先日このブログで個別握手の話を書きました。握手会をするのであれば、ファンに来て良かったと思いながら帰ってもらえるような対応をすべきと書きました。そして、去年からハロプロは握手商法から離れた売り方をしてほしいとも書いています。
今の女性アイドルのほぼ全てがCDに握手会参加券をセットにして売っています。そうしないとCD不況な今売れないのだと理解していますが、その結果実際のファンの数の数倍の枚数を売り上げている今の女性アイドル界。それがアイドル達の心身を削った結果の数字である事である事は知られておくべき事実です。握手会を増やして売上をどんどん上積みしていく事を「ドーピング」とヲタは表現しますが、まさに記録のためなら体を壊してでもドーピングするという姿勢の如く、握手会を増やして売上を増やしていく女性アイドル達の多い現状。
ももいろクローバーの早見あかりちゃんがグループから脱退する事を発表しました。発表の場をイベントにして、直接ファンの前で発表するという事は非常に勇気のいる事だったと思います。まずは芸能ニュースサイトに書かれてある脱退のニュースをお読みください。
http://www.oricon.co.jp/news/confidence/83918/full/
「ここに居場所がない」、「自分はアイドルに向いていない」、それを自問自答して辞める決意をする。言葉でこう書くのは簡単ですが、本人を苦しめていた様々な事は、数行の文章では表現出来ないものかもしれません。
この発表を知ってからネット上でファンの意見を色々読んでまいりました。目を通した意見はファン全員の意見の中のほんの僅かなものである訳ですが、それでも様々な意見がありました。そして、この脱退を快く思っていない人が少なくないのではとも感じました。
これからという時に辞めるなんて、それも自分本位な理由で。発表をそのまま受け止めれば、そういう意見が出てくるのも仕方がないとも思いますが、私はもう少し考えてみました。
ももクロは握手会で色々なサービスを提供しています。買った枚数でチェキ撮影というものもあります。メンバーを指定してチェキ撮影を行えば、当然メンバー別の人気度は一目瞭然。更に個別握手会もあるそうです。また、あかりんの握手対応は他のメンバーと比べるとクールだという話もありました。(私が見た握手会では、そんなにクールとも思えなかったですが)
握手会での人気がアイドルとしての存在価値を決めるバロメーターになる訳もなく、スタッフも本人達も頭ではそうわかってはいると思うのですが、やはり人気格差というのは本人が一番辛いのだなと改めて思います。あくまで「握手会での人気」でしかない、現場には行かないファンだっているのだと説いても、目に見えるものは現実として重くのしかかってくる。「アイドルという職業で働くプロである以上、それも受け止めなくてはいけない」とは言うものの、イベントの開催数が多いももクロ、週末になる度に辛い現実を見せられて耐え続けるのはかなり酷であったかもしれません。
まだ15歳(高校一年)。自分を引き立て役に追い込まなくても、自分のための未来を選んでほしい。私はそう思うのです。
ももクロに興味を持って見始めてから、あかりんにあの人の面影をずっとダブらせてきました。元℃-uteの梅田えりかさん。美人で長身だがアイドル的な人気は今ひとつ。ちょっと周りとはキャラも違う。
梅さんは自らが輝ける場所を考えてモデルの道に進みましたが、あかりんも自分が輝ける場所を見つけて輝いてほしい。ももいろクローバーというグループの魅力の一つとして、いい意味でアイドルらしくない風貌のあかりんが居て、そんなあかりんも一緒にハチャメチャな歌を歌ったり、太い声でラップを披露したりする面白さがありました。そんな重要なポジションのメンバーが自らの意思で辞めていくなんて認めたくはないファン心理は私もわかります。私もそう思います。でも、この問題は早見あかりとももいろクローバーだけの問題ではなく、今の女性アイドル界に潜む落とし穴がそうさせたのだと思うと、私は「あかりん辞めないで」と小さな声では呟けても、大きな声では叫べません。
色々と運営に問題があると言われてきたももいろクローバーの関係者だけの問題でもなく、今こうしている間にも傷つき悩みながら、アイドルを続けていく事に疑問を持ち続けているアイドルが他にもいるかもしれない事に、関係者もファンも気づく時かもしれません。
PS 歌詞に名前が入っている「行くぜっ!怪盗少女」、「ピンキージョーンズ」は四月からどうなるのでしょうか?怪盗少女のラップは「れにかなこアンドしおりあやかももか」?、PJの「あかり照らせ」は「ひかり照らせ」とかになるんでしょうか?
行くぜっ!怪盗少女