先手番広津先生の手を考えます。
第1問
馬を作られて悪いようでも、反撃して先手有利になっていきます。
A 18角 B 65歩 C 56金直
第2問
これで先手十分でしょう。
A 44歩 B 55歩 C 48飛
第3問
駒得になりましたから、ゆっくりで良いです。
A 35銀 B 22と C 78銀打
第4問
広津先生が詰みを逃しました。読んでみてください。
第5問 これは後手番です。
早逃げしたらとん死でした。
先手番広津先生の手を考えます。
第1問
馬を作られて悪いようでも、反撃して先手有利になっていきます。
A 18角 B 65歩 C 56金直
第2問
これで先手十分でしょう。
A 44歩 B 55歩 C 48飛
第3問
駒得になりましたから、ゆっくりで良いです。
A 35銀 B 22と C 78銀打
第4問
広津先生が詰みを逃しました。読んでみてください。
第5問 これは後手番です。
早逃げしたらとん死でした。
今日の棋譜20201104
昭和28年6月、広津久雄先生と第1回王座戦です。
広津先生の先手で相掛りです。
旧型の相掛りで
早繰り銀にしたのは積極的です。ただし57に空間があるので、今すぐには攻められないように見えますが。
85飛で35歩の攻めを防がれたら、角を交換します。
桂を跳ねて飛を追い
35歩から攻めるのかと思えば86歩、銀冠に組もうというのは現代的です。
大山先生は銀を繰り替えます。雁木にして45歩を突こうというのでしょうか。
広津先生は45歩を銀で取れるように5筋の歩を切りに行きますが、43銀だったので
中央の位を取った、まではいいでしょう。左金を67に出たのはバランスでしょうか。玉を固めておこうという考えは少数派だったようです。でも金銀4枚が離れるのでこの瞬間は怖いです。
大山先生は88歩の垂らしです。88同飛は27角なので79玉
35歩同銀を入れて
89歩成同玉69角
馬を作って暴れます。2歩取り返して気持ちよさそうですが、
広津先生は馬を目指して反撃します。こうなると手が進むので、攻撃陣桂を作れます。
自陣角を打って、馬を消せたらまあまあです。
65歩に53歩が入り
62玉22歩同金65歩、馬は捕獲できなさそうですが
先手の駒は前に出ていきます。
73馬45歩53金、先手玉は薄いですが攻撃力があります。
飛も使ってよい感じです。大山先生は金で4筋を守るのですが、41玉が飛の射程に入っているので危なさそうです。
44歩同銀55歩、馬の筋を止めて45桂とか35銀とか使えれば広津先生が有利になります。
47歩同飛46歩、これは同飛か同金か悩ましいですが
46同金に43金左、先手の飛の威力が下がりました。
45桂52金22歩、駒得を目指す順がありました。33桂同桂成同銀(同金は35金)35桂は先手十分でしょう。
45銀同角34桂、両取りで返されますが、35金26桂23角成あるいは35銀46桂23角成でも先手よしでしょう。
21歩成と桂を取るのも十分です。銀得なので44歩を打たれたら
角を切っても2枚換え、駒得なので攻めをあわてずに78銀打は実戦的です。
大山先生は端を工作してから、66歩同金84馬。56金右が自然に見えますが
75歩に95香、これは95同香同馬96歩86馬同銀同飛が王手金取りになるというわけです。
97歩の受けに59角で銀取りですが
広津先生は76桂62馬64歩を利かして35金
馬を作られても、金銀の取り合いは金飛をさばいたことになりますから先手有利です。
25馬は両取りでしたが、37飛36馬はだめでも44飛同馬同金は十分だったでしょう。(79銀同玉49飛は気になりますが。) 飛を捨てて33金と入るのは後手玉を寄せ切れるかどうか。
47馬に34桂で詰めろ。
51玉に43歩もうるさいです。小駒だけなので21と が働きそうにないのですが
金を取れたらまあまあでしょう。
49歩(これが甘いのか)57馬となれば、89金が必要(42桂成79銀98玉33飛成52成桂同玉89金というのもないことはないが)で、ここで66馬と取られていたら駒損が響きそうでした。
大山先生は83飛42桂成25馬、目標の駒を逃げてしまえという指し方です。
43金49飛成52成桂71玉62金、こういう俗な追い方は良くないものですが
95香を取れるのが大きくて、広津先生有利に戻ったか。61歩の催促に
72金同玉96歩(好手)24馬左
(*将棋DB2では24馬右と間違っています。大山全集は24馬引と書いてあって紛らわしいのですが。)
先手玉は詰めろですね。後手玉は63歩成同飛84桂から詰んでいました。先の96歩は先手玉が広くなっての詰めろという好手だったわけです。広津先生は読んでいたのでしょうが、149手目ですから秒読みに追われて・・・
97玉としておけば安全に見えてしまいました。ところが88銀を打たれて先手玉が詰んでいます。残念でした。
馬を作られて、我々アマチュアだとあきらめてしまいそうなところでしたが、プロは違いますね。反撃して指せるとは思いませんでした。ところどころ最善を逃しているように見えますが、おおむねは広津先生が有利で、最後だけ間違えた残念譜です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1953/06/26
手合割:平手
先手:広津久雄7段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2八飛(24)
12 3四歩(33)
13 7六歩(77)
14 8六歩(85)
15 同 歩(87)
16 同 飛(82)
17 8七歩打
18 8四飛(86)
19 4八銀(39)
20 6二銀(71)
21 5六歩(57)
22 9四歩(93)
23 9六歩(97)
24 5四歩(53)
25 6九玉(59)
26 4一玉(51)
27 5七銀(48)
28 5二金(61)
29 3六歩(37)
30 6四歩(63)
31 4六銀(57)
32 8五飛(84)
33 2二角成(88)
34 同 銀(31)
35 8八銀(79)
36 3三銀(22)
37 7七桂(89)
38 8二飛(85)
39 8六歩(87)
40 4四歩(43)
41 8七銀(88)
42 5三銀(62)
43 3七桂(29)
44 7四歩(73)
45 6六歩(67)
46 4二銀(33)
47 5五歩(56)
48 4三銀(42)
49 5四歩(55)
50 同 銀(53)
51 5五歩打
52 6三銀(54)
53 6七金(78)
54 8八歩打
55 7九玉(69)
56 3五歩(34)
57 同 銀(46)
58 8九歩成(88)
59 同 玉(79)
60 6九角打
61 8八玉(89)
62 4七角成(69)
63 4八金(49)
64 3六馬(47)
65 2六銀(35)
66 4六馬(36)
67 5七金(48)
68 5五馬(46)
69 1八角打
70 6五歩(64)
71 5三歩打
72 6二金(52)
73 2二歩打
74 同 金(32)
75 6五歩(66)
76 5四歩打
77 5六金(57)
78 7三馬(55)
79 4五歩打
80 5三金(62)
81 4八飛(28)
82 3三金(22)
83 4四歩(45)
84 同 銀(43)
85 5五歩打
86 4七歩打
87 同 飛(48)
88 4六歩打
89 同 金(56)
90 4三金(33)
91 4五桂(37)
92 5二金(53)
93 2二歩打
94 4五銀(44)
95 同 角(18)
96 3四桂打
97 2一歩成(22)
98 4四歩打
99 3四角(45)
100 同 金(43)
101 7八銀打
102 9五歩(94)
103 同 歩(96)
104 9六歩打
105 同 香(99)
106 6六歩打
107 同 金(67)
108 8四馬(73)
109 7五歩(76)
110 9五香(91)
111 9七歩打
112 5九角打
113 7六桂打
114 6二馬(84)
115 6四歩(65)
116 7二銀(63)
117 3五金(46)
118 2六角成(59)
119 3四金(35)
120 2五馬(26)
121 3三金(34)
122 4七馬(25)
123 3四桂打
124 5一玉(41)
125 4三歩打
126 3九飛打
127 4二歩成(43)
128 6一玉(51)
129 5二と(42)
130 同 馬(62)
131 4九歩打
132 5七馬(47)
133 8九金打
134 8三飛(82)
135 4二桂成(34)
136 2五馬(52)
137 4三金(33)
138 4九飛成(39)
139 5二成桂(42)
140 7一玉(61)
141 6二金打
142 8二玉(71)
143 9五香(96)
144 6一歩打
145 7二金(62)
146 同 玉(82)
147 9六歩(97)
148 2四馬(25)
149 9七玉(88)
150 8八銀打
151 投了
まで150手で後手の勝ち