名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS2-14 78飛戦法(9)

2024-09-05 | 基本定跡の研究

初手から78飛34歩48玉84歩38玉85歩76歩

馬は作れないので後手は42玉とします。そこで先手の68銀が変わった手です。

86歩同歩同飛には79金

ここで後手の指し手候補が多いのですが、調べてみましょう。まず87飛成は自然ですが、22角成同銀88飛同竜同金

この図の評価値は+53、後手が手損しているからだと思います。と言っても互角で、この後次第。

戻って

62銀では22角成同銀77角

両取りがかかり先手優勢です。後手はこの両取り筋を避けねばなりません。

また戻って

32玉はまあまあ良さそうな手ですが、22角成同銀75角

87飛成63角成82竜

ここは75馬でも互角ですし、63馬86歩88歩62銀64馬

これも評価値は0付近の互角です。後手は2歩損でも角が手持ちだからでしょう。84竜から先手の馬を追って、右の銀桂を使っていきます。

また戻って

32金とするのは凝り型に見えますが、53と22の両方を守っています。22角成同銀77銀87飛成96角

82竜63角成62銀96馬

この図の評価値は+5、ほんのわずかですがプラスです。32金の形でしょうか。

なお96角を嫌って22角成同銀77銀に、82飛86歩も考えられますが

この図の評価値は+62、32金としているので後手玉を固めにくいからでしょうか。

また32金に77角というのもあって

77同角成同銀87飛成96角・・・は後手の左銀の位置の違いだけ。82飛86歩

という図は評価値+35、これもありそうです。いずれにせよ後手の32金は最善ではなさそう。

また戻って

82飛は有力で、先手は84歩を打ちます。

84同飛は22角成同銀66角86歩59銀

両取りが残って先手有利。評価値は+355です。

ちょっと戻って

84同飛ではなくて86歩が正着です。22角成同銀88飛84飛66角

一度82飛と引いて、22角成87歩成とすると、同飛同飛成11馬

二枚替えで評価値は+440の先手有利。なので1つ戻って

ここは87歩成しかありません。84角88と同金

この図の評価値は-20、わずかにマイナスになって、後手にとっての最善の手順であるようです。角を打っているかどうかの違いでしょう。

最後は

44歩ですが、66角と出て

この図の評価値は+26、後手は角筋を止めているのがマイナスです。

どれもわずかな違いで、間違えなければ互角になります。後手としては得策とはいいがたく、

68銀には86歩同歩同飛などとせずに、32玉などと待てば77角でしょうから

一昨日調べた形に合流します。後手としては問題なし。

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SS2-14 78飛戦法(8)

2024-09-04 | 基本定跡の研究

初手78飛に対して34歩と突くと話はちょっと変わります。

もちろん先手には両方の対策が必要ですが、後手は好きな方を選べばよいでしょう。48玉84歩38玉85歩76歩

2手目32飛戦法と違い、88角成同銀45角が成立しませんね。ここで後手の86歩同歩同飛というのは疑問手です。22角成同銀77角

82飛に84歩33桂88飛72銀

というのが昔からある受け方ですが、この図の評価値は+222の先手良し。

ちょっと筋が悪いという評価だったと思いますが、84歩ではなくて83歩52飛88飛

先手はこちらを選んでも評価値は+266の先手良しです。というかこちらのほうが評価値が優りますね。

78飛に84歩の時もでしたが、後手が8筋を破るというのは疑問手になるようです。

 

今日の話は短すぎるので、明日の予習をしておきましょう。78飛34歩48玉84歩38玉85歩76歩

ここで後手は42玉とします。先手は75歩を突いて升田式石田流にすることもできますが、68銀が変わった手です。

86歩同歩同飛には79金

後手が知らないでこの図になったら考え込みそうです。明日検討してみましょう。

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SS2-14 78飛戦法(7)

2024-09-03 | 基本定跡の研究

初手78飛戦法に対して、後手が角を交換しない場合はどうでしょうか。78飛84歩76歩85歩77角34歩48玉62銀

手順は省略してしまいますが

後手が角筋を止めたというのは実戦例があるのでしょう。でも作戦負けになりやすい疑問の構想です。56歩33角57銀43金16歩22玉15歩12香

穴熊に囲えば何でもよい、というのは間違いです。75歩94歩66銀

すでに先手が指しやすくなっているようで、後手はもっと駒組の工夫が必要です。64銀と対抗してみても68角

これは84飛と受けられたときに、AIに聞いてみると74歩同歩57角

65銀をねらって機敏に動きます。この図の評価値はすでに+300を超えて先手有利です。おとなしく82飛としても74飛73歩76飛

評価値は+350の先手有利です。後手は手損して穴熊も未完成です。

少しマシなのは

ここで84飛と浮かないことですが、42角74歩同歩同飛73歩76飛11玉

57角22銀77桂32金75銀

自然に動いて先手良し。評価値は+221です。

後手としてはどこかで角を交換することを視野に入れておくのが良さそうです。AIに聞いてみると

38玉42玉68銀32玉28玉14歩16歩64歩

53銀型よりも63銀型のほうが角交換する形には向いています。38銀63銀58金左54銀

66歩と止められても74歩~73桂~65歩の攻め筋があるし、先手に石田流に組まれても石田崩しの対策があります。(書いたことがありましたっけ?) 65銀も見せているので、75歩94歩46歩24歩、後手は手待ちをします。36歩ならば77角成

ここで角交換をして、左美濃に囲うくらいで十分なようです。評価値は-147、後手番なので動く必要はないし、先手から動く手段がありません。後手の無難な対応策と言えるでしょう。

 

 

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SS2-14 78飛戦法(6)

2024-09-02 | 基本定跡の研究

昨日の話の続きで、78飛84歩76歩85歩77角34歩48玉77角成同飛

22角から角飛交換は難しかったので、後手は普通に駒組を進める方が良いと思うのですが、86歩同歩同飛87歩82飛

8筋の歩を交換したくはなるでしょう。78金42玉75歩62銀38玉

先手の38玉は必要な手で、指さずに76飛だと54角を食らいます。この図でAIに聞くと、22角66角32玉とすれば先手から角交換するから1手得だとか、22角66角同角同歩とする方が得だとか、わずかな違いがあるようです。22銀76飛32玉28玉33銀38銀14歩16歩64歩86飛

先手のねらいとしては、飛をぶつけて85歩を打たせれば同じことだと。ただし評価値では86同飛同歩82歩のほうが後手にとってわずかに優ります。まあ85歩76飛63銀68銀52金右77桂

結局は手損していないと思ったら、先手が1手得しているようです。77飛の形でで76飛~68銀というのは、88銀の形で76飛~79銀68銀に比べると1手得なのか。それを嫌うならば途中で22角66角を入れるとか、そもそも角を交換しないとか。

先手の升田式石田流になりました。この図の評価値は-176の後手ペース。でも後手の指し方は難しいので、うまく指さないと互角になっていくのではないかと思います。

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SS2-14 78飛戦法(5)

2024-09-01 | 基本定跡の研究

初手から、78飛84歩76歩85歩77角34歩77角成同飛

桂ではなくて飛で取る手もあるみたいです。無理にでも升田式石田流にしようというのでしょう。1手損ですが、左銀を右に寄せるときに手損しないと思えば、同じことになるのかも(と思って後で計算してみたら1手得でした)。後手がそれを嫌うと、22角78金77角成同桂

角飛交換にすることはできます。22銀75歩62銀74歩

先手は角2枚でも鬼殺しのようなねらいが残っています。これを74同歩と取ると、55角73銀65桂64銀95角

こんな調子で簡単に先手優勢になります。なので後手は74歩を取れません。戻って

従来の手だと72金が手堅いはずです。55角33桂 (33銀より優る) 65桂

42玉46角打75飛

難しい攻防ですが、73歩成同桂同桂成同銀同角成同金66銀

先手は角銀交換で後手の飛を攻めます。76飛77金74飛75歩64飛56桂

後手にも54桂があり、64角同歩74歩同金71飛

この辺り、評価値は+100ほどの攻防が続きます。52角75銀同金73飛成81飛75竜74銀

ここまで進んでも評価値は+87、何とか先手ペースですが、難しい攻防です。

また戻って

ここからAIに聞くと、72金ではなくて42玉だと。65桂に32玉

先に玉を移動すると、33桂42玉よりも後手玉が深いです。55角72金46角打75飛

同じ手順の攻防ですが (先手は46角打ではなくて95角ともできるが、後手が75飛で55角を取る変化が出てくる) 、73歩成同桂同桂成同銀同角成同金66銀

ここでは78飛成同銀72飛で良いらしくて

評価値は-107で、後手ペースというよりまだ互角の範囲でしょうけど、評価値はマイナスになりました。後手が最善を尽くせばつぶれないわけですが、リスクを取り過ぎているかなあ、という気はします。

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