プロ野球は今交流戦というのをやっています。普段は試合をしないパリーグとセリーグのチームが対戦するものです。
この交流戦が毎回のようにパリーグのチームの方が結果が良い。昨年は上位がパリーグによって独占されたりもしましたが、今年もいくつものパリーグチームが上位に来ています。実力による結果という事なのでしょうか。
「人気のセ 実力のパ」という言葉が昔からプロ野球界には存在します。人気はないがパリーグは強いという事から来ている訳ですが、何故実力があり強い側が人気にならなかったのか?
プロ野球の歴史を調べていくと、家庭にテレビが普及し始めた1960年代後半からセリーグの人気がパリーグを圧倒的に凌駕し始めている事がわかります。この時期は読売ジャイアンツが9年連続日本一を達成、ジャイアンツの親会社は新聞社であり、その会社の系列にはテレビ局がある。連日、新聞でジャイアンツの活躍を伝え、テレビではジャイアンツの試合を毎試合放映する。こうしてホームである東京のみならず全国にジャイアンツファンが増えていった。そして、そんなジャイアンツと対戦出来るセリーグの各チームの人気も上がっていった。
昭和30年代までは関西に於いて阪神タイガースと互角かそれ以上の人気を誇った南海ホークスが、テレビの普及とともに不人気チームへと転落していきます。テレビに映らないパリーグは存在そのものを否定されているかの如く、マスコミからも距離を置かれていくのでした。
1970年代の観客数を見てみるとパリーグはセリーグの1/3程度。実際に来ている観客は三桁の試合もあったと言いますから、実数ではもっと差を付けられていた事かと思われます。
そんなパリーグが1990年代にじわじわと人気を上げてきた。話題の新人がパリーグに入団したり、実力の伴った若手選手が話題になりマスコミに取り上げられるようになり、それまでの状況とは大きく変わってきたのです。
そして今世紀に入り、北海道や東北にパリーグのチームが誕生、それらのチームに実力と話題性を兼ね備えた選手が入り、人気と実力を備えたリーグへと変貌を遂げていくのでした。
なんで突然プロ野球の話を書いたか?ここまで読んでいただいた方はもう理解していただけているかと思います。「テレビに映らない」という事を人気低迷の言い訳にしてはいけない。そういう事です。
テレビに映る側より実力がある。だけれどマスコミが後ろに付いていないからテレビに出る機会が少ない。でも、そんな状況でも逆転は出来る。既に時代はテレビ絶対主義でもなくなりつつあり、各家庭がテレビを見ている割合は一昔前までより少なくなっていると言います。
テレビやマスコミを上手く味方に付けられないなら、付けられないなりに逆転の方法はある筈。本質や姿勢、方法など、ヒントは違うジャンルにもアリアリなのです。