今回のTIFで最初に観たステージはLinQから観た。会場となるZepp ダイバーシティの前には長蛇の列が出来ていたのだけれど、残念ながらこれはLinQ目当ての人達ばかりではなく、午後に行われるSKE48を観るために早く会場に入っておこうという列である。
本来はこの手のフェスでは前方は今ステージにいる歌手のファンに譲るという風に、自然とポジションの入れ替えを観客が行なっていくものなのだけれど、こればっかりは仕方がない。
私のいた客席後方はLinQヲタが大勢いた。やはりというか前方はあまりLinQヲタがいないような感じに見受けられる。それでも、「いつも観ているステージ」よりも遥かに遠い距離感にも負けず、LinQヲタは声を振り絞り、緊張気味に見えるメンバーを鼓舞した。
「距離感」これは地方アイドルが持つテーマである。私のような関東在住の人間が感じる物理的な距離の遠さはともかく、地方アイドルは日頃は地元ファンにとって距離の近い存在だ。東京の大手事務所で活動するアイドルと違い、彼女達は町のイベントにも参加してくるし、地元で定期的に公演を行なってくれる。地方アイドルというムーブメントが出てきたのは地方在住アイドルヲタの想いの具現化されたものであり、それが生まれたのは時代の流れという事だ。
地方アイドルであっても大手アイドルに負けないクオリティを出す事が出来るようになったのも、地方アイドルが全国で活性化されてきた理由であり、それを維持するのが地方在住のクリエイター達である。LinQも有名アーティストとの仕事を出かけてきたクリエイターが運営に関わっている。アイドルは東京に居なくても作れる時代なのだ。
LinQ(祭りの夜) in博多どんたく 博多駅前
LinQの次に出てきたのは昨年のTIFで話題を集め、TIFは「見つける場所」である事をアイドルヲタに認識させてくれたドロシーリトルハッピー。
ドロシーは昨年とはまるで違う観客数を前にして歌い踊る。あくまで可愛く、あくまでしなやか。ドロシーの事務所がダンス能力を磨く事に力を入れているように思えるのはドロシーのダンスや所属の他グループ、あるいはOGのモーニング娘。メンバーを観ているとわかる。そこにあるのは地方だからという前置きのないステージングである。
そんな彼女達が地方である事をアピールしたのは、東日本大震災からの復興をテーマにした曲を歌った時である。LinQは「祭り」で福岡をアピールした。ドロシーはこの曲で宮城県に住むアイドルとしてのカタチを示した。
Dorothy Little Happy / Life goes on
地方アイドルの元祖とも言える存在は新潟で活動をしているキャリア9年アイドルNegiccoだ。
Negiccoはメンバーの放つ穏やかな雰囲気と、それに合わせたかのような現場の和やかな雰囲気が特徴だ。一日目のZeppダイバーシティのステージで、たくさんのお客さんの前で歌える喜びに涙を流したメンバー達は二日目はフジテレビ湾岸スタジオ内にある「DOLL FACTORY」という千人規模のライブハウスくらいの大きさのステージに登場した。
客席前方には勿論Negiccoヲタ。青いドレスに身を包み歌い踊るメンバーに温かい手拍子。その横や後方には次の出番である吉川友ヲタが立って一緒に応援している。
このライブでのラストナンバーとなったNegiccoの代表曲「圧倒的なスタイル」。この曲の大サビ前にはメンバーもヲタもラインダンスを行なう。このライブでもその瞬間がやってきた。メンバーが合図を出すのに合わせてNegiccoヲタは肩を組んでラインダンスの準備に入る。更に、周りの吉川友ヲタも自然と招かれて会場がラインダンス大会のようになっていった。
Negicco / 圧倒的なスタイル (LIVE)
アイドルの肩書きに大手所属だとか、地方で活動しているとか、そういうものは確かに存在している。でも、その肩書きがアイドルの魅力を判別するための物差しでは決してないし、応援をする人達にだって、そんな垣根などない。それが証明されるのもTIFなのだと思うのだ。
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