朝起きてびっくり!雪がいっぱい積もっていました。学校や仕事へ行かなければならない方は大変です。小学生は雪だるまが作れて嬉しいかな?昨年の年末にブログでもご紹介した「スノーマン」のような世界ですね。
雪といえば、私の大大大好きな曲があります。フィンランドの作曲家S.パルムグレンの「粉雪」、ピアノソロ曲です。パルムグレンは北欧のショパンと言われるほど美しいピアノ曲を多数作曲しています。日本ではあまり有名ではないようですが、北欧ピアノ音楽の代表的な作曲家といわれています。「粉雪」という題名からわかるように、粉雪がしんしんと降っている情景が思いうかぶような曲です。しーんと静まりかえった中で音もたてずに降る雪の冷たさや、透き通った空気の冷たさが感じられるような、不思議な響きをもった曲です。
3年前だったと思いますが、県立美術館で「ムーミン展」が開催された時に、「フィンランドの調べ」と題してロビーコンサートをさせていただいたことがありました。その時、フィンランドの自然や人々の光に対する思いなどを少しでもお伝えできれば・・・ということからプラグラム組んだのですが、私の大好きな「粉雪」ももちろんプログラムに入れました。なにげに暗譜がしずらくて(若い方はそんな心配はないでしょうが)覚えるのに少し苦労したような気がします。「パルムグレン ピアノ名曲集」が全音楽譜出版社から出ていますので、楽譜はすぐに手に入ると思います。「粉雪」の他にも美しい曲がたくさん入っていますよ
先日テレビで「左手の音楽祭」と題した、館野泉さんのピアノリサイタルを観ました。館野泉さんは、脳溢血のため右半身不随になった後、左手のピアニストとして復帰されたことでも有名ですが、フィンランドの音楽をたくさん日本に紹介されています 。館野泉さん監修の北欧音楽の楽譜が、全音からたくさん出版されています。
今日は先日テレビで観たコンサートの中で演奏されていた、「タピオラ幻景 作品92」(吉松隆 作曲)という曲集をご紹介します。タピオラとはフィンランドの神話の森の神(タピオ)が棲むところだそうです。この題名をきいただけで、フィンランドの深い森にさすわずかな光や、透きとおった冷たい空気、風や鳥の声が感じられるようです。1「光のヴィネット」2「森のジーグ」3「水のパヴァーヌ」 4「鳥たちのコンマ」 5「風のトッカータ」 という5つの小品からなっています。1曲目の「光のヴィネット」では、さんさんと降りそそぐ光ではなく、深い森にわずかに差し込む光が神秘的に表現されているようで、おもわず聴き入ってしまいます。「森のジーグ」は軽快なリズムが特徴的で、これを左手だけで弾くのはむずかしそう。「水のパヴァーヌ」は静かな水面に水の輪が広がっていくような、少し劇的な感じ、「鳥たちのコンマ」は鳥のさえずりを感じさせるようなところが耳に残ります。そして、終曲「風のトッカータ」もリズムが特徴的です。曲の終わりに「光のヴィネット」のテーマが再現され、静かに終わりをつげます。息をころして聴き入ってしまうような、美しい曲です。
CDの解説の中で作曲者の吉松隆さんは「左手のピアニストになられた館野さんのために左手でひけることを目指したが、必ずしも左手だけのために書いたつもりはない。ふたたび両手で普通のピアノ曲として自由に演奏していただける日の来ることを願って、「(左手でも弾ける)ピアノのための・・・」とでも称することにしようか」と書かれています。みなさんも両手で挑戦してみてください。上の写真ではわかりにくいかもしれませんが、うっすらと雪の結晶が描かれた素敵なCDジャケットです。
1月20日(日) ひろしま美術館へ「ルドゥーテのばら展」をみに行ってきました。みに行ったというより、聴きに行ったと言う方が正しいかもしれません。今日はチェンバロとリコーダーによるコンサートがあったのです。演奏者のお話を交えながらの、わかりやすくて親しみやすいコンサートでした。私も自己流ではありますがリコーダーを演奏するのが好きなので、コンサートの間は目も耳もリコーダーに集中してしまいました。後で「もっとチェンバロの音もよく聴けばよかった」と後悔してしまいました。コンサートを聴いて私もリコーダーが吹きたくなってきました。明日はちょうどリコーダーアンサンブルの練習日。よりいっそう楽しくリコーダーが吹けそうです。
そうそう、ルドゥーテのばらの絵も素敵でしたよ!
先日読んだ「朗読のヒント」(永井一郎 著 ふきのとう書房)という本の中に、音楽を表現するうえでとても参考になる文章があったので、ご紹介したいと思います。著者の永井一郎さんは、テレビアニメ「サザエさん」のなかでサザエさんのお父さん波平さんの声を演じている声優さんです。本文よりそのまま引用させていただきます。
「親友の一人に楠瀬一途さんという声楽家がいました。-(略)-生前、稽古につきあったことがあります。楠瀬さんは「砂山」からはじめました。山田耕作が作曲した方の「砂山」です。海は荒海/向こうは佐渡よ/すずめ啼け鳴け/もう日は暮れた 「どうかな?」のびやかにひろがる美しい声、しみじみとしみてくる情緒、どこといって文句のつけようもありません。でも、なにかものたりませんでした。「景色が見えてるかな」「見えてる・・・と思うよ」彼はイメージした絵を説明してくれました。イメージを絵にすることはできていたのです。「なにをはいている?」「え?」「足になにをはいてるの?」私のとっさの質問に、彼は答えられませんでした。「クスさんは、景色として砂山と海を見ているだけでしょ。あなたが実際に砂山にいなくちゃ。なにをはいているかな。ゴム草履じゃないよね。時代がちがうもの。わら草履かな。指の間に砂粒がはさまっているかもしれない。日が暮れて、砂地はだんだん冷えてきてるんじゃないだろうか。空気はどうかな。冷たい潮風だろうな」彼は、私の言うことを忠実にやってみようとしました。自分のまわり全部にイメージの世界をつくろうとしました。冷たさの実感を得るために、裸足にもなりました。しばらく新しいイメージに集中しようとしていましたが、伴奏者に合図を送ると歌い始めました。さっきとは、声そのものがちがっていました。足の裏に冷たさを感じるという、ただそれだけで、声まで変わってしまったのです。彼はコンサートで歌う歌をすべて稽古しなおしました。イメージを「目の前の絵」から「いまいる空間」に変えたのです。そした、五感を総動員して現実感を得ようとしました。」
この文章を読んで、私も演奏する時は頭の中にイメージした映像を観ながら演奏していたように思いました。観るだけではだめなんですね。暑さ寒さや肌の感触、空気の匂いまでも感じながら演奏しなければ・・・と思いました。五感をフルに使ってイメージの中に身をおくためには、五感を使った体験をたくさんしていなければなりません。テクニックの練習だけでは表現力は磨けないということですね。いろんなことに興味を持って、いろんな体験をして、表現力をみがきましょう!
みなさん、「なめこのうた」をご存知ですか?なめこというキャラクターを知らない方もいらっしゃるかと思って、楽譜と一緒になめこのぬいぐるみの写真をのせてみました。この楽譜には「なめこのうた」という曲と「んふんふんふんふ」という曲の2曲が入っています。「んふんふんふんふ」という曲は題名のとうりに、歌詞が「んふんふんふんふ」だけなんです。私はとっても歌いにくそうだと思ったのですが、娘は楽しそうに歌っていたので、こういう曲は楽譜を見て一生懸命歌うのではなく、感覚で歌うものだと実感しました。なぜこの楽譜をわざわざ買ったのかというと、今年6月に予定しているミニコンサートで娘がひきたいんだそうです。「んふんふんふんふ」ではなく、「なめこのうた」をピアノでひきたいそうです。この楽譜のとうりにひくのは無理そうなので、少し簡単にしてあげなければなりませんが。娘のなめこ熱が6月までもつことを祈っています。ちなみに「んふ」というのはなめこの言葉で、なめこは「んふ」としか言えないそうです。