高須台 渡辺 ピアノ/オカリナ教室

大人から子どもまで楽しく

海を渡る被爆ピアノ

2015年11月21日 | 本の紹介

 

「海を渡る被爆ピアノ」

矢川光則 著

講談社

 広島に住んでいらっしゃる方は、調律師の矢川光則さんをご存知の方は多いかと思います。原爆で被爆したピアノを演奏ができるように調整し、被爆ピアノによるコンサートなどを企画されている方です。もともとは弾かれなくなったピアノを修理して、国内外の病院や施設などに寄贈する活動をされていた矢川さんが、被爆ピアノと出会い、修理をしてコンサートを企画するようになったいきさつや、コンサートで出会った人々のことなどが詳しく記されています。高学年の子どもたち向けに書かれているめ、とてもわかりやすい言葉で丁寧に記されています。高学年むけとはいえ、内容は大人がよんでも興味深いものでした。

 

「ヒロシマのピアノ」

指田和子 文

坪谷令子 絵

文研出版

  この絵本は矢川さんが出会った被爆ピアノを主人公としたお話しです。ピアノが女の子の家へやってきた時からはじまり、被爆してから長い年月が経った後、矢川さんの手で修理され、平和を願うコンサートで演奏されるようになるまでが描かれています。

 どちらも広島市立図書館にありますので、ぜひ読んでみてくださいね。

 

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「ところで、きょう指揮したのは? 秋山和慶回想録」

2015年10月28日 | 本の紹介

 

「ところで、きょう指揮したのは?」秋山和慶回想録

秋山和慶・冨沢佐一 著

アルテスパブリッシング

 最近読んだ本を1冊ご紹介します。広島市の市民にとっては広島交響楽団の音楽監督として身近な存在である指揮者、秋山和慶さんの回想録です。幼い頃の思い出にはじまり、世界各地のオーケストラを指揮された際のエピソードや、鉄道マニアでいらっしゃること、広島交響楽団のことなどが思い出話しのようにわかりやすい文章で綴られていました。この本の題名は、秋山和慶さんの理想の指揮者像だそうです。「私が理想とするのは指揮者がめだたずオケが素晴らしい演奏をすることです。「ああ、いい演奏だった。ところで今日の指揮者は誰だったっけ」と言われるぐらいがよいと思っています」(本文238ページより引用させていただきました)。この部分をよんだだけでもお人柄がうかがえそうですね。広島交響楽団についても10ページほど書かれていました。興味のある方は読んでみてくださいね。

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フィンランド語は猫の言葉

2015年08月21日 | 本の紹介

 

フィンランド語は猫の言葉

稲垣美晴 著

猫の言葉社
 

 最近読んでとってもおもしろかった本をご紹介します。音楽関係の本ではありませんが、私はフィンランドの作曲家が大好きなので、「フィンランド」という言葉を見つけると、つい買ってしまいます。この本は著者がフィンランド語の勉強をするために、1970年代にヘルシンキ大学へ留学した時の留学体験記です。フィンランド語は日本語と似た発音の言葉がある、というのは他の本でも読んだことがありますが、この本でもいくつか紹介されていました。言語学としてのフィンランド語を習得する過程での苦労話が、おもしろおかしく綴られていて、あっという間に読んでしまいました。
 フィンランド語で付点四分音符は「ピステーッリネンユクシネルヤスオサヌオッティ」というそうで、著者が子どもにピアノを教えなければならなくなった時には大変苦労した、というようなこともおもしろく書かれていました。そういえば日本語では音符の名前は数字を使って表されるけれども、それは誰が決めたんだろう?明治時代に西洋の音楽を取り入れた時に決めたのだろうか?音の長さが短くなればなるほど、名前の数字が大きくなるのはなぜだろう?とさまざまな疑問がわいてきます。ちょっと調べただけでは何もわからず、気になる~、と思っている今日この頃です。
 音符の疑問は置いといて、楽しい内容だったので、興味のある方は読んでみてくださいね。

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パリを弾く

2015年02月21日 | 本の紹介

 

パリを弾く~日本人ピアニストのフランス生活事情
新田美保 著
草風館

 今日は本を1冊ご紹介します。発行日が2003年6月になっているので、約12年前に発行された本です。内容は題名にあるとうりで、著者がフランスのエコール・ノルマル音楽院に留学された時の体験談などがおもしろおかしく綴られています。そのような本は他にもたくさん出版されていると思うのですが、この本の著者は広島市の出身だそうで、本の中でも語られているのですが、女学院中・高を卒業後、大学は地元の音大へ進学と書いていたので、エリザベト音大でしょうか?その後フランスへ留学されたそうです。そして、私と同じ1966年うまれだそうで、なんとなく親近感をおぼえました。音楽の話ばかりではなく、どちらかというと音楽とは関係なさそうな話の方が多くて、「音楽にはあんまり詳しくないんだけど・・・」という方も普通に楽しめそうな感じでした。
 私は、広島市立図書館の本のリサイクルフェアでもらってきたのですが、まだどこかの図書館に置いているかもしれません。興味のある方は読んでみて下さいね。

 

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歌の風景

2014年12月05日 | 本の紹介

 



歌の風景

安野光雅

講談社

 ひろしま美術館で12月7日(日)まで開催中の「旅する画家 安野光雅 ヨーロッパ周遊旅行」で素敵な本を購入しました。安野光雅さんが歌のゆかりの地を実際に訪れて描いた風景画を、歌にまつわるエッセイとともに楽しむことができる本です。取り上げられている歌は、「埴生の宿」「ロンドン橋がおっこちる」「野ばら」など、日本でもよく歌われ親しまれている歌ばかりです。
 この中に「メリーさんの羊」がありました。日本ではほとんどの子どもが知っているというほどポピュラーな歌ですが、歌詞が6番までのっていました。メリーさんの羊は真っ白で、メリーさんの行くところはどこでもついて行く。あるとき学校へついてきた。生徒は笑ったけど、先生はかんかんにおこって追い出した。メリーさんは困ってしくしく泣き出した、という内容でした。みなさんご存知でしたか?この歌には、スコットランドの北部のある農家の前で、白い羊たちが黄緑色の草を食んでいる絵が添えられています。のどかで、見ているとほっとします。
 「聖夜」(きよしこの夜)には、歌の発祥の地であるオーストリアはオーベルンドルフの、小さなチャペルのある雪景色が添えられています。寒くて厳かな気持ちになります。
 今まで知らなかった、歌にまつわる話を読みながら、美しい絵を楽しむ、1冊で2倍は楽しめる素敵な本です。

 

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