なつめ、つぼつぼ。

「お茶を気軽に楽しみたい」という仲間でお稽古をし、
お茶会を開いています。いつでも遊びに来てください。

初釜2024

2024年01月24日 | お茶会したり、旅行に行ったり。

1月21日は、初釜でした。

 

週間予報通り、朝から土砂降りの雨でしたが、

成穂会の日頃の行いのおかげか(笑)、集合時間には小降りになり、

午後からは雨もあがって薄日がさすほどに回復しました。

そのようにお足元の悪いなか、10人ほどのお客様をお迎えし、

今年の初釜を無事に終えることができました。

お運びいただいた皆さまには、あらためてありがとうございました。

 

毎年、さほど変わり映えしない私たちの初釜ですが、

今年は少し趣向を凝らし、話題の大河ドラマ「光る君へ」にあわせて、

『源氏物語』ゆかりのものをできるだけ集めてみました。

ご参加いただいた方にはお楽しみいただけたでしょうか。

 

待合のお床

掛物は「和敬清寂」黄梅院 小林太玄筆

お香合と扇子は、【第9帖「葵」の巻】の車争いから「御所車香合」と、

「姿絵扇子」です。

床のお花には、

【第32帖「梅枝」の巻】にちなんで、梅の枝をいけました。

 

そして本席。

掛物は「一期一会」黄梅院 小林太玄筆

お香合は「貝合せ香合」鈴木龍虎堂作

古袱紗の文様「青海波(せいがいは)」は、

【第7帖「紅葉賀(もみじのが)」の巻】で、

光源氏が頭中将と『青海波』を舞う姿が描かれています。

 

 

広沢写しの茶入れは、【第4帖「夕顔」の巻】に関係したものとして、

Y先生に教えていただいたエピソードにちなみました。

京都の広沢池は昔から月を愛でる名所として知られていますが、

紫式部の父・藤原為時とも交流のあった具平(ともひら)親王が観月のため遍照寺を訪れたときに

物の怪に取りつかれて亡くなった愛人の大顔が夕顔のモデルとされたというエピソードです。

 

主菓子は成穂会初釜の定番「福寿草」(鶴屋八幡御製)。

濃茶は【第6帖「末摘花」の巻】から「末摘花」(玉翠園)

末摘花とは紅花の別名で、先の方が少したれて赤い鼻をした姫に光源氏がつけた愛称です。

 

今年4年ぶりに登場した嶋台でしたが(しかも、塗り替えた初めての年です)

まだ不安に思われる方もいらっしゃるだろうと、飲み回しはやめて各服点としました。

この大きなお茶碗にお一人様分を点てるのは大変難しく、お稽古でも苦労していたところです。

続きお薄でのお干菓子は、干支「辰」(甘春堂御製)と、

「松風(まつかぜ)」(正観寺 丸宝御製)。

【第18帖「松風(まつかぜ)」の巻】にちなみました。

お薄席のお茶は、【第1帖「桐壺」の巻】にちなみ

「桐壺」(玉翠園)

 

お薄席で使用したお茶碗はそれぞれ(写真を撮り忘れましたが)

「笹」は【第9帖「葵」の巻】で出てくる六条御息所の歌

「『笹の隈』にだに、あらねばにや、つれなく過ぎ給ふにつけても、なかなか御心づくしなり」から

「千鳥」は【第12帖「須磨」の巻】で、光源氏が一人寂しく詠んだ歌

「友千鳥 諸声に鳴く暁は ひとり寝覚(ねざめ)の 床もたのもし」から

「やり梅」は【第43帖「紅梅」の巻】にちなみました。

 

点心は、いつもの「料亭さえき」さんが

その日はいっぱいいっぱいと断られたのは残念でしたが、

同じ百貨店の別のお店でお願いしました。

 

そして、記念のお土産は「源氏窓」(亀屋廣房御製)。

 

紫式部が参籠中に着想を得たとされる石山寺の「源氏の間」の窓をかたどったお干菓子です。

 

今回は嶋台茶碗の各服点などイレギュラーな点が多く、

いろいろ不手際なところもあったと思いますが、

社中一同、「楽しんでいただきたい」という気持ちで精一杯の準備をしました。

 

そして、毎年のことですが、もう20年以上前のお稽古仲間も

今も初釜に顔を出してくださるのは本当に嬉しいことです。

また、来年もお元気なお顔が見られますように。

 

(S・K)

 


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