2008年11月1日(土)、夕方。 鞆の浦観光を終え、福山に戻り、ホテルにチェックインして再び待ち合わせ場所へ。
これまで福山市内で泊まった事も、ましてや街で飲んだ事もないのだが、知らない町をフラフラとあてもなく散策したり、良い感じのこじんまりした居酒屋さんをフラリと訪ねて一杯やったりするのが好きなので、今日の福山ナイトをとても楽しみにしていた。
ましてや今日は、福山は庭のようなGOさんの案内である!
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『ぜひね、案内したい店がありまんねん』とGOさん。 これは楽しみだ。 『今日はお任せします。 よろしくお願いします』
駅から少し歩き、到着したのは『関東煮』の看板が出された雰囲気の良いお店。
店に入り、木の椅子に座る。 『関東煮、3本づつ。 あと、生ビール』 『はーい』

このお店は、関東煮がメインの居酒屋さん。 メニューもシンプルであり、料金もリーズナブルで、なによりお店の雰囲気がフレンドリーで好もしい。
『どうでっか?』 『これは好いですねえ! ストライクゾーン、ど真ん中ですよ』
『そうでしょ。 カヤッカーさんが福山に来たら、ぜひここにと思うとったんですよ』 『ありがとうございます!』

関東煮はすこし甘めの味付けだが、プリプリ、グニュグニュとした歯応えと味わいが楽しめる。
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肉皿は、関東煮とはまた違った味付けで、これまたおいしい。 これをうどんに載せたり、ご飯に載せたり、様々なバリエーションが楽しめるのも、ここのお店の売りの一つ。

関東煮のお店を出ると、白石島の原田さん夫妻と合流。
これまたおいしい韓国料理をたっぷりと堪能し、ビールを飲み、3軒目はショットバーへ。
おいしい料理と旨い酒、そしてそれらをつまみに楽しい会話。 シーカヤック仲間と過ごす福山ナイト! 最高の夜である。
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翌朝。 クルマに同乗させていただき、笠岡港へ。 そこから高速船で白石島に渡る。
民宿原田で着替え、早速出艇の準備。
今日の予定は、白石島を出て北木島を南下し、真鍋島へ。 ただ浜では、西寄りの風が強い。
パドルは持参した『アークティックウインド』 カヤックとその他の道具一式は、お借りした。 今日の相棒は、カレントデザインのGTS。
『じゃあ、行きますか!』

浜から一旦西に向かい、岬を越えて白石島の西岸を南下。 でも、ここから西風の影響で波が高くなって来た。
打ち寄せる波と、防波堤からの返し波で岬付近はいやらしい三角波がウネウネ、ざわざわと騒いでいる。
幸い、GTSは波の中でも動きがソフトで、膝のホールドも良く、それほど不安感なく漕ぐ抜けて行く事ができる。
白石島を越え、北木に一旦渡ったが、そこから南はさらに荒れている様子。 『北木と白石の間を東に抜けましょう』
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ちょうどお昼。 少し漕いでいるとGOさんが岸沿いに食堂らしい幟を発見。
『あそこの間に入ったら、上がれる場所があるかもしれませんね』 『じゃあ、行ってみますか』
狭い水路に入ってみると、予想通り小さな浜が見つかった。 3人でシーカヤックを引き揚げ、静かな島の道をテクテクと歩いてその店へと向かう。

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向かったお店は、『グルメ北木島』

出て来られた女将さんは、濡れて怪しい格好の私たちを見ても嫌な顔一つせず、店の中に案内しようとして下さった。 ありがたいことである。
ただ、私たちは自身が遠慮して、外にあるベンチに案内していただいた。
ここには、北木島特産の石が使われたベンチがあり、海を目の前に食事が楽しめるようになっている。 うーん、これは好いじゃないか。

食事を注文し、ビールで乾杯!

地元産の蛸天、ガラエビのかき揚げ、煮魚定食、ワタリガニのピラフ、ワタリガニの玉子とじラーメン。

秋のやさしい日に照らされながら、笠岡の海を眺め、地元の食材を使った料理で腹を満たす。
この景色が、なによりのスパイスである。
『ここはええですねえ』 『ほんまやね。 煮魚は旨いし、蛸天もええ。 人を連れて来たら喜ばれるなあ』 『ほんまですね。 これはええとこを見つけましたね』
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『ごちそうさまでした』 さあて、それじゃあ出発するか。