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眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

卑怯者

2011-03-28 | 
君は卑怯だよ
 何度も繰り返された言葉に
  僕はなにひとつ言い返せない
   ただ罵倒の中で
    ただじっと空を眺めいた

    言葉には言魂が宿るという
     僕の酔いどれた言葉の羅列に
      果たして言霊など存在するのだろうか?

      辛い時に微笑んで見せること
       哀しみや不安を封印して
        町並みの暮らしに埋没してゆくこと
         気高く美しく見える希望
          けれど
           けれど哀しみや不安に嘔吐し
            泣き出してしまう行為も美しいことではないか?
             その想いはやはり何時かは宝物になる
              僕はそう信じてる

              なぜ偽善や偽悪を装うのだろう?

              君は卑怯だよ

              言葉は止まない
             連鎖反応の様に
            預かった二人の子供達が泣き出す
           果たして僕は卑怯なのだろうか?
          基地問題で揺れていたこの島は
         多くの問題を棚上げさせられてきた
        基地機能の分散化に配慮した街や人々はほとんどいなかった
       皆が国の安全保安上の問題だと考えていたからだ
      絶え間ない戦闘機の爆音
     兵隊の消して止まない暴力事件
    住宅地が密集する街の真中に基地がある
   バカンス以外に来るには不安な世界
  其れがこの島だ
 混乱と暴力の中
本土上陸の際
 人々には自害をする為に手榴弾が手渡された
  今でも
   大学の平和なキャンパスに軍用ヘリが墜落した
    平和だと想っているだけで決して平和な世界など存在しない
     日常はその様に流れ
      ただ皮肉な論調とけして相容れない事実が交錯した

       平和な世界など何処にも存在しない

        其れが真実だ

        僕が生まれる前から基地は存在した

        誰かが誰かに詰め寄る
         そこは安全だから好きなことが云えると
          君は卑怯だよ
           そう呟く

         環境や存在を比べて論ずる比較価値
   
        自分よりも弱いもの恵まれているものを非難する価値観

       僕は煙草を咥えてぼんやりと空を眺めている

      自分自身がこの世界で生き抜くための
    比較しない暮らしを想う

  僕は誰とも比較しない自分自身の世界で

  この生を全うしようと考える
 誰のせいでもなく誰の様でもなく

 青い空が急に曇りだした

  やがて
  
   島特有のスコールにも似た雨が降るのだろう

    雨だれの様に僕の存在意義に意味が降りしきる

     肩に降る雨




















             
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抽象

2011-03-25 | 
消え去る一瞬一瞬が現実だとして
 誰にも届かない想いは
  深夜零時に錯綜する
   赤の信号待ち
    僕等はそっと夢を見る
     誰もいない交差点
      誰もいないジャングルジムの天辺
       星達が輝き
        無音の招待を伝達さす

        君には
         君には印があるんだね

         猫のハルシオンが面白そうに微笑む
          優雅な姿態で現実を嘗め回す
           飽く事無き欺瞞
            彼等は其れを正義だと怒号した
             忘れられない現実
              過去
               瞬間は永遠に太陽の真下だ
                君がゆずれない銃口を世界に戯れた
                 嗜好
                  思考

           断熱材で防御した宇宙飛行士の
          彼の言葉は世界だ
         月の上で足跡を残す
        筆跡から君の明日を占うのだ
       ワインが一本空いた

      ねえ
     聴かせてよ
    あんたの歌を
   世間知らずの無知で野蛮な現存在を
  狂おおしい叫びを
 ただ愛してる
ただ愛している

 余白に孤独を描こう
  僕がいた世界
   君が距離を置いた日光
    月面のクレーターで
     世界を眺む
      忘却した一瞬
       其れが全てだ
        其れだけが真実だ

        酔いどれた花々の
         美しい気だるさ
          いちばん綺麗なのはね
           腐れかけて匂いの強い花びらさ

           ハイビスカスを
            お風呂に浮かべた
             消えること無いパトス
              消え去らないタナトス

              偽善だ
             自己欺瞞は腐れかけた果実の様に
            匂いを世界にばら撒く
           君に
          君に辿りつくなら
         僕は世界の言語で伝達す
      
        「オレンジの羊は閉店したよ」

       君を想っている
      何万光年想っている

     青が世界を封印す
    君が旅立った世界
   僕が残されたサナトリウム
  こほん、と
 咳をするのさへはばかれる干渉
ただ歌を歌い続ける
 まるで深夜の店のジュークボックスの様
  腐乱した世界
   腐敗した僕

    残された時間のアリバイ
     取調室で
      警官はパスワードを入力す
       僕等はなるべく上手に嘘をつく
        
        「キミニアイタイ」

         たとえ

          それが奇跡でも


           君に会いたい







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劇場にて

2011-03-22 | 
珈琲を飲みながら煙草に灯をつけた
 砂糖もミルクも嫌いなので
  かわりにウイスキーを零した
   破損した界隈で蒸気が上がり
    不穏な夕闇に心がざわめく頃合
     僕は独りきりで舞台を見に出かけた
      ラジオを消して
       ジョン・ダウランドの「流れよ我が涙」を聴いた
        スティングの歌声が暖かかった
         

        国立劇場にたどり着くと
         フロアは閑散としていた
          喫茶室に入り珈琲を頼むと
           氷が切れていてアイスは出せない、と
            少し疲弊して見えるウエイターが呟いた
             ポケットの小銭を集めてカウンターに並べ
              熱すぎる珈琲を飲んだ
               少し目を閉じ
                なんだかふわふわした感触で
                 掲示板のポスターの群れを眺めた
                  そのほとんどに開演中止の文字が躍っていた

                  そっと目を開くと
                   いつの間にか人波が浮かんでいた
                    静かな行列だった
                     まるで行脚のような列の最後尾に並んだ

                   開演30分前の場内は
                 ひそひそと話し声が無造作に乱立されるのだが
               そのひとつひとつが何処かで誰が口にしているのかは
              どうしても判断できなかった
             諦めて目を閉じた
            後ろの席で会話が漏れる
           深呼吸をしてから
          場内のブザーが鳴るのを待って目を開いた
         
         琉舞というのは不思議な世界だ
        限りなく静寂に包まれる舞台で
       三線の音色が流れ
      踊り手が幽玄に浮かんでは消え
     また立ち止まり
    まるで忘れ物をした事に気がつき
   後ろ髪を引かれる所作で下手に消えてゆく
  まるで夢の中の想い出せない記憶の様に
 僕等はいつも忘れ物をしながら存在しているのだ
あらゆる情景はその名残だ
 
 「諸屯」という踊りを始めて目にした
  ささやかな音楽に構築された世界で
   舞踊家が立ち尽くしている
    ほとんど動きが無い
     ただ立ち尽くしている
      それがあまりにも哀しくて
       とても苦しかった
        泣きたくなったけれど
         哀しみはそれ以上だったので
          決して涙は出てこなかった

           僕等は情景を思い浮べる
            白い世界
             青の世界
              銀色のスプーン
               壊れた玩具

               だがしかし無駄なものなど存在しないのだ
                意味を加工する為に
                 それぞれの世界を構築する
                  やがて夢のように失われ表出される世界
                   甘い綿菓子
                    シロップを入れすぎた檸檬の紅茶

                    僕等はいっそ立ち止まり
                   やはり後ろを振り向いてしまうのだ
                  速いパッセージをレガートで弾きこなす様に
                 素早く流れさる記憶
                大切な時間
               夕暮れ時に見る影
              あの時の君の後姿
             消えないで
            どうか
           幕が降りる
          静かに降りる
         
         流れよ我が涙

       スティングの歌声がしたような気がした

      まるで

     あの時

    あなたが口にした様に

   哀しみの所作で

  ダルセーニョの指示もリピート記号も無いのだ

 ただ幕が上がり

ただ幕が降りる


 泣いてもいいんだよ

   
  黒猫が耳元でささやいた

   
   泣いてもいいんだよ















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青の世界にて

2011-03-19 | 



変化する為の勇気

   変化しないものを受け入れる勇気


     大好きだよ
      みんな

      やがて世界が自転を想い出したら

       青い月の下で


        お酒を飲もう


         きっと清潔な青い月明かりが


          僕等のパーティーを祝福するだろう
  
           ね

            君

           其のパーティーの時間に遅れないでいてね


            約束だよ

             指きりげんまん

              嘘は禁句の

               嘘で並べられた世界

                君が口ずさむ歌だけが真実だ

                 どうか忘れないで


                   歌い続けて















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福緑寿

2011-03-17 | 
愛してる

 愛してる

  愛してる

   切なさの微熱が続こうとも

    行こう

     あの青い月のクレパスに

      君とじゃなきゃあいられないんだ きっと

       君が街の風に吹かれる春の日を想う

        きっと世界の中心点にて出会えるはずだから
     
         どうか後悔しないで

          世界は瞬間に訪れ

           瞬間に埋没す

            眠れない夜に想う

             明日はきっと今日よりも素敵だよ

              信じて


               行こう


                黒猫のハルシオンがささやく

                 あの世界へ

                  行こう

                   愛してる

                    虚脱の風景に
     
                     きっと光が届きます様に

                      手紙を描くね

                       きっと

                        きっと

                         愛してる


                        繋いだ指を離さないで

                         きっと


                          キット




                        君と会える日を想っているよ

         
                       月明かりに満ちた


                      福緑寿


                     永遠の祝祭






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祈り

2011-03-14 | 
病める時も健やかなる時も

 あなたの声は消えない

  どうか

   祈りが届きますように

    病める時も健やかなる時も

     あなたを愛している

      どうか

       食事と睡眠がちゃんととれます様に

        一輪の野花に天界を眺める

         一粒の砂に世界を

          ひと時の中に久遠を

           此処で待っているよ

            ね


            いつまでも待っているから

             ね

             歌い続けるから

             
             聴いていてね


             病める時も健やかなる時も


             一緒にいてあげる



             


              





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哀しき歌

2011-03-06 | 
ね、 聞いてる?
 君に会いたい深夜には
  ショットグラスで意識の混濁を徘徊す
   茶封筒に包まれた想いの他に
    全体何が含まれるのであろうか?
     想いは呪縛だ
      奇跡を信じ魔法のありかを模索する
       声が聞きたい

       中庭には大きな木が在って
        僕は煙草に火をつけ空を眺めた
         草原が緑の記憶を流し
          白昼夢はやがて知覚過敏に発酵する
           海洋深層水の味気なさで
            眠り薬を五錠口に含む
             柔らかな眠り
              安静にした左手首がやがて意味を知る
               あなた。
                あなた、見習い?
                 皿洗いを繰り返す僕に
                  髪の長い女性が含み笑いで尋ねる
         
                  そう。
                 三日前に此処に来たんだ。
                あなたは、
               あなたはどうして魔法なんか学びにきたの?
              僕は煙草の吸殻を揉み消して答えた
             無くしたくなかったんだ。
            失落した想いや
           手を離した赤い風船の行方や
          茶封筒の手紙や
         グランドの夕映えや
        あの本の匂いや僕自身を。

       あなた自身なんて在るの?
      女性は長い髪を纏め
     緑の草原で優雅に踊ってみせた
    その踊りがあまりにも綺麗だったので
   僕は意識を空にした
  まるで空を浮遊している様な足さばきだった
 くるくると舞う女性を見ていた
何度も見ていた

 やがて実弾射撃演習が始まるだろう
  サイレンが鳴り響き
   僕らは木陰から警官隊に排除される
    バリケードを作った少年少女が何時しか大人と呼ばれた
     マスクのかぶり方にもコツが在るのよ。
      女性が悲しく微笑む
       ね、聞いてる?

        黒テントで森田童子がささやくように歌った

         やがて訪れる狂乱の後始末に関して

          安静にした左手首がそうっとうずき始める

           君に会いたい

            百年先でも

             実存を失った今はない星からのメセージ

              暖かな布団に包まろう

               ね、聴こえるかい?



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