あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: しまなみ、島豚堪能キャンプツーリング

2009年08月31日 | 旅するシーカヤック
2009年8月30日(日) いつものようにニヤックを積んだアテンザワゴンを東に走らせる。 今回の目的地は『しまなみ海道』
夏休み最後の週末だが、日曜月曜のキャンプなら、さすがに人も居らず静かだろうという事で、いつもお世話になっている生名島のキャンプ場へと向かった。

最近の生名島と言えば、やり投げで銅メダルを獲得した村上さんの出身地という話題で盛り上がっている。 このニュースで生名島も全国区になり、上島町ファンの一人としては、うれしい限りである。

キャンプ場に着くと、管理人さんが居られた。 『先日はお世話になりました。 一緒に来た妻を、ようやく”よし正”さんに連れて行くことができてよかったですよ。 彼女も喜んでいました』

それから、やり投げの村上さんの事や、キャンプ場は今年は海水浴に来る人が少なかったけれど、デイキャンプはそこそこあり、また合宿に来る人たちのバーベキューで夜は賑わった事など、生名島の近況を教えていただいた。

『今回もゆっくりしていって下さい。 今日は少し風があるけど大丈夫?』 『ええ、これくらいなら問題ないですよ。 涼しくていいくらい。 今日は、岩城を一周してこようと思ってるんです』 『気をつけて!』
***
今日は、生名島をベースにしたツーリングなので、レスキュー用品と飲み物だけを積み込んで出発した。
 
空は曇っており、東から北東の少し強い風が吹いている。 今日の潮を確認し、岩城島を時計回りに一周する事に。

手に馴染んだアークティックウインドで、ロングストローク&スローピッチのパドリング。 生名島に沿って南下し、赤穂根島をグルリと回り、快調に進んでいく。
***
1時間ほどで、岩城のいつもの浜に上陸し、しばし町を散策。
 
芋菓子工場に描かれた、サツマイモのキャラクター。 漁港の端っこにある小さなお堂に奉られた、木彫りの恵比寿様。
なかなか良い雰囲気だ。

お昼ご飯は、よし正さんで『島豚焼肉定食』 岩城島名物となった島豚/レモン豚を堪能するのが、今回のキャンプツーリングの目的だ。
 
この島豚は、特に脂がおいしいのが特徴。 噛みしめると、あまくてジューシーな脂が口に広がる。 決してしつこくなく、旨味たっぷりのこの島豚は、ビールがあればいくらでも食べられそうだ。 『ごちそうさまでした』 

食後はターミナルに行き、レモンアイスをデザートに。 その後、このターミナルで『島豚ロース』と『岩城島のレモンを使った焼肉のたれ』を購入。 これで、夕食の準備はバッチリである。


帰りは、岩城島の西側に沿って北上。 潮もよく、少し向かい風はあるものの、快調に漕ぎ進む。
時間に余裕があるので少し大回りし、2時間弱で浜に戻った。 今日は、合計3時間ほどのパドリング。
***
生名島に戻り、フネを片付け、道具を洗って干し、シャワーを浴びて着替えると、いつものように管理人さんが準備していただいていた自転車をお借りして、因島へ買い出しに。 因島のスーパーで、ビールと豆腐、納豆を購入して桟橋に戻る。 
フェリーに乗り込もうと歩いていると、後ろから『ご苦労さま』と声を掛けられた。 みると、キャンプ場の管理人さんである。
『あ、買い物に行かれてたんですか?』 『そう』 『今日は、岩城で買い出ししようと思ってたんですが、日曜日なんでJAも休みでした。 因島(地元では、いんとう)の商店街も休みの店が多くて』 『日曜日じゃから、今日は銭湯も休みよねえ』 『ええ、今日はシャワーで我慢します』
『それにしても、因島のスーパーが無くなったのはさみしいですね。 行くところがないんですよ』 『そうそう、寄る処がなくなったよねえ』

『そういえば、因島に渡ったら選挙のポスターも違ってて、あ、やっぱり生名は四国なんだって実感しましたよ』 『最近はねえ、ケーブルテレビを契約して見られるようになったんだけど、松山の放送なのよねえ。 ここだと、やっぱりニュースでも広島のやつじゃないとなんだかしっくりこない』
『前に岩城に行った時に聞いた話でも、高速代が高いから買い物は今治じゃなくて広島に行くいうて言いよられました。 やっぱり生活圏は広島なんですよねえ』

『生名と因島との間に橋が架かる事は当分ないじゃろうけど、つながったら便利ですよね』 『フェリーもね、始発は6時じゃし、夜中は渡れんしね。 昼までもちょっと待つ5分、10分が長いんよねえ』 『ほんまですね』

そこに実際に住んでいないので、なんとも言えないのだが、広島県の因島が目と鼻の先にあり、生名だけでなく、弓削や岩城と因島の土生港を結ぶフェリーも多く発着している。 まさに生活圏は広島なのだが、行政区画の話は難しいことがたくさんあるのだろう。 これで、もし仮に道州制が導入されたら、状況はどのように変化するのであろうか?

『それにしても、夏場くらいはキャンプ場をもっといろんな人に使ってもらいたいですよねえ。 十数年前のキャンプブームの頃は多かったでしょう?』 『そうね、キャンプ場ができた頃は多かったね。 でも常連さん達も、お子さん達が中学生くらいになると忙しくなって、子供が付いてこなくなると、キャンプにも来なくなる人が多いんですよ』
『へー、そうなんですか』 『やっぱりね、子供と一緒に来て、海水浴したり、一緒に釣りしたりするのが楽しいんだって。 子離れした後に、一人でキャンプしに来る人はほとんど居ないねえ』と、私を見て笑う。
私もつられて笑いながら、『子離れした後の、自由な一人のキャンプが最高なんですけどねえ!』

でも確かに、他の人のブログを見ても話を聞いても、年に何度も一人でキャンプツーリングに行っている人はほとんど居ないようだ。 やっぱり普通は、ソロキャンプツーリングって、それほど楽しくないのかなあ?

生名島までの数分間、客室に並んで座り、世間話。 フェリーが港に到着。 『じゃあ、キャンプ場までチャリで帰ります!』
***
キャンプ場に戻ると、夕食の準備を開始。 まずは、小さな釜に無洗米を入れ、水を満たす。 米粒が水を吸うのを待つ間に、焼肉の用意を進める。
今回も、もちろん炭火焼き。 使い込んだ里山コンロを取り出し、炭火を熾す。 家から持参した野菜を切ると準備完了。
 
瀬戸内の夕景を眺めつつビールをグビリと飲り、炭火で炙った島豚をパクリ。 ジュワーッとおいしい脂が口に広がり、それをビールで流す。 再び島豚をサクリ、お釜で炊いたおいしいご飯をパクリ。 ビールをグビリ。
まさに、至福の一時である。

8月も終わり、海水浴シーズンもようやくオフを迎えた。 待ちに待った海旅の季節が到来!
どんな秋が、そして出合いが待っているのだろうか? 楽しみだなあ。

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