私の手元にはベイビーレイズのベイビーレイズというCDがある。人から戴いたものなのだけれど、カップリング曲も含めて楽しく聴かせてもらっている。
「ベイビーレイズ負けるな」というフレーズが耳に残るこの曲は、歌詞の通りに自分達が自分達を鼓舞している曲でもあって、その適度な力み具合がリアルな新人っぽさを演出していて、女優やモデルを手がける大手事務所にしては泥臭いなと思ってきた。戦略的にも、頻繁に握手会や小さなイベントを行い、いかにも地下的な「今会えるアイドル」感を前面に押し出しているように見えた。テレビに出られるアイドルの枠を一つのプロジェクトが独占に近い状態で握っているから、最近の大手事務所の新人は地下的な活動から始める事は珍しくない。スターダストが成功例を作ったし、そのスターダスト自身がその後の新人グループ達をそのやり方を継続させて売っている。
そうして、ベイビーレイズの新人時代は今終わりを迎えようとしている。次なるステップに行くために、やはり大手事務所ならではの武器であるメディア戦略に打って出た。それは勿論正攻法なのであって、非難される類のものではない。
ところが、ベイビーレイズはまだコアを沢山産みきれていなかった。地下的な場所から照明の当たる場所に移っても、変わらずに前面に立ってくれるコアが多く存在していれば祭りの輪は広がった時に道標になる。人間は楽しいと思えそうな場所に集まってくるからだ。
ベイビーレイズが事務所の力を以てして話題に乗り、テレビにも出るのは大手事務所所属としての当然の権利なのかもしれないけれど、果たして志通りに行かなかったとして、帰る場所はちゃんとあるのだろうか?メンバーはどんなに大きな場所で歌う事になろうとも、これまで一緒に走ってきたファンへの感謝の気持ちは変わらないと力強く宣言した。これは良い言葉。
でも、本当に難しいのは逆の方であって、ファンのアイドルへの気持ちが変わらない事。祭に担ぎ上げられたアイドルを、そこまで見てきたコアは変わらぬ想いで見続けているかどうか。ファン層が広がる事に嫌気が差して離れずに、いつまでも道標になっていてくれるコアがいればいるほど、帰る場所は崩れずに存在出来る。
それはベイビーレイズに限った話ではなくて、ライトに広げていく上でのコアの存在と依存度という永遠のテーマでもある。メジャーはそういうジレンマと戦いながらメジャーになっている。負けなかったのだ。
ベイビーレイズ / ベイビーレイズ
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