つんくPは誠実な人だなと感じる瞬間がある。今回のTwitterの件でも改めてそう感じたのでありました。
有名人が一人のヲタに返信を書くという事は、少なくともそのヲタのツイートを読んだという訳で、いちいち全てのヲタの意見はさすがに読んでいないかもしれないけれど、ヲタの意見に無関心という訳でもないのだから、これは立派な態度だなと感じるのだけれど、時には「そんな意見はほっといても良いのでは?」と思わずにはいられない時もある。しかし、それでもそんなヲタの疑問に返答するという事は、その質問にそれなりの意味を感じたのかもしれない。
12期オーディションを開催するくらいなら、なぜ今までカリンちゃんをモーニング娘。に加入させなかったのか?加入させていればグループが抱える歌唱力の問題が解決していたのでは?というヲタの質問に、「そうしたら、Juice=Juiceが作れなくなるやん」と返したつんくPの返答は、短い言葉に色んな意味が込められているように思いました。
スポーツチームは上手い人をただ集めれば強くなるような単純な話ではなく、チームとして機能するための連動感や一体感が生まれる組織でなくてはいけません。アイドルグループも同じで、ただ可愛い子や出来る子を集めれば良いというものではありません。様々なタイプの子を巧く当てはめて一つの完成体を作らなくてはいけない。モーニング娘。のように常に新しい力を迎え入れて、その変化をグループのパワーに変えていくようなグループならば尚更です。
私もカリンちゃんは何故モーニング娘。に選ばれないのか?という疑問を持った事はありました。しかし、コピンクとしての活動などを通して、この子は自らの輝ける形を既存のものに当てはめていくより、新たな場所を用意してあげてこそ良さが活きる、真っ白なキャンバスを用意してあげてこそ輝ける子なのではないか?と思い始めました。これは言い換えればソロでも行けるという意味でもあります。
一時期、真野ちゃんをモーニング娘。に加入させてはどうか?という意見を見かけた事があるけれど、これを読んだ時に感じた違和感そのものが、カリンちゃんのモーニング娘。加入希望の意見に対する違和感と似ていると今は思います。
カリンちゃんという素材を生かすために、新たな場所が必要だった。そして、その場所で一緒に輝いていける仲間も用意しなくてはいけなかった。モーニング娘。オーディションを重ねる毎に、落選組の中から有望な素材をハロプロ研修生として迎え入れて、月日とともに足固めをしてきた。ハロプロエッグが未来のアイドルを育てる事に一定の成果を上げたように、ハロプロ研修生制度もきちんと役目を果たしている。ユースが強いJリーグクラブの如く。
12期オーディションで楽しみなのはどんな子がモーニング娘。に選ばれるかだけでなく、どんな卵を事務所は研修生として迎えるかにもあります。アイドル育成のプロが見極め、育てる好素材、そういう人材の動きが組織に活気を生む事は確かです。