あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 佐野元春 & THE COYOTE BAND

2009年07月17日 | Weblog
2009年7月16日(木)仕事を終えると、そのままロードスターで街に出た。 パルコの前で妻と待ち合わせ、『広島クラブクアトロ』へ。
今日は、待ちに待った『佐野元春 & THE COYOTE BAND』のライブハウスツアーの日である。
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18、19歳の頃、アルバイトをして買ったステレオで、毎晩飽きることなく聴き続けていた佐野元春のLP。

あり余るエネルギーを持て余し、生きる事の意味を考え、ほんの少しのうれしい事でもHappyになり、なんでもない事で落ち込んでいた。
何の根拠もなくどんなことでもやれそうな気がしているのに、本当は自分の人生には意味がないんじゃないかと悩み、カフカやトルストイを読み、佐野元春を聴いていた。 あの青くて、暑苦しく、醜く、それでも純粋だった時期の私を支えてくれたのは、佐野元春であった。

『グッバイからはじめよう』、『情けない週末』、『SOMEDAY』 ”街の唄が聴こえてきて 真夜中に恋を抱きしめた あの頃 踊り続けていた 夜のフラッシュライト浴びながら 時の流れも感じないまま”

あの頃聞き続けていたおかげでDNAに組み込まれてしまったのか、今でも、偶然ラジオから『SOMEDAY』が流れて来ると、条件反射のようにあの頃を思い出し、目が潤んでしまう。
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高専を卒業して大学に編入し、初めて東京に住んだ時、渋谷公会堂で佐野元春のコンサートがあると聞いた。 まだ20歳の時である。
当時はまだインターネットなどなく、予約開始日の受付開始時間に電話をしたが、もちろん何度電話しても通じる事なく、一瞬で完売してしまっていた。 とにかく当時は凄い人気だったのである。
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それから二十数年の歳月が流れ、通勤の途中にいつものようにラジオを聞いていると、広島で佐野元春のライブがあるという。 ラジオでは何日も続けて宣伝しているから、まだまだチケットは残っているようだ。
家に帰り、妻に『佐野元春のライブがあるんだってよ。 行ってみる?』 『いいよ。 でも、曲を知らんと盛り上がれんよ』
『そうじゃなあ。 じゃあ、チケット申し込むで。 そしてCDも買おう』

それから毎日、通勤の時には、幌を下ろしたロードスターで海岸沿いの道を走りながら『COYOTE』を聴き、ライブに備えていた。
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午後7時。 ライブが始まった。 あ、あのラジオから、そしてレコードから流れていた佐野元春の声だ!

『君が気高い孤独なら』 ”もしも君が蒼い孤独なら 人の話などどうでもいい その目で聞いて その胸で話してくれ”

『呼吸』 ”目覚めた後に訳もなく 涙に濡れてしまうとき 見知らぬ夜が降りてきて 痛みに溢れてしまう時 君のそば 君のそばにいて どんな時も 君の味方 僕は君の 味方だって思っていてくれ”

『コヨーテ、海へ』 ”毎日の猥雑なニュースに 神経もやられてしまいそうな日々 今夜も誰かが誰かにジェラシー 欲望は膨れてゆく あてのない夢 捨ててしまえ 人はやりたいことをやればいい”

うん、やっぱりその詩は佐野元春ワールドじゃないか!
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アルバム『COYOTE』の曲が終わり、アンコールの後。 『みんな、ここから見ると大人になったねえ! うん、本当に大人になったよ』と元春。 そう、ライブ会場に集まっている人たちの多くは30代後半から50代。

そして、『どうだい、80年代に戻ってみたいかい?』と聞くと、会場には歓声が!
ここから会場の雰囲気が一変した。 みんなの熱気で温度は上がり、手拍子が高まり、拳を突き上げ、みんなノリノリだ。

『ヤングブラッズ』 ”ひとりだけの夜にさよなら 木枯らしの時も 月に凍える時も 偽りに沈むこの世界で 君だけを 固く 抱きしめていたい”

『ダウンタウン・ボーイ』 ”DOWN TOWN BOY DOWN TOWN BOY 気どってばかりの Runaway 恋を抱きしめて ここにもひとり あそこにもひとり But it's alright Yes he's a Down Town Boy”
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最後の曲は、『アンジェリーナ』 おお! 会場は最高に盛り上がり、大合唱である。

”シャンデリアの街で眠れずに トランジスターラジオでブガルー 今晩ひとり 情熱だけほえて ジェームスディーン気取りの ティーンエイジ・ブルース”

”オー アンジェリーナ 君は バレリーナ ニューヨークから流れてきた 淋し気なエンジェル 今夜も愛をさがして 今夜も愛をさがして 今夜も愛をさがして”
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帰りはロードスターの幌を下ろし、妻と二人で家まで夏の夜のドライブ気分。 CDのCOYOTEをかけ、ライブの興奮覚めやらない心地良い余韻を楽しみながら、オープンカーならではの開放感と涼しい風を味わう。

『いやあ、やっぱり来て良かったなあ。 SOMEDAYは聴けんかったけど、アンジェリーナは最高だったよ!!!』 『ほうじゃね。 もう、二十数年来の念願じゃったんじゃもんね。 SOMEDAY聴いたら泣くけん、アンジェリーナで盛り上がってよかったんじゃない』 『ほんまじゃあ』
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”Happiness & Rest 約束してくれた君 だからもう一度あきらめないで まごころがつかめるその時まで SOMEDAY この胸に SOMEDAY ちかうよ SOMEDAY 信じる心いつまでも SOMEDAY”
元春。 歌い続けていてくれて、そして広島に来てくれて、本当にありがとう!

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