2013年はNHK朝のドラマ「あまちゃん」が話題になった年として、多くの人に記憶されそうなくらいに大人気であります。題材がアイドルとあって、アイドルヲタにも注目されており、前回の記事で取り上げたベイビーレイズが劇中歌を(影武者としてだけど)歌っていたり、47都道府県の地方アイドルと連動企画をやったりとヲタも目が離せない話題が色々です。
個人的にはこのドラマが注目される事で昔のアイドル音楽が注目されたらいいなと思っていましたが、'80年代の曲を集めたオムニバス盤も出ています。
春子の部屋~あまちゃん 80's HITS~ソニーミュージック編
春子の部屋~あまちゃん 80's HITS~ビクター編
ご存知のように今はCDが売れない時代で、外国の場合は音楽を楽しむツールが配信に移行した結果だと説明がつくのですが、日本の場合は音楽離れが起きているのも原因と言われています。そういった状況の中、CDの総売り上げの中でアイドルの占める割合が異様に大きくなり、それはアイドル音楽を愛好する人が増えたとは一概には言い切れず、付加価値によって売上を維持した結果に生まれた数字であると言ったほうが良い状況。
アイドルが付加価値抜きではCDを売り上げていくのが困難なのも、やはり昨今の音楽離れが影響しているのかもしれません。ヲタでさえも音楽は二の次になっているという時代。作り手はどんな想いでこの状況を見つめているのでしょうか。
そんな時代にあっても、アイドルで良い音楽を作っていこう!と頑張っているクリエイターはまだまだいる訳で、楽曲の良さが直接的に売上に結びつかないとしても、楽曲から入ってきてファンになる人もきっといるに違いない!と頑張っているのです。
良い楽曲をマイナーなアイドルが歌い、それが少しでも人気につながり、ファンの記憶にも残っていったら良いなと思う今日この頃です。
さて、ブームというものは相乗効果を生む事が常で、今のアイドルブームも48系に引っ張られるようにいろんなグループが生まれて、活動規模の大小に関わらず存続出来る時代であり、それはブームの恩恵だなと感じます。でも、48系が作り出した相乗効果って、「人数や回数をかけて接触イベントをこなす事でCDの売上を実人気以上に上げる事が出来る」というノウハウがメジャーにも地下にも広まったのが一番大きく感じます。ヲタ100人いればCDを10,000枚売る事が出来る時代になった。これは48系の功績と言って良いと思います(運営側からみた意味で)。
で、そのCDってどうなってしまうのか?人気の48系でさえリサイクルショップで105円で投売りされている時代に、マイナーグループの大人買いされたCDはどうなってしまうのか。
アイドルというジャンルは昔からたくさんの人がデビューしていて、マイナーなアイドルもたくさんいた。そういう人達は人気相応の売上しか残せず、世間に流通せずに消えていった。女性アイドルというジャンルは旬は短いので、押しては引いていく波のように次々と色んなアイドルがデビューしていった。
今も形は違えど、人が激しく移動していく事は変わらないけれど、その流れが変わった。昨今はグループの看板は維持して、その中で激しくメンバーチェンジが行なわれていくというケースが増えた。地下だと毎週のようにどかで誰かが辞めて、どこかに誰かが加入してくる。記録に残るような活動(ヒット)はなく、記憶に残すのも大変なほど目まぐるしく変動していく人の多い今のアイドル市場に於いて、「個」が残していけるものって何だろうと考えてしまいます。
あまちゃんの企画CDみたく30年後も残る曲とまでは言わない。10年後、5年後、いや、3年後も残るような音楽活動を、一人でも多くのアイドルが出来る事を願ってやみません。