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松井珠理奈とナゴヤとトーキョーと

2013-09-21 12:09:36 | アイドル etc

 栄にある劇場の入っているビルの中にあるオフィシャルショップには行った事があるけれど、公演自体は観た事が無い自分にとって唯一のSKE48体験が、三年前に渋谷公会堂で行われたアイドルユニットサマーフェスティバル2010。ももいろクローバー、bump.y、スマイレージとの合同コンサートでした。
 牧野アンナ先生の指導によるキビキビとしたダンスの評判は聞いていたし、曲の傾向もAKBよりポップで好みだったので、そのステージには注目して臨んだ。
 他のグループは多すぎない適正人数だったので一人一人をよく見る事が出来たし、ステージそのものが見やすかったのに対して、SKEは人数が多いので(それでもここにいるのは選抜されたメンバーだけだけれど)、どこを見ていいのやら、俯瞰で楽しむしかないかなと思い始めた時に一人のメンバーの姿が目につき始めた。決して大きくはなく、むしろ華奢にも見える風体ながら、芯の通った動きを見せながら踊るその姿は、これだけ大人数がいる中でもキラリと輝いていた。要するに大人数に埋没せず目立つ光を放っていたのだ。その人の顔を見たら知っているメンバーだった。「松井珠理奈」。

SKE48 - ごめんね、SUMMER


 たとえば、モーニング娘。がLOVEマシーンで、グループが大変化した事をアピールするために新人の後藤真希を真ん中に持ってきたように、AKB48は大声ダイヤモンドでSKEの新人松井珠理奈を前面に押し出した。それが各方面で反発につながったりもあったかもしれないけれど、SKEのステージを初めて観た時に私には、その抜擢の意味はよくわかった。そういう事をプロデュース側がやりたくなる新人は滅多に現れない。モーニング娘。の長い歴史の中でだって、後藤真希さんと鞘師里保ちゃんくらいしかいない。

 そういう存在は狙って獲得出来るものではないし、狙って無理矢理仕立て上げてもどこかでボロが出る。ずっと真ん中で輝き続けられる才能は稀有な存在であるからこそ、それを手に入れたグループは幸運でもある。
 しかし、SKEはあくまで支店であるという弱い立場でもあった。残念ながら松井珠理奈という才能はSKEが羽ばたくためだけに生かされるのではなく、本店であるAKBのためにも利用されていく。彼女にとってのスタートがそうであったように。
 実は渋谷公会堂のコンサートの頃からSKEの人気は急上昇していくのだけれど、それにつれてメンバーの知名度も上がっていく。いい感じでグループは勢いをつけていき、そして今に至る。いつかナゴヤドームで単独公演をしていくためには、グループにとって顔ともいえる絶対エースが必要で、それだけの規模ともなればそのエースは一人でなく、グループ内にライバルがいると尚良い。

 グループが誇る稀有な才能が、その輝き故に東京に翻弄される様は、他チームで活躍した選手が東京の人気チームに引っ張られるプロ野球を思い起こさせる構造で、48系に対して第三者であっても、どこかやりきれなく思えてしまう。そもそも、本店だ支店だというシステム自体がフランチャイズ制そのもので、プロ野球が地元の事を「フランチャイズ」と呼ぶ事にも通ずるなと思い出した。


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