2010年4月10日(土) 昨夜は、出張を終えて家に戻ったのが深夜24時。 さすがに朝目覚めると、少し疲れが残っていた。
いつもより少し遅めに起き出し、朝食を摂りながら天気予報をチェックすると、今晩は雨が降る予報。
妻とのドライブ旅行や『旅する櫂伝馬』の打ち合わせなどで、ここ2週ほどキャンプツーリングに出ることができていないのだが、この天気じゃキャンプを楽しめそうもない。 今週末もゆっくりと過ごす事にして、キャンプツーリングは別の機会にしよう。
***
とは言え、空を見上げると、曇りではあるが晴れそうな感じである。 ちょっと日帰りツーリングにでも行ってくるかな!
そそくさと着替え、ニヤックをカートップ。 『ちょっと漕いでくるよ』 『はい、気をつけて』
海沿いに住んでいるシーカヤッカーにとって、日帰りツーリングなんて朝の気分と天気で決めるような気軽な海のお散歩。 実際、どこを漕ぐかさえも、出発直前に決める事がほとんどなのだ。
今日は、どこに行くかさえも決めずに家を出てきた。 海沿いにクルマを走らせ、実際の風や波の状態を確認しながら、ツーリングコースを考える。 『うん、久し振りにあそこに行ってみようか』
***
出艇地に到着。 風もなく、まだ薄曇りではあるが穏やかな春の海。 家から持ってきたお茶と、途中で買い込んだお弁当、そして安全装備を準備して出発。

***
まずは、横島へと向かう。 このルートは距離こそ短いものの、本船航路を横断する事になり、潮が複雑で、また風が吹くと荒れるエリアなので、今日の様にコンディションが良い日でないとなかなか気が向かない。
ただ、小さな島や岩が点在し、景色が良くて静かな場所なので、日帰りツーリングが主だった昔は、よく通ったお気に入りのエリアである。

だんだん島が近付いてくると、タイミング良く青空が広がってきた。 『いやあ、懐かしい景色やなあ。 やっぱここの海は最高や』

まるで箱庭の様な景色を堪能し、小さな浜に上陸した。
***
日が射すと温かく、ジンワリと汗ばむほどの陽気である。 気持ち良い。
誰もいない静かな浜に座ってお茶を飲み、お弁当を開く。 晴れた空と穏やかな春の海。 空にはトンビが舞い、海では魚が跳ねる。
瀬戸内らしい絶景を眺めながらの昼食は、たとえそれがコンビニ弁当であったとしても、とても贅沢な食事に感じられるものだ。

静かなプライベートビーチで、のんびりまったり過ごすと、再びカヤックに乗り込み、黒島へ。
***
途中にあるお気に入りの干出し浜にシーカヤックを引き揚げ、しばし休憩。

ゆったりとした瀬戸内時間を堪能して、出発した浜に戻ってきた。 今年15日目となる今日の海は、漕ぎと休憩を合わせて、ほぼ3時間のお散歩ツーリングであった。
『ああ、ほんまに気持ち良かった。 久し振りにここに漕ぎにきて正解だったなあ』
こんな素敵なエリアがほんの身近にあるなんて、ほんとうにシーカヤッカー冥利に尽きる。 瀬戸内最高!