この景色を見て、なぜだかエンパイヤ―ステートビルのこと、9・11のことを思い出した。||マルクス・ガブリエル・中島隆博共著『全体主義の克服』(集英社新書、2020年)の前半を読み、グーグル検索、インスタ、テレビCMを見ることなどで、我々がいかに大手IT企業、広告会社に「消費され」、彼らを一方的に潤わせるために奉仕しているのかを再認識した。自分が自由に選択していると思っていたモノや情報の多くは、選択肢に優先順位が付けられ、選ばされているということ、これまでのように能天気ではいられないという思いに至る。そして、ネットの利用法、ネットとの付き合い方を再考する必要性を感じている。なお、この本が売れているのはとてもいいこと。ただ、グローバルIT企業によるネット空間の支配や個人情報の独占・搾取の岩盤構造がそう簡単に変わるとは思えない。欧米では、すでにこうした動きに対し、反対の声が上がっているようだが、耐え忍ぶことがやたらと得意で、しかも政府や大企業に楯突くことを異様に憚る、またはそういうことを面倒臭がる傾向の強い我々日本人は反応が鈍い。いくら自宅でひとりで引き籠っていても、ネットをただ使っているというそれだけで、我々が常に情報を「発信=提供」し、それが利用され、一部企業に莫大な利益をもたらしているのだ。たしかに、ネットも携帯も日常生活の欠かせない構成要素になっており、今後とも利用するほかないのだが、どんな些細なもの(写真1枚、「いいね」ひとつ)であれ、私たちの発する情報は、私たちに断りなく恣意的に利用されるべきではない、という意識は強く持った方がいいのはないか。ネット情報の取り扱いに関する法の整備を見届けたい。|BGB:宇野常寛著『遅いインターネット』(幻冬舎、2020年)
最新の画像[もっと見る]
- Urayasu-606 22時間前
- Urayasu-605 3日前
- Ueno-3 6日前
- Urayasu-604 1週間前
- Ota-176 3週間前
- Kokubunji-4 1ヶ月前
- Ota-174 1ヶ月前
- Urayasu-601 2ヶ月前
- Miyazaki-3 2ヶ月前
- Urayasu-600 2ヶ月前