(前回の続きです)
日本武道館は大きい。観客の声がひとつになると、とてつもなくパワフルな音波となって天井に反響する。久しぶりに聴いた「ジリリキテル」はイントロでのヲタの大音量の声援に自然と拳が天に上がっていった。ジリリと来ているのは心だけではない。拳も焦がれている。
観客のヒートアップがかなりの高さになった頃、次なる盛り上がり場所がやってきた。ゲストの℃-uteの登場だ。九月に℃-uteが武道館公演をした時にBerryz工房がゲストで来ているから、Berryz工房の方にも℃-uteが来ることは予想の範疇だった。みんなで懐かしいキッズ時代の写真(初めて衣装合わせをした時の一人ずつの写真)を見ながら成長した今を笑いながら噛みしめる企画も予想出来た。そこでキャプテンや梨沙子の昔と今を、イジられるのもわかる。しかし、歌は予想と違った。
「超HAPPY SONG」かな?と思っていた私の耳に飛び込んできたのは、十年前にハロプロキッズの子達が初めてレコーディングに参加した曲である「がんばっちゃえ!」。
「毎日過ごす時間は早いもんだね 少しずつ大人になって寂しさを知った」
「いろんな失敗を繰り返して先を目指した 夢いっぱいの計画たててまっしぐらに向かって行った」
十年前の歌詞がまるで予言書の様に、その後リアルタイムでキッズメンバーとリンクしていったのだと振り返る。あの頃、あどけない少女たちだったメンバーは立派にアイドルをやっている。そして、こんな大きな舞台で大勢の観客を楽しませている頼もしき存在になりました。私は十年前に向かってエールを叫んだ。
12人による素晴らしい歌とダンスがステージと花道を使って披露されたあと、ステージに残った℃-uteが「愛ってもっと斬新」を歌う。カッコイイし、キビキビとした動き。Berryz工房と℃-ute。これだけ個性が違うグループが2つ生まれた事がハロプロキッズの凄さ素晴らしさだなと思いながら五人の姿を見つめる。
この日の事を綴った矢島舞美さんブログ
http://gree.jp/c_ute/blog/entry/675631317
℃-uteのステージングに大きな拍手が贈られ、続いて出てきたのはハロプロ研修生。遠くスタンドから観ているだけでも、その初々しさは動きから伝わってくるのだけれど、歌が始まるとさすがハロプロの子達だと思える安定感。この子達も大いなる可能性を秘めているかもしれないのだなと頼もしい気持ちでステージを見守るのでした。
歌が終わると、ステージに見慣れないメンバーが混ざっている事に気づいた研修生たち。他の研修生と同じように正面に苗字の書かれた黄色いシャツを着た大きな研修生の子が数名。そして、自己紹介。
「ちなちな」と「すどすど」が研修生と問答を展開する。こういうプチ寸劇も出来るのがBerryz工房の強み。しかも面白い。場内を笑いに包みながら、大きな研修生Berryz工房と正真正銘の研修生との楽しきやりとりはステージに爽やかな彩りを添えるのでした。
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