名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS4-1 ノーマル中飛車に右46銀急戦(6)

2024-09-13 | 基本定跡の研究

昨日うまくいった42金ですが

実は37桂ではなくて、すぐに35歩と攻めるのが成立しているのです。45歩の反発に

33角成同桂55銀

後手は2筋を守らなければならないのです。54歩66銀64角には55歩

55同歩65銀53角34歩同銀24歩

こんな形になれば先手良し。評価値は+218です。

後手が64角を打たずに32金と守れば

24歩同歩34歩同銀24飛

23銀には44飛とまわって、そのうち飛をぶつけて交換になるでしょう。玉の堅い先手有利です。23金は仕方がないのですが、28飛25歩

見た目は先手の作戦勝ちです。この後の指し方が思い浮かびにくいですが、AIに聞くと、77桂43銀86角

64角同角同歩の形にして、38飛34歩31角

63銀に75銀で

評価値は+382の先手有利。うまく攻めるものですね。

この場合は角交換を33同桂と取ると、42金としているのが1手損になってまずいのでした。

ならば33角成を同金と取るのはどうか。

45銀35歩66角

44歩には34歩があるので45銀は死にません。ここで64角には46歩を突くのが良い手で、同角18飛

44歩34歩同金 (34同銀44金同金同角でも同じこと) 同銀同銀44角

27銀48飛19角成

11角成に45香で悪いようですが

45同飛同銀43金

51飛には42金なので、62飛と逃げて53金32飛44歩

この図の評価値は+292の先手良しです。飛銀と金香の交換はかなりの駒損なのですが、後手は27銀45銀に働きがありません。

というところで、右46銀の急戦を終わりますが、先手はまあまあうまく攻めることができるのです。とはいえ難しい変化もあり、後手は互角で戦えると思うかもしれません。

 

 

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SS4-1 ノーマル中飛車に右46銀急戦(5)

2024-09-12 | 基本定跡の研究

32金の代わりに42金とする形があります。

私が大学生のころ、中飛車を指す先輩がこれを愛用していましたっけ。懐かしいです。37桂54歩16歩64歩68金上

先手は金無双に構えてみます。後手は32金~42金としていないので1手得 (というか手損していないというか) しています。53金26飛32飛

53金32飛の形で右46銀急戦を迎え撃つのが後手のベストです。実は金無双ではなくてエルモ囲いの右46銀にも最善の構えであり、四間飛車、三間飛車でも共通しています。場合によっては玉の囲いよりも優先すべきです。

さて35歩の攻めに42角でも悪くはないのですが(細かいけれど36飛35歩同銀34歩に26銀の可能性がある)、35同歩同銀51角

先手は右桂を跳ねているので、36歩34歩24歩35歩23歩成34飛

という形に自信がありません。この図の評価値は-91です。以下を追えば、35歩同飛36歩34飛22歩25歩

25同桂37銀29飛36飛21歩成38銀成69飛55歩

この図の評価値は-75、変わらず後手のほうが指しやすそうです。

ということで

ここでは36歩ではなくて36飛、34歩46銀ということになります。

この図の評価値は0近辺の互角です。55歩同歩同銀は35歩なので先手は動きにくい。失敗でしょう。

ということで

ここで53金とされたら、57銀63金46歩22飛

45歩急戦に切り替える方が優るのでしょうけど、ここでも後手が1手早いので63金の形だから仕掛けにくいです。45歩同歩同桂88角成同玉44銀46歩

この図の評価値は+76ですが、先手の攻めがうまくいっているという感じはありません。後手からは55歩同歩37角29飛56歩同銀46角成という攻め筋もありますし。

 

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SS4-1 ノーマル中飛車に右46銀急戦(4)

2024-09-11 | 基本定跡の研究

この頃になって、AIが考えたのでしょうが、

68金上とする、金無双が対抗型でも指されるようになりました。定跡本としては知らないのですが、この右46銀戦法とは合っているようです。42金16歩64歩26飛

ここで45歩と突かれても、同桂88角成同銀。王手飛車の筋がないです。68銀~77角とするよりも1手早く仕掛けることができます。53金35歩32飛

34歩同銀36飛51角45桂

53金の形が悪く、桂を捨てる攻めが成立します。45同歩に同銀。取れないので43銀ですが

32飛成同銀31飛43銀11角成

この図の評価値は+402の先手有利です。

戻って

43金と受けると33歩

33同桂でも62飛でも53桂成同金34飛です。52飛が最善ですが、それでも53桂成同飛32歩成

とすれば桂香を取れます。この図の評価値は+248の先手良し。

途中後手の51角がまずかったので

36飛には42角

角は42に引いておけば、飛交換に強いです。先手は34歩同銀35歩43銀55歩

3筋を押さえてから、5筋の歩を交換します。55同歩同銀54歩46銀74歩くらいの時に、24歩同歩22歩

22同飛に34歩32飛35銀

これで46歩~45歩を見ます。後手としては55歩同角54金77角55歩

金を使って角筋を止めるのですが、46歩51角56歩同歩45歩

62角44歩同銀同銀同金54歩

53銀を見て先手良し。評価値は+200です。43歩53銀84角・・・まだ大変ですが。

金無双は左銀を使えないから進展性が悪いのですが、(昔、芹沢先生が飛落ち右四間で金無双は筋が悪いと言っていました) 、この場合は角交換の筋に対応できるので攻めやすくなっているようです。

 

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SS4-1 ノーマル中飛車に右46銀急戦(3)

2024-09-10 | 基本定跡の研究

後手はただ待っているだけではだめなので

左金を寄せて玉を固めてみましょう。29飛64歩35歩

(29飛ではなくて、16歩~77角~26飛~35歩と攻めてもまあまあ戦えます。) AIに聞いてみると、こんな形での仕掛けがあると。35歩同歩同銀34歩24歩

35歩23歩成15角38歩36歩16歩

角は殺しました。42金の形が災いしています。37歩成15歩38と25飛36歩33歩

あとは互いに と金で攻め合います。34銀24飛43金32歩成37歩成66角

この図の評価値は+125でなんとか先手ペース。

戻って

35同歩と取らないで53金と待たれたら、34歩同銀35歩43銀26飛

32飛36飛51角55歩

55同歩同銀62角に26飛

これは22飛と受けるしかなく、46歩54歩66銀

63金57銀引33歩56銀74歩

後手の33歩は屈服ですが、それ以外は互いに整った形です。評価値は+122で一応先手ペース。

最初に戻って

29飛に53金とすれば、先手は35歩からは攻めにくいわけですが、

57銀引64歩46歩

先手は45歩急戦に切り替えます。後手の受けの形はいくつかありますが、42飛45歩52銀

16歩43金24歩同歩44歩

44同金45歩で、45同金には33角成同桂24飛

この図の評価値は+300で先手有利。

ちょっと戻って

44同金45歩に43金と引いても、33角成同桂31角

この図の評価値は+391で先手有利。45歩と仕掛けてからは先手有利のようです。

また、42金~53金のルートがまずいと思えば、

29飛に41金16歩51金左

という固め方も考えられます。でも金の動きで3手損はひどいようで、35歩同歩26飛34銀55歩

こんな調子で攻めて、評価値は+247の先手良しです。

というように、従来の形でも右46銀の急戦は戦えます。

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来年1,2月の予定

2024-09-09 | 名将会

既報の通り、名南将棋同好会の会場である、南生涯学習センターが改修工事を行うことになり、10/14から1/12まで3か月の間使用できません。

10月に名南将棋大会は開催しませんが、来年1,2月の予約が (特別に) 今からできるので、開催予定を入れました。2月に壱の予定を1回分多く入れています。

 

第257回

壱  8月24日(土)R1800点以上;開催済み

弐  9月16日(月)R1800点以下

第258回

壱  9月22日(日)R1800点以上

弐  9月28日(土)R1800点以下

第259回

壱  1月19日(日)R1800点以上

弐  1月25日(土)R1800点以下

第260回

壱  2月9日(日)R1800点以上

弐  2月15日(土)R1800点以下

第261回

壱  2月23日(日)R1800点以上

という予定です。

 

次回の名南研究会は9月29日(日) 9:30から行います。研究会を10月に行うかどうかは未定です。

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SS4-1 ノーマル中飛車に右46銀急戦(2)

2024-09-09 | 基本定跡の研究

昨日の途中図で、先手が右46銀の急戦を明示したところです。

32金に35歩は無理でしたから、37桂と跳ねておきます。

後手の45歩に備えたわけですが、3筋から攻めるには準備が必要です。54歩68銀51飛16歩64歩77角74歩26飛

先手の77角は必要な手で、88角のままだと45歩を突かれて、王手飛車や銀を殺す筋にはまります。後手としては普通に待機しているわけですが、32金としているために後手玉を固められないのが不満です。35歩と攻められるので、42角35歩33金

左金を前に出して受けるというのが手筋です。24歩同歩34歩同金36飛

73桂88角65歩22歩

33桂21歩成同飛34飛同銀32金

両取りをかけて簡単なようですが、51金21金36歩

金得でも21金は使えません。37桂は取られるでしょう。それでも22飛37歩成44角

43銀には42飛成同金62角成

41飛の受けに34歩同銀75歩同歩37銀

必然というわけでもないのですが、まあまああり得る進行です。74歩を見て、この図の評価値は+562の先手有利。

後手玉が堅くない+先手は金銀4枚の舟囲いが堅い というのが背景にあり、先手は強引な攻め筋でも成立する可能性が高いのです。

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SS4-1 ノーマル中飛車に右46銀急戦(1)

2024-09-08 | 基本定跡の研究

第4章として中飛車編を始めます。

昔は当たり前だった角筋を止める中飛車は、すっかりゴキゲン中飛車のような角筋を止めない中飛車に変わってしまいました。(四間飛車では言うのに) ノーマル中飛車というのも聞きなれませんが、角筋を止める中飛車から。居飛車の急戦を調べていきます。

初手から76歩34歩26歩44歩48銀42銀56歩52飛

中飛車なので32銀でも42銀でも良いわけですが、54歩~53銀~64銀と使う手もあるので、42銀のほうが手広いです。また54歩を突く (のが常識だった) 前に52飛と振るのは、大昔の常識破りで、「英ちゃん流中飛車」という名前もついていました。山口英夫先生の工夫です(同年代に山口千嶺先生もいたので英ちゃんと呼ばれたのでしょう)。68玉62玉78玉72玉58金右43銀25歩33角36歩82玉96歩94歩57銀72銀46銀

右46銀の急戦はどうなるでしょうか。適当な定跡書が思い当たりませんが、32金と備えられて無理な急戦だと思われていたはずです。35歩に45歩

どちらが角を換えるかどうかで枝分かれします。45同銀88角成同銀35歩

この図の評価値は-30、互角ですが先手番の居飛車としては失敗でしょう。

戻って

33角成同桂55銀54歩66銀64角55歩35歩

この図の評価値は+10、これも互角だけれど面白くないです。

というように後手は32金と備えられるというのが中飛車の利点です。43銀の位置が52飛のツノだということで、片ツノ銀ということもあります。木村美濃で43銀63銀32金72金の形をツノ銀中飛車と呼びます。もちろん四間飛車でも32金とできるわけですが、中飛車のほうがその後で飛を活用しやすいです。

ところで

46銀に54歩というのもあるようです。35歩に45歩、33角成同桂57銀

64角37角同角成同桂64角27飛

後手はここまで利かしておいてから、32金と守ります。なお22飛には16角が好手で、後手は3筋を守れません。

32金24歩同歩34歩同銀24飛

23金34飛同金43角

22飛34角成28飛成33馬37角成95歩

飛と金銀の二枚替えになり、端を攻めて先手が指せるようです。評価値は+115しかないですが。

まあ先手はすぐに仕掛けなければ、後手は32金とすることになるでしょう。

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SS3 向い飛車のまとめ

2024-09-07 | まとめ

向かい飛車も終わっています。またインデックスのページを作ります。ご活用ください。最初のページのリンクの後は、次の記事をたどっていけばいいはずです。

SS3-1 向い飛車に急戦(1)

SS3-2 急戦向い飛車(1)

SS3-2 急戦向い飛車(6)

SS3-3 先手急戦向い飛車(1)

SS3-4 ダイレクト向い飛車(1)

SS3-4 ダイレクト向い飛車(25):対策

SS3-5 先手角道オープン向い飛車(1)

 

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SS2 三間飛車のまとめ

2024-09-07 | まとめ

三間飛車の所が終わりました。またインデックスのページを作ります。ご活用ください。最初のページのリンクの後は、次の記事をたどっていけばいいはずです。

SS2-1 三間飛車に45歩急戦(1)

SS2-2 三間飛車に45歩急戦の新研究(1)

SS2-3 先手三間飛車に65歩急戦(1)

SS2-4 先手三間飛車に3歩突き捨て急戦(1)

SS2-5 先手三間飛車に65歩急戦その2(1)

SS2-6 先手三間飛車に左64銀急戦(1)

SS2-7 後手石田流(1)

SS2-8 先手石田流 早石田(1)

SS2-9 升田式石田流(1)

SS2-10 先手石田流持久戦(1)

SS2-11 先手石田流に右四間飛車(1)

SS2-12 先手三間飛車に居飛車穴熊(1)

SS2-13 32飛戦法(1)

SS2-14 78飛戦法(1)

 

 

 

 

 

 

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SS2-14 78飛戦法(10)

2024-09-06 | 基本定跡の研究

先手が変化して、78飛34歩に68銀

84歩76歩85歩48玉

これでも88角成同飛45角の筋は大丈夫です。86歩同歩同飛に79金とすれば

昨日調べた形とは、38玉42玉が入っているかどうかの違いです。どうもそれは先手にとってのプラス材料のようで、87飛成22角成同銀88飛同竜同金

ほぼ同じ変化だとは思いますが、評価値は+84、後手としては (後手番だけど対振り飛車なので) 不満です。

戻って

後手に有力な手が少ないです。87飛成でなければ82飛くらいです。84歩は取られて先手の失敗、83歩はまあまあですが、AIによると、単に22角成同銀65角が良いようで

42玉83歩62飛88飛

この図の評価値は+77、まだ互角の範囲ですが、後手としては面白くありません。ここでも後手は8筋の歩を交換しないでゆっくり指すのが無難な作戦です。

あとは後手が相振り飛車を選ぶのもあります。でもまあ「基本戦法」とも言いにくいので、相振り飛車は取り上げません。

2手目32飛戦法はだめでしたが、初手78飛戦法はまあまあ互角で戦えそうです。ということで三間飛車はここまで。

 

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