あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 一泊二日+車中泊、春の島根半島ツーリング

2010年04月18日 | 旅するシーカヤック
この週末は、久し振りとなる島根半島でのツーリングの予定。 風が吹くと荒れる日本海。 まだまだ天候が不安定なこの時期なので、風と波次第で漕げない可能性もあるが、駄目元で訪れてみることとした。

特急の仕事が入り、金曜日の有給休暇は残念ながらキャンセルとなってしまったが、それでも夕方には家に戻り、ニヤックを積んだアテンザワゴンで山陰へ。
途中でお気に入りの温泉をゆっくりと堪能した後は、再びクルマに乗り込んで夜9時過ぎ、とある海沿いの駐車場にクルマを停め、ビールを飲み、お弁当を食べて車中泊。
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2010年4月17日(土) 朝目覚めると、今回の目的地である海水浴場へ。
今日は少し北西寄りの風が吹いており、波がある。 うーん、この風だとここからは厳しいかも。 まあ今回は、幸い時間だけはたっぷりと余裕があるので、クルマで移動し、様々な場所の状況を確認しながら出艇場所を探していく。

でも、やはり最初の目的地が一番状況が良さそうである。 お昼ご飯を食べ、風待ちして、タイミングを見計らう。
『うん、いまなら少しは漕げそうだ』

シーカヤックを浜に降ろし、安全装備だけを積み込んで出艇。 ほんとうにきれいな海。 沖縄の海を彷彿とさせるエメラルドブルーの海に漕ぎ出した。
 
湾を出て、お手軽だがお気に入りの岩礁地帯に入ると、そこは波が遮られてまったく静かな世界。
透明度は驚くほど高く、癒しの景色である。
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今日は残念ながら風が上がってくるばかりなので、早々に浜に戻り、宿泊施設へ。
ここの眺めが、これまた私のお気に入り。

風呂に入って潮抜きをし、少し早めのビールを飲みながら日本海の雄大な景色を堪能する。
 
ここでは、水平線に日が沈んでいく。 時々刻々と色を変えていく夕日を眺めながら、のんびりまったり、贅沢な一時。
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2010年4月18日(日) 朝起きると、昨日の風は収まり、静かな日本海。
ケータイを取り出し、天気をチェックすると、海は穏やかで波は1mだが、昼からは曇りになり、風も上がる予報。 今日は朝早めに漕ぎ出す事にしようか。

クルマで出艇地に移動し、漁師さんに了解をもらってクルマを停め、スロープから出艇させていただいた。
 
少しだけうねりはあるが、この時期にしては最高に穏やかで絶好のツーリング日和の日本海。 いくつもある洞窟を潜り、穏やかな湾に入って一息いれる。 『いやあ、遠いけどやっぱ来て良かった!』
 
冬の波の壮絶さを感じさせる断崖絶壁や、ぽっかりと浮かぶ小さな島を回り、再び海蝕洞へ。
 
洞窟の奥深くまで漕ぎ入り、シーカヤックがぎりぎり通れる狭くて長い洞窟を漕ぎ抜ける。 最高の一時。
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洞窟巡りを終えると、場所を変えて半島の北側を漕ぐ。 そうこうしていると、なんだか海の表情が変わってきた。
ほんとうに微妙な変化であり、なんとも説明しにくいのだが、風が上がってくる気配が漂っている。
チキンな私は、常に海の顔色を窺いながら海を漕がせていただいている。 そして海の微妙な顔色の変化を感じる事が、私にとって最大の安全対策だと信じている。

今日は、1時間半のツーリング。 きれいな海と、洞窟巡りをたっぷりと堪能した。
シーカヤックをスロープに揚げると、漁師さん達との会話を楽しむ。
 
『この網で何が獲れたんですか』 『ヒラメよ。 この水槽に入っているよ』 『へえ、大きいですね』 『なーにが、こんなんは小さい方よ。 大きいのは座布団くらいあるわ』

『カジメを採って帰ったらどうや。 あっちの方にあるで。 小さく刻んで味噌汁に入れたら、とろとろの粘りが出て美味いわい』

『ここらじゃ、ウミウシも食べる。 採ったら開いて、ウミウシが出すムラサキ色の汁を全部出して持って帰る』 『食べたら美味いで。 大阪辺りの人は、珍味じゃいうて買いにくる人もあるくらいよ』

片付けていると、次第に風が強くなってきた。 空には雲も広がり、遠くの景色は霞んでいる。 『いやあ、本当にピンポイントで最高の時間に漕いだなあ!』
その後もいろいろとお話を伺うと、今年は荒れて波が高い日が多いらしい。 今回は、運良く二日とも漕ぐことができて良かったなあ。 今年、16、17日目の海旅は島根半島となった。
瀬戸内とは違う海の色と波、そして雄大な景色。 毎年漕ぎに来る島根半島だが、何度来ても飽きることはない。 天候が安定する季節になったら、再び漕ぎに来よう!

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