際に僧になるつもりで行動を開始した。
雨の坂
好古は…故郷の松山にもどり、無名の中学の校長をつとめた。
あとがき
この作品は、執筆時間が四年と三ヶ月かかった。…
小説とは要するに人間と人生につき、印刷するに足りるだけの何事かを書くというだけのもので、それ以外の文学理論は私にはない。
日露戦争は終わったのに、文庫本の【七】と【八】はどんな展開になるのだろう、と思いながら目次をみたら、単行本の【六】とほぼ同じ内容で、読了だと気づきました。
【八】は、巻末にあとがき集が収まっています。
読了できるとは思ってなかったのですが、思いがけず読了、司馬遼太郎氏の小説の素晴らしさのおかげだと思いました。
ロシアとウクライナの戦争が一日も早く終わることを願います。