A whiSper Of memOrieS

☬Murmure de mémoire☬

Urayasu-398

2021-02-07 | Urayasu
我が国は、「老害の自覚のない高齢男性の為政者」が大きな政治権力を誇り、それを「黙って付き従うことを心底わきまえた男性中心の取り巻き達」が粛々と下支えしているような旧〜い体質の国。【老害】を大辞泉で引くと、「企業や政党などで、中心人物が高齢化しても実権を握りつづけ、若返りが行われていない状態」とある。そういう長老為政者目線による、女性不在のままの、「男女共同参画・ダイバーシティ戦略」なんてお笑い種(ぐさ)でしかない。|当然ながら、世の中には老害とは無関係な高齢者がたくさん存在する。経験豊富で有能で、若手や部下にボソッと「わきまえろ」なんて脅し文句をつぶやく可能性の欠片もない、周りから尊敬されるクールな男女高齢者もおる。|なお、老害は老害で大迷惑だが、その一方で、日本は若者が高齢者一般に対して敬意を抱きにくい土壌が他国に比べてかなり色濃く存在すると思う。「老害」という言葉が目立ってるのとは逆に、「敬老」がなぜ必要なのか、全く分からない人も増えている。敬老ってもう死語か。そう考えたらなんだか怖くないか。現に高齢化社会だし、誰だって歳を取るのに。これは日本のマスコミ報道や家庭・学校教育のあり方に大いに関係している。歳を取ることへの想像力を育てる気風が社会にないから、今が永遠だと信じてしまう。言うまでもなく、歳を取ることへの否定や軽視は、一人一人の人間が人生経験を積むことへの否定や軽視、つまり自己否定につながる。|それはそうと、今回の老害の醜態を通して、日本が世界でいかに「男尊女卑度ランキング上位国」にあるのか、多くの人が納得したのではないか。|「今まであまりに当たり前で、差別されてるなんて意識はほとんどなかったけど、そういえば、自分もずっとそういう境遇(職場or家庭)にいたんだ」と思った女性と、「普段から、女性には優しく接してきたけど、もっと根本的なところで差別してたかも。無意識に男性中心の構造を支えてきた」と自覚した男性は多いと思う。ただ、日本社会の恥部のひとつを世界に晒したことで、日本(人)へのイメージダウンという損失は蒙ったが、ジェンダーに関する自己客体化という大きな対価が得られたのではないか。物事は悪い方向へ振り切ると、よい効果もじわじわと生まれる。(もろに、宮台真司氏の考え方ではないか。でも、今後も会長の座に居座り、老害を発揮するということであれば、続編があり、まだ振り切ってなんかいないクックックということなのか⁉)||話は打って変わって、音楽分野でのダイバーシティについて。コロナの世界的な蔓延によって、多くの人がステイホームし、世界中で音楽クリエータの数や個々人の創作時間が増えていることで、そのダイバーシティは急ピッチに実現されつつあるのではないか。DTMerというと未だにすぐ男性アーティストを連想してしまうが、意識的に、内外(特に異文化圏)の女性DTMerにも注目していきたい。アートは性差を問わないところが、やはりいい。|「こいつフェミニストだったんか!」。反射的にそういう反応をするような人が、男性優位社会の屋台骨を支え、ダイバーシティの実現を阻んでいる。大体、そういう考え方で女性にモテたいって矛盾してないか?「女は黙って男に着いてこい」がカッコいいか?いつの時代だ?この考えの根っこは老害の発想と変わらないし、すでに目に見えて衰退している。それは若者たちを見ていればよくわかる。というのも、私があちこちで接している若い人たちからはそんな空気は感じ取れない。以前よりも、男女ともに明らかに草食系が増え、異性にも、恋愛にも淡白になっているのに、男女差別する意味がない。そんな態度を見せようものなら、他の男女同級生にウザがられるのがオチ。女は黙っているかもしれないが、男にはなかなか着いて行かない。|とは言え、実社会あるいは多くの会社では、まじめな女性の多くが男性優位をまだひた向きに支えている。つまり、「男女共同参画」で男性優位社会を支えている。ここが、この問題の根深いところ。だが、それも5年10年というスパンで変わざるを得ないと思う。
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