三回に亘りアイドルユニットサマーフェスティバルのレポートをお届けいたしました。記事に対するアクセスも平日ながらアクセス数も週末並みと、アイドルヲタの関心も高い事がわかりました。そのアイドルフェスティバルは観に行った人はだいたい感じていたと思いますが、四組のパフォーマンスを見比べて「ハロプロって何だかんだ言ってスゴいな」と思わされました。
自分はSKEに対して敵意など無いし、むしろ楽しみでありました。スマイレージやももいろクローバーは生で何度も観ているのである程度のレベルがわかるのに対して、SKEは映像でしか知らない。AKBよりパフォーマンス力が高いという話も聞きますから、非常に楽しみでした。一番観たかったのはSKE48と言ってもいいくらいです。
しかし、結果は「悪くはないんだけど、正直こんなものか」という思いでした。ネット上で今回の事をプロレスに例えている意見を見ましたが、自分もプロレスに例えてみましょう。
現在大人気を誇る秋葉原女子プロレスはファンから「面白く強い」と高い評価を受けていた。しかし、先日日本武道館で行われたハロー!女子プロレス(略称ハロプロ)とのタッグマッチで、ハロプロの主力であるチームモーニング娘。に主力が技や強さで圧倒された。
秋プロファンは「強さを求めるなら、主力よりもチーム栄の方が上。彼女達は観客を沸かせる面白さはまだまだかもしれないが、強さではハロプロより上かもしれない。少なくとも若手には負けないだろう」。
そして行われた四団体対抗戦。チーム栄は確かになかなか強かった。しかしまだお客さんを沸かせる巧さに欠け、他団体のファンを引き込むには力不足。そして試合の勝敗でも、ハロプロの若手であるチームスマイレージ、スターダスト女子プロレスのチームももクロに完敗。
こんな感じでしょうか。
SKEがももクロはともかく、スマイレージに勝てなかったのは「お客さんを自分達の懐に持ってくるテクニック」にあると思います。彼女達は与えられた演目を上手くこなす事しか頭になかったのではないか? それに対してスマイレージは、多少のパフォーマンスのブレはドンマイでガンガンお客さんを楽しませ、自分も楽しもうという姿勢であったように思います。ももクロちゃんもそういうスタンスだったし、bump.yもお客さんを意識したパフォーマンスでした。
ステージをきちんとこなす事は大事かもしれない。しかしコンサートは発表会ではない。お客さんを楽しませる事が一番大切なのです。他のグループのダンスレベルなどを意識するあまり、気持ちが自分達のパフォーマンスの出来にばかり向いていたのではないだろうか?自分はそんなSKEを観ながら、あるグループの事を思い出すのでした。ここでようやくタイトル通り℃-uteの話です。
今はお互いが人気が下降線とか言われているため一時期ほど比較論が語られなくなりましたが、以前はBerryz工房と℃-uteを比較して熱い議論が、ネットで、コンサート後の居酒屋(苦笑)で、ヲタカラしているカラオケ屋(苦笑)で語られたものでした。
Berryz工房を擁護する者がよく言ってきたのが、「℃-uteの方がパフォーマンスレベルは高いかもしれないが、℃-uteには面白みがない」という意見。何でもアリな幅広さを見せるBerryz工房は確かに歌はアレだし、ダンスはまあまあかもしれないが体力がないメンバーが多い。それに対して℃-uteは歌えるメンバーがいてダンスも揃っているし体力もある。でも優等生過ぎてツマラナイ。そういう意見を今まで何度も見てきました。
いやちょっと待て、℃-uteだってキャラ付けがあって面白いじゃないか。テンション上げ子なんてなかなかだ。でも確かに主力メンバーが生真面目な事で、Berryz工房みたいな何でもやっちゃいます的なフレキシブルさは足りない気はします。
そういう意味では℃-uteヲタは「スキル」だとか「レベル」というものに救いを求めてきた節がある。自分だってそうです。℃-uteツアーのセットリストから寸劇やコントが消えたら、それは素晴らしい演出だと喜び、ダンス力を発揮する激しいナンバーがたくさんセットリストに並べば、こんなセットリストが出来るのはハロプロ、いや今の女性アイドルでは℃-uteだけだと絶賛してきた。
一種の思い上がり。つまりヲタの思い上がりかもしれません。
℃-ute「Danceでバコーン!」ビデオクリップ
このブログで少し前に書いたように、自分は℃-uteヲタとして新曲「Danceでバコーン!」は否定的に見てきました。℃-uteの良さ、例えば爽やかでカッコ可愛い。その良さを打ち消すような曲ではないか?自分達の良さをシングル曲で前面に出さないでどうする?これはプロレスに例えるなら、格闘技路線で出来る強さを持ったレスラーが覆面を被って笑いをとる試合をしている。そんなイメージでした。
しかし、メンバーのインタビューの言葉を先日読んでいて自分の見方が狭かった事に気付かされました。iPhoneアプリにあるメンバーのコメント。各メンバーが「今までの℃-uteにはない曲」と答え、新しい挑戦に意欲的に取り組んだ事を述べています。そして、その中でなっきぃが「ついに来たー!と思った」と、その新しい挑戦を前向きに表現していた事に、メンバーはむしろ今までの路線から外れる事は上等であり、それが今までの自分達のやってきた事から比較すれば奇をてらったかのようにこちらには映っていても、それを楽しみながら挑戦出来る余裕があった事に気づかされたのです。
ただ上手いだけではダメ。その上手いというパフォーマンスを誇示しているだけではダメ。見る側に何かしらの印象を残せなくては、いくら上手くても表現者としては未熟なのです。そのためには、演者がまず楽しみ、その楽しさを観ている人に伝えていく。プロなのだから、ただ見せるだけではなく、伝えていかなくてはいけない。
勿論、今までの℃-uteも見る側に何かを投げてきたし、我々もそれを受け止めてきた。℃-uteヲタはそれを体験してきているから、「℃-uteは面白みがない」と言われれば反論してきた。
でも、改めて今回の新曲のPVを見て、まだまだ℃-uteには表現出来る世界があるのではないか?まだ眠っている才能があるのではないかと思うのでした。℃-uteを自分達がイメージする枠に閉じ込めるばかりではなく、色々な世界を表現させていく事は賛成。そして、そんな℃-uteも、スマイレージみたく外の世界でも競わせてほしい。他のアイドルと競い合わせてほしいと願います。
そんな感じでポジティブシンキングに切り換えたという話でした。でも、やっぱり衣装がイマイチなのと、お尻ダンスと、勝負パンツは無いよなあと思うのでした(苦笑)。
その部分以外は新しい℃-uteを感じさせる意欲作「Danceでバコーン!」。評価はどうされているのだろうか?答えは、前作より初動売上がニ千枚アップ。
初動が伸びたのなら俺からは何も言う事は有りません。
これが続くように努力して欲しい…それだけです。
紹介していただいた動画に「大きな愛でもてなして」がありました。すごくさびがかわいい。歌うみんなも超かわいい。でもでも、なんていうのでしょう。
「もっとかわゆくみせれるんじゃ・・・」
と、思ったのです。もし女子力強いアイドリング!!!ちゃん達なら、もっとハイパーにかわいらしくみせるのではないかと思ったのです。℃-uteちゃんは「ぶりっこ」がないというか「媚び」がないというか(そこは女子的には好感度高いのですが) 歌がうますぎるのかもしれません。もちろん、すごくかわゆいのですよ。「桜チラリ」の動画はすごくかわいらしくすごく自然で素敵でした。
プロデューサーさんの考えることはわかりませんが、℃-uteちゃん達が「アーティスト的だけどアイドルにしては遊びが少ない。かっこよさは残して遊び心を持たせたい」と感じていたなら今回の楽曲でそこを引き出したいと思ったのかもと、ちょっと感じました。
なんにせよどこにだしても恥ずかしくないアイドルさんという印象です。ハロプロ内だけでかくまってるのはずるいです(爆)たくさんのアイドルさんと競演したら・・・これはファンの方はたまらないのでしょうか。
ももクロちゃん、やっぱり夜勤が変われなくていけませんでしたー超残念です!
>きんやさん
自分も驚いたのですが売上が前作から上がりました。最近のハロプロは出せば前作割れが続いているので朗報ですね。正直言うと、今回は東京で握手会ないから売上は諦めていました。
スタッフはまだまだ℃-uteを諦めずプロモーションしてほしいです。
>あきさん
今回も鋭い指摘をいただきありがとうございます。
「大きな愛でもてなして」は早いものでもう四年前の曲になります。人気があるので未だにコンサートで歌い継がれていますが、実は本当はメインボーカルがもう一人いて、ちょっとした掛け合い的な形になるのが完成形なのです。貼った動画は一年前のものですが、やはり突き抜け感がもう一歩足りないのは自分も思いました。
「媚びがない」この事が℃-uteに女性ファンが増えた一因だろうなと自分も思います。ハロプロで初めて女性限定イベントを開催したほど女の子ファンが多いのです。
結局この二年半くらいはその女性人気を作り手が理解していないというか、うまく活かせなかったような気がします。現状を打破するために、他のアイドルとのコラボはいいと思います。実現希望。
ももクロちゃん、そうでしたか。だいじょうぶ。また近いうちに来てくれると思います。次のシングルはたくさんイベントをやるのではないかと思っています。