後手番大山先生の手を考えます。
第1問
先手のねらいを察知します。
A 74歩 B 86歩 C 45歩
第2問
これで突破できます。
A 44金 B 38歩 C 48歩
第3問
先手の25歩は形つくり、素早く寄せます。
A 75桂打 B 86桂 C 59竜
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
先手のねらいを察知します。
A 74歩 B 86歩 C 45歩
第2問
これで突破できます。
A 44金 B 38歩 C 48歩
第3問
先手の25歩は形つくり、素早く寄せます。
A 75桂打 B 86桂 C 59竜
今日の棋譜20201126
昭和29年3月、斎藤銀次郎先生と読売全八段戦です。
この当時は76歩84歩34歩77銀という手順での矢倉が多いのですが、4手目66歩からの矢倉です。
5筋を突き合う見慣れた形なのですが
大山先生は53銀右から5筋の歩を交換します。ここから「中央に銀二枚を並べる戦型」もあり得るのですが
矢倉で受けるというのが斬新です。近年になってから流行した指し方ですね。大山先生はうまくいった戦法でも、何度も使うことがなくなっていくので、知られないけれど新戦法を指し始めていたのだなあ(そして現代になって再発見されている)と思うことがあります。ここから69玉と待って、74歩に46角で角交換は先手が指しやすくなる(というのも現代の話な)のですが、
斎藤先生は75歩から凸矢倉(銀立ち矢倉)に組みます。
8筋の歩交換を、87歩を打たずに角を戻ったというのが変わっています。
85歩の形にしたかったというわけでした。
角を戻るのでは2手損なのですが
3筋の歩を交換するというのは欲張っています。
大山先生は34歩を打って失敗しているので、先手に36銀型を作らせないように45銀、角を引かれて
銀矢倉を目指すように指します。
斎藤先生は手が遅れているので入城が後回しになりましたが、このまま収まるならば互角でしょう。
でも79金?78玉と囲うのではなく
飛を8筋に移動するねらいでした。大山先生はそれを察知して86歩と垂らしているのですが、なおさら88飛は必然ということになります。
86歩を取られてはいけませんから、大山先生は65歩同歩74歩。74同歩には75歩同銀76歩同金75角同角87銀という強襲をねらっているのでしょう。
斎藤先生の78金は飛を囲っているので変な手ですが、角を切られて87銀の筋を受けています。大山先生は55歩の合わせ。55同歩は同金56歩66歩と攻めるのでしょう。
74歩56歩同銀52飛、斎藤先生は猛攻を受け止められるでしょうか。
66角55歩でちょっと落ち着いて
47銀45歩同歩までは良いのですが、大山先生は45同金46歩56金という攻めではなくて53角。ねらいは35角~45金でしょうか?
斎藤先生の35歩同角36歩というのもよくわかりません。26角ではお手伝いしているような気がしますが
24歩ということは、歩を突き捨てて27歩~37桂と受けようということだったのでしょう。大山先生は24歩を手抜いて42飛
23歩成同銀までは良いとして、斎藤先生は24歩を取ってもらえませんでした。こうなると成り捨てにくいですし、37桂と跳ねることにはならず
79金に45飛、右翼から破られそうです。
23歩成同金57金(46歩より良いのか)
78歩同飛(この利かしが後に生きる)56歩46金、いかにもつぶされそうですが
25飛35歩となれば36金があるので受けきれるか?
15角28歩、飛角の利きでどうにか受けています。
75歩同角48歩、もう28飛成を受ける手が無いです。
16歩にも構わず飛を成られて
桂角交換でもこの と金を受けきれません。58飛には87歩成同銀67桂とか、48歩~59と同飛49歩成56飛48と とか。
なので24歩同銀右を入れて角を打ち込みます。
45歩66角33歩56金53歩
81角成75歩同角55桂。58銀は59と から取られます。
36銀87歩成同銀67桂成、駒損になりそうで、もうだめです。
39桂同と76銀、良く受ける気になるなあというところですが
飛を取られても一応は駒損にはなっていないです。
でも二枚飛車には受けがなく
焦らず迫られてはどうしようもありません。
25歩を手抜いて59竜
24歩も手抜いて86桂
87玉79竜23歩成同金、大山先生は銀2枚を取らせましたが、問題ありません。
ここまで。
斎藤先生も明治生まれの先生で、指し方に個性があります。飛を8筋にもっていくまでが構想でしたか。不発に終わって防戦一方になりました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/03/15
手合割:平手
先手:斎藤銀次郎8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七銀(68)
8 6二銀(71)
9 5六歩(57)
10 5四歩(53)
11 5八金(49)
12 4二銀(31)
13 7八金(69)
14 3二金(41)
15 7九角(88)
16 4一玉(51)
17 6七金(58)
18 5三銀(62)
19 4八銀(39)
20 5五歩(54)
21 同 歩(56)
22 同 角(22)
23 2六歩(27)
24 5四銀(53)
25 2五歩(26)
26 3三銀(42)
27 7五歩(76)
28 4四歩(43)
29 5六歩打
30 6四角(55)
31 7六銀(77)
32 8六歩(85)
33 同 歩(87)
34 同 飛(82)
35 8八角(79)
36 8二飛(86)
37 8五歩打
38 4二角(64)
39 7九角(88)
40 6四歩(63)
41 3六歩(37)
42 6二金(61)
43 3五歩(36)
44 同 歩(34)
45 同 角(79)
46 4五銀(54)
47 6八角(35)
48 6三金(62)
49 4六歩(47)
50 3四銀(45)
51 7七桂(89)
52 3一玉(41)
53 5七角(68)
54 2二玉(31)
55 4七銀(48)
56 5四金(63)
57 6九玉(59)
58 9四歩(93)
59 7九金(78)
60 8六歩打
61 8八飛(28)
62 6五歩(64)
63 同 歩(66)
64 7四歩(73)
65 7八金(79)
66 5五歩打
67 7四歩(75)
68 5六歩(55)
69 同 銀(47)
70 5二飛(82)
71 6六角(57)
72 5五歩打
73 4七銀(56)
74 4五歩(44)
75 同 歩(46)
76 5三角(42)
77 3五歩打
78 同 角(53)
79 3六歩打
80 2六角(35)
81 2四歩(25)
82 4二飛(52)
83 2三歩成(24)
84 同 銀(34)
85 2四歩打
86 3四銀(23)
87 7九金(78)
88 4五飛(42)
89 2三歩成(24)
90 同 銀(34)
91 5七金(67)
92 7八歩打
93 同 飛(88)
94 5六歩(55)
95 4六金(57)
96 2五飛(45)
97 3五歩(36)
98 1五角(26)
99 2八歩打
100 7五歩打
101 同 角(66)
102 4八歩打
103 1六歩(17)
104 2八飛成(25)
105 1五歩(16)
106 2九龍(28)
107 5九歩打
108 4九歩成(48)
109 2四歩打
110 同 銀(33)
111 6三角打
112 4五歩打
113 6六角(75)
114 3三歩打
115 5六金(46)
116 5三歩打
117 8一角成(63)
118 7五歩打
119 同 角(66)
120 5五桂打
121 3六銀(47)
122 8七歩成(86)
123 同 銀(76)
124 6七桂成(55)
125 3九桂打
126 同 と(49)
127 7六銀(87)
128 7八成桂(67)
129 同 玉(69)
130 3八龍(29)
131 4八桂打
132 8三桂打
133 6六角(75)
134 2八飛打
135 9一馬(81)
136 4八龍(38)
137 6八香打
138 3八飛成(28)
139 2五歩打
140 5九龍(48)
141 2四歩(25)
142 8六桂打
143 8七玉(78)
144 7九龍(59)
145 2三歩成(24)
146 同 金(32)
147 7五銀(76)
148 6八龍(38)
149 7六玉(87)
150 7八桂成(86)
151 8六銀打
152 7七成桂(78)
153 投了
まで152手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
先手陣に欠陥があります。
A 52飛 B 88歩 C 57歩
第2問
これが間に合います。
A 77銀成 B 88歩 C 57歩
第3問
馬を作られて難しくなったようですが、気持ちの良い手があります。
A 73桂 B 64歩 C 69と
今日の棋譜20201125
昭和29年3月、村上眞一先生と第2回王座戦です。
村上先生の先手で、「中央に銀二枚を並べる戦型」になりそうですが
雁木です。村上先生はこの当時数少ない明治生まれで、56銀66銀の形(こちらが新しくて)を作るよりも江戸時代からある雁木のほうが好みだったということなのでしょうか。戦法としては雁木のほうが優れています。
大山先生は矢倉です。
雁木が6筋の位を取るというのは好形です。
大山先生は8筋で角交換に行きました。長らく雁木で角交換されると損だというのが常識だと思っていたのですが、近年の雁木ブームで逆の評価に変わっています。
対して村上先生の87歩はちょっと変わっていて、86同角同飛87歩は84飛を気にしたのでしょうか?82飛ならば77桂を跳ねるかどうか選択できる分だけ得ですが。
あれ?77角成を同金ですね。力戦志向です。
大山先生は自陣角を打ちます。(が、88歩同飛27角もあったか。)46角と受けられたら、同角同歩47角58角同角成同金88歩か88角で後手有利。
村上先生は55歩同歩78玉、今度こそ56歩なら46角を打とうというのでしょう。
53銀に37角
54銀に58飛、数で55歩を取り返しに行きます。
22玉に55銀同銀同飛。「一段金に飛捨てあり」です。
42金右59飛、これで先手十分にも見えるのですが。
大山先生は玉の堅さを生かして強襲します。88歩同金68銀
58飛に金をはがしておくのではなくて、37角成同桂89角
78玉88歩。46角を打たれても89歩成は詰めろです。
68飛89歩成
28飛88角成68玉79と までは(後手が望めば)必然でしょう。後手玉は堅く、銀歩歩と桂の交換でも馬と金を作っています。攻め駒は3枚はありますから、後手有利か優勢です。69と~77馬があるので
66銀打の受けに54桂、大山先生は駒得を広げながら攻めることができます。
57玉にも99馬。
村上先生はやっと反撃です。24歩同銀71角
51香56歩が入って66桂を
馬を引き付けて取り返すことができました。でもまだ香損です。粘られたようですが、ここで大山先生の
73桂48玉65桂は気持ちよすぎます。
駒得が広がり
粘られても余裕があります。
一息ついて、再び村上先生の攻めるターンです。
4歩同銀16桂15銀。継続手は24歩同歩同桂ですが、24同銀同飛23歩でもパッとしませんし、27歩同飛26歩でも悪そうです。
仕方ないので馬を使って
69歩は粘りの手でしたが、69同と を取ると66銀同銀同馬57銀同馬同玉56飛では受からないか。もっと軽く55歩同歩56歩同銀66馬でも困ります。
91馬に68と
27香に58と同金55歩、これを挨拶してもきりがないので
2歩同歩同桂は最後の突撃です。でも手抜かれて56歩は詰めろでもおかしくないです。
後手玉を追いかけてみたけれど詰まず、詰めろも見当たりません。投了です。
銀を交換したところでは、村上先生がうまくペースをつかんだかのようにも見えるのですが、先手陣に欠陥がありました。自ら雁木を崩す77同金ではだめなのでしょうね。
珍しくと言っては失礼ですが、大山先生の鋭い攻めが決まりました。カウンターの攻めは強烈です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/03/07
手合割:平手
先手:村上眞一8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 4八銀(39)
8 3四歩(33)
9 6八銀(79)
10 6二銀(71)
11 5七銀(48)
12 5二金(61)
13 2六歩(27)
14 4四歩(43)
15 2五歩(26)
16 3三角(22)
17 6六歩(67)
18 3二銀(31)
19 6七銀(68)
20 4二角(33)
21 7八金(69)
22 3三銀(32)
23 6九玉(59)
24 3二金(41)
25 6五歩(66)
26 4一玉(51)
27 6六銀(57)
28 8六歩(85)
29 同 歩(87)
30 同 角(42)
31 8七歩打
32 7七角成(86)
33 同 金(78)
34 7四歩(73)
35 8六歩(87)
36 3一玉(41)
37 3六歩(37)
38 7三角打
39 5五歩(56)
40 同 歩(54)
41 7八玉(69)
42 5三銀(62)
43 3七角打
44 5四銀(53)
45 5八飛(28)
46 2二玉(31)
47 5五銀(66)
48 同 銀(54)
49 同 飛(58)
50 4二金(52)
51 5九飛(55)
52 8八歩打
53 同 玉(78)
54 6八銀打
55 5八飛(59)
56 3七角成(73)
57 同 桂(29)
58 7九角打
59 7八玉(88)
60 8八歩打
61 6八飛(58)
62 8九歩成(88)
63 2八飛(68)
64 8八角成(79)
65 6八玉(78)
66 7九と(89)
67 6六銀打
68 5四桂打
69 5七玉(68)
70 9九馬(88)
71 2四歩(25)
72 同 銀(33)
73 7一角打
74 5一香打
75 5六歩打
76 6六桂(54)
77 4四角成(71)
78 3三銀(24)
79 6六馬(44)
80 7三桂(81)
81 4八玉(57)
82 6五桂(73)
83 同 馬(66)
84 7七馬(99)
85 6六銀(67)
86 6七馬(77)
87 5八銀打
88 6八馬(67)
89 5七銀(66)
90 7七馬(68)
91 2四歩打
92 同 銀(33)
93 1六桂打
94 1五銀(24)
95 7四馬(65)
96 7八と(79)
97 7三馬(74)
98 5二飛(82)
99 6九歩打
100 同 と(78)
101 9一馬(73)
102 6八と(69)
103 2七香打
104 5八と(68)
105 同 金(49)
106 5五歩打
107 2四歩打
108 同 歩(23)
109 同 桂(16)
110 5六歩(55)
111 3二桂成(24)
112 同 玉(22)
113 2三香成(27)
114 4三玉(32)
115 投了
まで114手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
43の守り方です。
A 42金 B 44歩 C 44桂
第2問
攻めるならばこの手ですが、その先を読まないと危ないところです。
A 88飛 B 47銀不成 C 47銀成
第3問
先手のねらいを考えます。
A 56歩 B 76竜 C 31金
第4問
先手玉に即詰みがあります。
今日の棋譜20201124
昭和29年3月、大野源一先生と産経杯決勝戦です。
*大山全集にはこれとほとんど同じ棋譜(120手まで)が翌日付で載っています。決勝は3番勝負だたのかもしれませんが不明です。
大野先生の中央位取りで
中飛車です。前に指した将棋からどう変わるでしょうか。
大山先生はおとなしく指していて
大野先生は四間飛車、73桂を跳ねさせるというのが得なのです。後手から角頭をねらわれることが無いですし
この67飛では、78飛~68角~75歩と飛を使うことができたのですが。
以前は9筋で1歩手に入れてからでしたが、角を引いて桂を跳ねるのは6筋からの攻めをねらっています。
前に大山先生は75歩~84飛と受けていたのを、角を使って受けることにしました。このほうが無駄が少ないです。なお後手から86歩同歩同飛は64歩同銀65桂と返す筋があります。
64歩同銀までは良いとして、大野先生は右から動くのですが、左からさばきたいところではありました。75歩84飛63歩52金では続かないか。65桂同桂同銀66歩同飛55銀というのもパッとしません。75歩84飛85桂とか成立しないかなあと考えるのですが。
45同歩に36歩も突きにくいところですが、44金に
35歩43銀ならば悪くはなさそうです。でもこの46歩は指し過ぎている感じがあります。47金が普通だったでしょうか。
4筋の位を取って、46歩を取り返しに行きます。力強いですが美濃囲いが崩れるので、振り飛車らしくはないでしょう。
86歩を突かれましたが銀をぶつけ
金を追いますが、33歩で我慢されては
86歩同飛までは仕方ないです。そこで26歩ですか。34金を取りたいのでしょうが、手数がかかります。
桂頭をねらわれて
44歩や36銀~25歩という反撃をねらいます。
76歩44歩、大山先生は銀を引いても大丈夫だと思いますが、あっさり44歩を取ってしまいます。
銀桂交換でも竜ができているから駒損ではないと。
57歩の利かしも入ります。
でも銀取りで後手を引いて75歩を打つのでは、パッとしない感じです。
大野先生は56銀を前に出ていきます。
44桂に36歩が利くのか? 36同金は取りにくいから43銀成同玉36銀でしょうか。
34金と引かせたので悪くもなさそうです。しかし27玉は78竜の利きを避けた手ですが、45歩56桂44歩と勝負すべきたっだのです。
55銀とされては45歩は打ちづらく、53歩で拠点作り。
しかし飛を殺されてしまいました。
15歩46角同銀
47銀不成は取れないですが、96角がねらいの手です。
36銀成38玉87歩、ここで41角成同玉43銀不成の詰めろは65角で抜かれてしまうのです。41角成同玉52歩成32玉や41角成同玉52銀も後手玉を捕まえきれません。
57銀で粘りますが、ちょっと変わった飛打ちがあって
68歩27飛成39玉、ここで大山先生の
31金が安全策です。大野先生は角切りが消えたので銀を打つくらい。
26竜52歩成56歩、66銀は76竜くらいで負けです。
41と57歩成31と、銀金を取り合って(先手玉は詰めろなので)
31同玉57金に27銀は詰めろ。
27同銀同竜38金打は57銀を取られて銀取り。
43銀不成は仕方ないですが、28銀で詰んでいます。
ここまで。
大野先生はさばきの振り飛車かと思っていたのですが、玉頭方面から動くとは、関西流の力将棋という感じがします。難しい攻防ですが、後手ペースだったかと。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/03/02
手合割:平手
先手:大野源一8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 5五歩(56)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 5二金(61)
11 5八飛(28)
12 4二玉(51)
13 4八玉(59)
14 3二玉(42)
15 3八玉(48)
16 4二銀(31)
17 5七銀(68)
18 7四歩(73)
19 5六銀(57)
20 6四歩(63)
21 2八玉(38)
22 1四歩(13)
23 1六歩(17)
24 4四歩(43)
25 3八銀(39)
26 6三銀(62)
27 4六歩(47)
28 4三銀(42)
29 6六歩(67)
30 9四歩(93)
31 6八飛(58)
32 7三桂(81)
33 5八金(69)
34 5四歩(53)
35 同 歩(55)
36 同 銀(43)
37 5五歩打
38 4三銀(54)
39 6七飛(68)
40 3五歩(34)
41 6八角(77)
42 3四銀(43)
43 7七桂(89)
44 4三金(52)
45 6五歩(66)
46 3一角(22)
47 6四歩(65)
48 同 銀(63)
49 4五歩(46)
50 同 歩(44)
51 3六歩(37)
52 4四金(43)
53 3五歩(36)
54 4三銀(34)
55 4六歩打
56 同 歩(45)
57 4五歩打
58 3五金(44)
59 3七銀(38)
60 8六歩(85)
61 4六銀(37)
62 3四金(35)
63 3七飛(67)
64 3三歩打
65 8六歩(87)
66 同 飛(82)
67 2六歩(27)
68 8九飛成(86)
69 4七飛(37)
70 7五歩(74)
71 3五歩打
72 2四金(34)
73 3七銀(46)
74 7六歩(75)
75 4四歩(45)
76 同 銀(43)
77 同 飛(47)
78 4三歩打
79 4七飛(44)
80 7七歩成(76)
81 同 角(68)
82 5七歩打
83 4八金(58)
84 7八龍(89)
85 8六角(77)
86 7五歩打
87 4五銀(56)
88 3五金(24)
89 5四銀(45)
90 4四桂打
91 3六歩打
92 3四金(35)
93 2七玉(28)
94 5五銀(64)
95 5三歩打
96 5六銀(55)
97 4六飛(47)
98 1三角(31)
99 1五歩(16)
100 4六角(13)
101 同 銀(37)
102 4七銀(56)
103 9六角打
104 3六銀成(47)
105 3八玉(27)
106 8七歩打
107 5七銀(46)
108 4七飛打
109 6八歩打
110 2七飛成(47)
111 3九玉(38)
112 3一金(41)
113 2八銀打
114 2六龍(27)
115 5二歩成(53)
116 5六歩打
117 4一と(52)
118 5七歩成(56)
119 3一と(41)
120 同 玉(32)
121 5七金(48)
122 2七銀打
123 同 銀(28)
124 同 龍(26)
125 3八金打
126 5七龍(27)
127 4三銀(54)
128 2八銀打
129 同 金(38)
130 4八金打
131 同 金(49)
132 6九龍(78)
133 投了
まで132手で後手の勝ち
先手番高島先生の手を考えます。
第1問
攻めるのはこの筋です。
A 25歩 B 45銀 C 45桂
第2問
飛のうち場所は悩ましい比較です。
A 41飛 B 82飛 C 12飛
第3問
31金を疑問手にさせます。
A 23銀 B 12銀 C 32歩
第4問
入玉される懸念が減少します。
A 59桂 B 34銀成 C 22銀不成
今日の棋譜20201123
昭和29年2月、高島一岐代先生と東西対抗勝継戦です。
高島先生の先手で矢倉です。
56歩に対して64歩
大山先生は銀矢倉を目指すのですが、高島先生の37銀は新しい指し方です。
急戦矢倉も考えられましたが、3筋の歩を交換します。これに対しては45銀として、先手の36銀型を防いでおくのが手筋です。
大山先生の34歩は素直すぎて、作戦負けの恐れがあります。36銀型を作られて
6筋の歩を伸ばし
73角でけん制することにしました。これならば作戦負けとは言い切れませんが、先手に主導権はあります。駒組が進み
高島先生はどの形で45歩から仕掛けるかですが
この図から仕掛けます。
16歩には驚きますが、16同歩に45歩。
大山先生は45歩を取らず、5筋の歩を交換しておきます。
44歩同銀直13歩同香24歩。24同銀は25銀同銀同桂でまずそうです。
24同歩25歩、これは取れません。強く35歩を突いて
銀を交換して36銀
大山先生の桂得になりました。71角成は飛取りですがひもがついています。25歩か25銀も有力ですが
84飛62馬72飛
34歩同銀61馬で両取り。33飛は44銀ですから43飛しかなくて
24歩28歩のところで飛を取られました。
43同金直39飛38歩19飛27桂、この桂は16香を見せられて打たされた感じです。桂得でも27桂は働きが悪く、81桂は取られそう、28歩や38歩もないほうが良いですから、先手が指しやすくなっているでしょう。
49飛48歩59飛に33玉ですが、39歩成としておくところだったかも。
57飛26馬12飛、高島先生は狭いところに飛を打ち込みましたが、後手の24玉をけん制して14歩があります。
25角(14歩を防いだ)55歩47銀不成
11飛成の時に、大山先生の31金が失敗でした。(入るならば)56歩59飛を利かしておきたいですし、24玉21竜23銀としておくのもあったでしょう。
32歩同玉12銀、後手玉が下に下がっていくのでは危ないです。
33金21銀成同金13竜、二枚換えされていますし、上に逃げだしにくくなっています。
56歩は47飛、銀を取られて
47同角成23銀。後手玉の上部8段目に歩が並んでいるのが悪い形で、入玉まではかなりの道のりがあります。
43玉に59桂もぴったりした感じの手で
銀を打たされて
やっと玉は4段目に上がりましたが
33金を取られて金銀3枚。これでは逃げきれないです。
44銀に47銀は詰めろ。竜を取ることもできません。
47同馬34竜同玉47桂、駒を取り合っても先手の攻め駒は5枚あります。
24玉はあっさりし過ぎか、39歩成とかで寄せてみろ、のほうが難しく見えましたが。52角を打たれて
34香に14金25玉15銀。清算すると34角成で寄せられます。
37馬に24金も良さそうな手です。
36玉43角成47玉、7段目に到達して、一応は入玉ですが
58金打36玉25馬45玉47金、玉は押し戻されて
47同馬同馬46金63角
55玉46金同玉27角成、やはり入玉できる形にはならないです。
24金も活用されて
ここまで。
大山先生の得意なパターンに見えるのですが、最後まで残った28歩38歩48歩がひどい形です。自分の入玉を阻止して、歩を打つ受けをなくしています。攻めの好きな高島先生が攻め切った一局です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/02/18
手合割:平手
先手:高島一岐代8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 5二金(61)
11 7八金(69)
12 3二金(41)
13 6九玉(59)
14 4一玉(51)
15 5六歩(57)
16 6四歩(63)
17 2五歩(26)
18 3三銀(42)
19 7九角(88)
20 6三銀(62)
21 3六歩(37)
22 5四銀(63)
23 3七銀(48)
24 4四歩(43)
25 5八金(49)
26 7四歩(73)
27 3五歩(36)
28 同 歩(34)
29 同 角(79)
30 3四歩打
31 6八角(35)
32 3一角(22)
33 3六銀(37)
34 4二角(31)
35 4六歩(47)
36 5一角(42)
37 4八飛(28)
38 6五歩(64)
39 3七桂(29)
40 7三角(51)
41 7九玉(69)
42 3一玉(41)
43 8八玉(79)
44 2二玉(31)
45 1八香(19)
46 4三金(52)
47 4七飛(48)
48 8五歩(84)
49 5七角(68)
50 1四歩(13)
51 9六歩(97)
52 1五歩(14)
53 4九飛(47)
54 9四歩(93)
55 6八金(58)
56 4二金(43)
57 2九飛(49)
58 4三銀(54)
59 2七飛(29)
60 5四歩(53)
61 1六歩(17)
62 同 歩(15)
63 4五歩(46)
64 5五歩(54)
65 同 歩(56)
66 同 角(73)
67 5六歩打
68 7三角(55)
69 4四歩(45)
70 同 銀(43)
71 1三歩打
72 同 香(11)
73 2四歩(25)
74 同 歩(23)
75 2五歩打
76 3五歩(34)
77 同 銀(36)
78 同 銀(44)
79 同 角(57)
80 3六銀打
81 2九飛(27)
82 3七角成(73)
83 7一角成(35)
84 8四飛(82)
85 6二馬(71)
86 8三飛(84)
87 3四歩打
88 同 銀(33)
89 6一馬(62)
90 4三飛(83)
91 2四歩(25)
92 2八歩打
93 4三馬(61)
94 同 金(42)
95 3九飛(29)
96 3八歩打
97 1九飛(39)
98 2七桂打
99 4九飛(19)
100 4八歩打
101 5九飛(49)
102 3三玉(22)
103 5七飛(59)
104 2六馬(37)
105 1二飛打
106 2五角打
107 5五歩(56)
108 4七銀(36)
109 1一飛成(12)
110 3一金(32)
111 3二歩打
112 同 玉(33)
113 1二銀打
114 3三金(43)
115 2一銀成(12)
116 同 金(31)
117 1三龍(11)
118 5六歩打
119 4七飛(57)
120 同 角成(25)
121 2三銀打
122 4三玉(32)
123 5九桂打
124 2五馬(47)
125 4七香打
126 4五銀打
127 2二銀(23)
128 同 金(21)
129 同 龍(13)
130 4四玉(43)
131 4五香(47)
132 同 玉(44)
133 3三龍(22)
134 4四銀打
135 4七銀打
136 同 馬(25)
137 3四龍(33)
138 同 玉(45)
139 4七桂(59)
140 2四玉(34)
141 5二角打
142 3四香打
143 1四金打
144 2五玉(24)
145 1五銀打
146 3七馬(26)
147 2四金(14)
148 3六玉(25)
149 3四角成(52)
150 4七玉(36)
151 5八金打
152 3六玉(47)
153 2五馬(34)
154 4五玉(36)
155 4七金(58)
156 同 馬(37)
157 同 馬(25)
158 4六金打
159 6三角打
160 5五玉(45)
161 4六馬(47)
162 同 玉(55)
163 2七角成(63)
164 4五桂打
165 5八桂打
166 5五玉(46)
167 3四金(24)
168 5三銀(44)
169 3五金(34)
170 4一飛打
171 4七香打
172 投了
まで171手で先手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
銀を呼び込んだねらいは?
A 55飛 B 55角 C 46歩
第2問
桂を取りに来られてまずいようですが。
A 85歩 B 24角 C 65桂
第3問
手筋で寄せていきます。
A 58銀 B 48銀 C 68歩
今日の棋譜20201122
昭和29年2月、升田幸三先生と第3期王将戦第6局です。(大山全集ではここだけ肩書が大山康晴名人になっていますが、大山康晴王将が正しいです。)
升田先生の先手で矢倉です。
5筋と4筋を突くのですが
大山先生の袖飛車を見てのことかもしれませんが、升田先生は銀矢倉をあきらめます。
75歩同歩同飛に対して57角74飛76歩と受けます。
升田先生も袖飛車で
35歩同歩同飛に34歩86飛84歩86飛73桂75歩同飛84飛、と進むのでは先手よしでしょう。73桂だったので
7筋から盛り上がります。
8筋の歩を交換されたら
高く受けます。
大山先生も33銀の形になることはありませんでしたから、相矢倉からは外れてしまいました。相居飛車力戦と分類したほうが良いかも。
大山先生は中飛車から動きます。
55歩同歩45歩、これに対して升田先生は45同歩55角37桂で不都合はないと思うのですが。
84歩は駒得を目指した手ですが、46歩同銀で形が乱れます。
45歩同銀46歩、46同角55角同角同飛とさばかれると、56銀同飛同金47角はつぶされています。
48歩の我慢に55角。56歩は47歩成なので
18飛に54銀、明らかに後手ペースです。
升田先生は交換した銀を打って守ります。
桂を殺して悪くなさそうなのですが。
24角73歩成47歩成、角を交換するしかなく
飛銀取りに打たれました。46歩などと銀を助けて18角成同香28飛では悪いです。
銀を取られても銀桂交換なので駒損はひどくはないのですが、残された先手の29桂は盤上で働かず、後手の銀は手駒です。後手有利になりました。
81角に65歩は飛を取ってくれという催促で
63角成同馬に61飛が両取りでも防がれます。41馬を攻める手が無くて
25歩に51歩、この底歩はとんでもなく堅く見えます。
24歩の取り込みも大きいのですが、27歩を取ると72角ですね。
歩の手筋で乱されて
角を打ち込まれ、桂香を取りに来られました。何か攻めないといけないのですが、23桂くらいでは大したこともなく
63歩から と金作りに行きましたが、大山先生の68歩は小技です。68同玉は48銀~57銀打でしょう。
75銀に69歩成57飛29角成。
62歩成も次に厳しい手がありません。39馬から飛を取りに来られて
ここまで。大山先生は王将を防衛しました。そういえば大山先生は王将リーグを勝ち抜いたことがないのに王将2期ですね。王将を失ってから王将リーグを勝ち抜くのは第6期のことです。
「駒得は味が悪い」と何度か書いていますが、その見本です。急がず自然に受けておけば先手有利になるのだと思います。先手の桂得よりも、ひもの付いている後手27角の飛銀取りのほうが大きいというのは、先手玉が堅くないからです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/02/12
手合割:平手
先手:升田幸三8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 6二銀(71)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 7八金(69)
10 5二金(61)
11 6九玉(59)
12 3二金(41)
13 5八金(49)
14 4一玉(51)
15 3六歩(37)
16 5四歩(53)
17 4六歩(47)
18 4四歩(43)
19 4七銀(48)
20 4三金(52)
21 2六歩(27)
22 7四歩(73)
23 7九角(88)
24 7二飛(82)
25 5六歩(57)
26 7五歩(74)
27 同 歩(76)
28 同 飛(72)
29 5七角(79)
30 7四飛(75)
31 7六歩打
32 8五歩(84)
33 6六歩(67)
34 6四歩(63)
35 6七金(58)
36 9四歩(93)
37 3八飛(28)
38 9五歩(94)
39 3五歩(36)
40 同 歩(34)
41 同 飛(38)
42 7三桂(81)
43 7五歩(76)
44 8四飛(74)
45 7六銀(77)
46 3四歩打
47 3八飛(35)
48 6三銀(62)
49 7七桂(89)
50 8六歩(85)
51 同 歩(87)
52 同 飛(84)
53 8七金(78)
54 8一飛(86)
55 8五歩打
56 1四歩(13)
57 7八玉(69)
58 3一玉(41)
59 1六歩(17)
60 5一飛(81)
61 8六金(87)
62 5五歩(54)
63 同 歩(56)
64 4五歩(44)
65 8四歩(85)
66 4六歩(45)
67 同 銀(47)
68 4五歩打
69 同 銀(46)
70 4六歩打
71 4八歩打
72 5五角(22)
73 1八飛(38)
74 5四銀(63)
75 同 銀(45)
76 同 飛(51)
77 5六歩打
78 3三角(55)
79 4五銀打
80 5三飛(54)
81 7四歩(75)
82 2四角(33)
83 7三歩成(74)
84 4七歩成(46)
85 2四角(57)
86 同 歩(23)
87 4七歩(48)
88 2七角打
89 6三と(73)
90 同 飛(53)
91 2八飛(18)
92 4五角成(27)
93 8一角打
94 6五歩(64)
95 6三角成(81)
96 同 馬(45)
97 6一飛打
98 4一馬(63)
99 2五歩(26)
100 5一歩打
101 2四歩(25)
102 2七歩打
103 5八飛(28)
104 6六歩(65)
105 同 金(67)
106 4六歩打
107 同 歩(47)
108 4七角打
109 5九飛(58)
110 2八歩成(27)
111 6三歩打
112 6八歩打
113 7五銀(76)
114 6九歩成(68)
115 5七飛(59)
116 2九角成(47)
117 6二歩成(63)
118 3九馬(29)
119 6七飛(57)
120 5八銀打
121 1七飛(67)
122 2五桂打
123 投了
まで122手で後手の勝ち