後手番升田先生の手を考えます。
第1問
これが新しい構想です。持ち歩を生かせます。
A 92飛 B 93香 C 85銀
第2問
どれを選ぶか難しいところですが、急がないのが良かったようです。
A 26香 B 85銀 C 97角成
第3問
これで優勢に持って行きます。
A 85桂 B 97角成 C 57金
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
これが新しい構想です。持ち歩を生かせます。
A 92飛 B 93香 C 85銀
第2問
どれを選ぶか難しいところですが、急がないのが良かったようです。
A 26香 B 85銀 C 97角成
第3問
これで優勢に持って行きます。
A 85桂 B 97角成 C 57金
今日の棋譜20201120
昭和29年2月、升田幸三先生と第3期王将戦第5局です。
大山先生の先手で矢倉です。
54歩と46歩の対抗ですが
升田先生の64歩は、現代では良い手とはされません。(急戦矢倉ならば別ですが。)
それは角を使いにくいからなのですが、この場合は大山先生が銀矢倉を目指すゆっくりした駒組ですから悪くはないです。升田先生は前局に引き続いて袖飛車です。
大山先生は銀矢倉で受けます。
またも4筋の位を取ります。第4局指し直しでは後手番で総矢倉から46銀型を作っていました。
四手角ではなくて46角で後手の攻めをけん制しています。
升田先生が6筋の歩を交換すれば
大山先生は5筋の歩を交換しておきます。
56金の形を作ってしまえば後手からの攻め筋がない、というのが当時の常識だったでしょう。
升田先生は雀刺しの経験がありますから、92飛~85桂で端をねらいます。
歩を使い切って桂香交換しにいくのでは大したことがないようですが
97角成同桂96飛という攻め筋があります。その前に26香というのは、27桂ならば85銀~96銀を防げないということなのでした。
成香を作った局面はどちらが良いか。駒の損得は評価しにくいところです。玉の堅さも同じくらいでしょうか。攻め駒の数は2対3あるいは4。升田先生が攻勢を取っているということはわかります。
75桂62金64歩
26成香63歩成同銀同桂成同金と進みます。先手の駒得になったようでも、36成香が見えていますし、後手に歩を渡したということもあり、何とも言えません。
58銀64桂、66金は65歩を打たれます。この取引は先手の損です。代わりの手段が良くわからないところなのですが、
65銀56桂同銀と進んだ局面です。これは後手の駒得ですし、指しやすくなったでしょう。
62歩に47銀上、先手玉が薄くなったのがわかります。
升田先生は37成香同角97角成、ねらい筋を決行します。
97同桂96飛98歩、攻め駒は5枚ありますから後手有利です。あとはどう寄せるかですが、
57銀28飛85桂、89桂には77歩が厳しいです。
67金に77歩もぴったり。
85桂には78金で飛を取れて
57銀を取られても詰む形ですから受けが無いです。ここまで。
今でこそ当たり前のような端の攻め方ですが、当時としては斬新です。矢倉に端攻めの要素が加わって、これから面白くなりそうです。
大山先生のほうは敗着がわかりません。自然に進めたつもりでも悪くなってしまいました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/02/03
手合割:平手
先手:大山王将
後手:升田幸三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 7八金(69)
12 4一玉(51)
13 6九玉(59)
14 5四歩(53)
15 5八金(49)
16 5二金(61)
17 4六歩(47)
18 7四歩(73)
19 4七銀(48)
20 3三銀(42)
21 3六歩(37)
22 6四歩(63)
23 5六銀(47)
24 6三銀(62)
25 6六歩(67)
26 7二飛(82)
27 7九角(88)
28 7五歩(74)
29 同 歩(76)
30 同 飛(72)
31 6七銀(56)
32 7二飛(75)
33 5六歩(57)
34 7四銀(63)
35 4五歩(46)
36 6三金(52)
37 7六歩打
38 3一角(22)
39 2五歩(26)
40 5三角(31)
41 4六角(79)
42 3一玉(41)
43 7九玉(69)
44 2二玉(31)
45 8八玉(79)
46 7三桂(81)
47 3七桂(29)
48 6五歩(64)
49 同 歩(66)
50 同 銀(74)
51 6六歩打
52 7四銀(65)
53 4七金(58)
54 9四歩(93)
55 5五歩(56)
56 同 歩(54)
57 同 角(46)
58 5四歩打
59 4六角(55)
60 9五歩(94)
61 5六金(47)
62 9二飛(72)
63 8六銀(77)
64 8五桂(73)
65 6五歩(66)
66 9六歩(95)
67 同 歩(97)
68 9八歩打
69 同 香(99)
70 9七歩打
71 同 香(98)
72 同 桂成(85)
73 同 銀(86)
74 2六香打
75 6八飛(28)
76 2七香成(26)
77 7五桂打
78 6二金(63)
79 6四歩(65)
80 2六成香(27)
81 6三歩成(64)
82 同 銀(74)
83 同 桂成(75)
84 同 金(62)
85 5八銀(67)
86 6四桂打
87 6五銀打
88 5六桂(64)
89 同 銀(65)
90 6二歩打
91 4七銀(58)
92 3七成香(26)
93 同 角(46)
94 9七角成(53)
95 同 桂(89)
96 9六飛(92)
97 9八歩打
98 5七銀打
99 2八飛(68)
100 8五桂打
101 2四歩(25)
102 同 銀(33)
103 6七金(78)
104 7七歩打
105 8五桂(97)
106 7八金打
107 同 飛(28)
108 同 歩成(77)
109 同 玉(88)
110 9八飛成(96)
111 8八香打
112 9七香成(91)
113 投了
まで112手で後手の勝ち