あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: B級グルメ&温泉堪能、一泊二日のドライブ旅行(1)

2009年07月06日 | 旅するロードスター/アテンザ
2009年7月4日(土) 昨年より大幅に減ったとは言え、ボーナスが出た週末。 かねてから計画していた山陰への一泊二日のドライブ旅行へと出かけた。
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今回の旅行を企画する段階での妻との会話。 『おい。 どっか、これまで行った事がのうて、行きたいとこは無いんか?』 『うーん、有名なとこは結構いっとるよねえ』 『ほうよのう。 ほんまにこっちの方じゃあ、遊ぶ場所が少のうて。 うーん。。。』
そう、観光地や遊ぶ場所の少ない中国地方では、ドライブや旅行で行く場所が比較的限られており、結婚前からを含めて二十数年も夫婦や家族でドライブや旅行を続けていると、なかなかこれまで行った事が無く、それでいて新たな発見のある場所と言うのは少ないのである。 という訳で、今回の旅の目的は、身近にありながら、これまで訪ねた事の無い場所の発掘に設定。

得意のネット検索を駆使してプランを作り、土曜日の朝、アテンザワゴンで家を出た。
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まず向かったのは、『奥津温泉』 美作三湯の中では相対的にマイナーではあり、これまで行った事が無い温泉である。
11時頃、奥津温泉に到着。 少し早いがお昼ご飯にしよう。 狙っていた道の駅では、有名な食べ放題に観光客が押し寄せており、早くも争奪戦状態。 うーん、これは。。。
混雑がきらいな私は、静かに食事ができる店を探して移動。

ようやく見つけたお店でメニューを見ると、『ホルモンうどん』という記載が。 『あのー、このホルモンうどんって何ですか?』と店のご主人に聞くと、『これはねえ、焼きそばがありますやろ。 あれのうどん版で、ホルモンが入っとるんです。 おいしいと思いますよ』との事。 『じゃあ、そのホルモンうどん、お願いします』

出てきた焼うどんには、その名の通りホルモンが入っている。
口に入れると、ホルモンから出た濃厚なエキスと脂分が、うどんの表面にまとわりついており、なんとも言えないネットリ&濃厚、そしてジュルジュルとジューシーな焼うどんになっている。 『おお、これはウマい! これは、ビールが欲しいなるなあ!』

店のご主人に、『これはおいしいです』と言うと、『そうでっしゃろ』
『ここらへんは、ホルモンが有名なんですか?』 『いやあ、そうじゃないんやけど、津山の方でホルモンうどんが有名になって、ここに来るお客さんがみんな、ホルモンうどん、ホルモンうどんいうて言うもんやからうちも出すようになったんです』と、正直な返事。

『これ、焼きそばやったらどうなんですか? ホルモン焼きそば』 『あきまへん。 うちもやってみたんやけど、うどんやないとあかん』 なるほど。 このネットリかつジュジュジュルと脂と旨味がまとわりつく感触は、焼うどんならではかもしれないなあ。

その後も、話し好きな関西系のご主人から、奥津温泉に関する様々な面白おかしいお話を伺い、店を出る。 『ごちそうさまでした。 ほんま、おいしかったです。 また来ます』 『おおきに、気をつけて』
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午後は、予約していた奥津温泉の貸し切り風呂へ。
 
歴史のあるこの宿では、川沿いに温泉があり、露天風呂も楽しめる。 しかも、一回一組50分の貸し切りで、ゆっくりとお湯に浸かることができるのだ。
 
妻と二人、雰囲気の良い茅葺き屋根の家の前を抜け、川沿いの温泉へと下って行く。
お風呂は、小屋の中と、川沿いの小さな露天風呂。 まずは小屋の中のお風呂に浸かり、しばらくしてから露天風呂へと移動した。
今日は幸い、晴れたり曇ったり。 渓流の景色が堪能できる小さな湯船に妻と二人でゆっくりと浸かり、しずかな時間の流れに身を任せる。
『ここはいいねえ。 貸し切りで静かだし、景色も好い。 お湯もぬるめでゆっくり浸かれるね』 『ほんと。 お湯も気持ち良いし、あんた好みの温泉じゃね。 ホルモンうどんといい、ここの温泉といい、今回のスタートはバッチリじゃない』
大きくなった息子達に留守番を任せ、夫婦二人の温泉旅行。 これはこれで、なかなかいいものである。
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50分が経過し、お湯を出て着替え、上がって行った。 『すみません。 この縁側で少し休ませてもろうてもええですか?』と、落ち葉を掃除しておられたご主人に聞くと、『ええですよ』との答え。

縁側に腰掛け、水筒を取り出してコーヒーを飲んでいると、落ち葉の掃除をしておられたご主人が来られた。
『昨日は、夕方から大雨で凄かったんですよ』 『えー、昨日はそがあに降ったんですか?』 『ええ、今朝まであの露天風呂から見える川の所も滝みたいになってました。 午前中、川の所に行ったら、増水した後の所にアマゴが残されて逃げれんようになっとったから、網で捕まえてきたんです。 見てみます?』 『はい、ぜひ!』
 
『おお、これはでかい。 こんなんが捕まえられるんですか』 『今日は一匹でしたけど、多い時は何匹も捕まえるんですよ』
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縁側で涼ませていただきながら、宿や奥津温泉に関する様々なお話を伺う。
台風が来る時の対策。 最近多いゲリラ豪雨の影響。 川沿いの施設だから、大雨の後は片付けが大変なのだとか。
蛍を眺めながらの温泉。 アマゴやアユ獲りの楽しみ。 茅葺き屋根の手入れの大変さ。 落ち葉の掃除。 冬の寒さの厳しさなどなど。

『いやあ、温泉に入りに来る方は楽しいですけど、維持される方はご苦労が多いんですねえ』 『そうなんです。 こんなところ、住むのは大変なんですよ』
『ほんま、気持ちよかったです。 ありがとうございます。 また来ますよ』 するとご主人は笑いながら、『ええ、また来て下さい! その時は、落ち葉の掃除でも手伝ってもらおうかな』 『いやあ、ホンマですね。 では』
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おいしいB級グルメのお昼ご飯を食べた後は、なんとも最高のロケーションで夫婦水入らずの貸し切り露天風呂にゆっくりと浸かり、湯上がりは、静かな縁側で宿のご主人から様々なお話を聞かせていただいた。 うーん、なかなか良い旅じゃないか!

その後、急に降り始めたゲリラ雷雨の中を中国山地越えし、鳥取へ。
これまた初めて訪れた、因幡の白兎伝説で有名な白兎神社に参拝し、今日の宿へ。
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漁港の近くにある静かな宿。

晩ご飯は、もちろん魚尽くし。

ネットリと甘い、一人一杯のイカの刺身。 新鮮なアジの造り。 これまたネットリ濃厚なエビの刺身。
 
大きなメバルの煮付け。 ノドグロの焼き魚。 干物の天婦羅。 カニの法楽焼き。
 
ビールに焼酎。 鳥取名物のラッキョ。 そしてイガイで出汁をとった、磯の香りの濃厚な汁。
『あー、ごちそうさまでした!』 充実した今日一日の旅を思い出し、胃も心も満腹満腹。

さあて、明日はどんな楽しみが待っているだろうか。

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