眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

青い服のピエロ

2009-02-26 | 
こわれやすい水
 舞台に立ったピエロは
  やっぱりあがってしまうんだね   
   おどけてみせながら
    なぜだろう泣いている
     誰も気付かない
      気付かれてはいけないから

    かすれた笑い声も
   どこかに消えてしまった
  夢の名残が少しだけつらいね
 ぱらぱらと
小さな拍手が聴こえた

  僕はたまにつらくなる
   心のどこかにひびが入って
    いつしか
     赤い線が流れる

                 遠くにいてもいい
                  そばにいて
                   そばにいて
                   哀しみを癒す
                 君の言葉が嬉しくって
                青い服のピエロの僕は
                 許され救われるだろう
                  そばにいて
                   遠くにいてもいい
                    そばにいて

こわれやすい水
 舞台から逃げ出して
  僕はうずくまり震えている
   友達が死んだ
    僕に何が出来ただろう
     長い電話のあと君は云った

       「生きていなさい」

      僕はおどけることを選ぶ

              君は
               僕を信じられないという
                傷口につける薬を持っていない
                 何もかもを失ったとき
                  君は残ってくれた
                   だからそれだけでいい

              僕は踊り笑い歌うだろう
               何人かの人は席を立ち
                ある人々は
                 投げやりな拍手を投げつける

                  君だけが
                   じっと黙って
                    見ていてくれた
                     君を
                      失いたくない



                      


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嘘の理由

2009-02-23 | 
友人が満開の桜の下で微笑んだ
 風が吹きぬけ
  僕らは煙草を吸いながら
   まるで17歳の頃のように笑った

    吹き抜けの美術館のロビーで
     飽きもせず並ぶ絵に見とれた
      壁の白が美しい街並みの憂愁は
       忘れかけた感情
        あとどれくらい
         苦しいほどに人を愛せるのだろう?

         すべてを投げ捨てたい
          そんな夢を見て
         
      桜の花びらが宙空を舞う

     理由なんかさ
    要らないよね
   友人はまた微笑んだ
  風が吹き抜ける
 そうして
そうしてまた日常に埋没する
 まるで大昔に沈んだ大陸の伝説のように
  僕らは世界に沈み行く
   信じている
    僕の嘘に微笑んだ春の陽気は
     穏やかな嘘を優しく包み込む
      薬包よりも手際よく

       理由なんか要らないよね
      
        僕はつまずき路上に這いつくばった
         記憶が混濁する前に
          誰に何を伝えるべきなのだろう?
           ショットグラスで煽るマイヤーズラムの記憶

           桜の木の下
          散り行く花びらの輪廻に憂いも見せず
         僕らの曖昧な記憶と
        未来は瞬間の意味の無い羅列

       理由なんて要らないよね

        君が微笑んだ

       永遠に続く物など
        ありはしないのに

         永遠の為に記憶の歌を歌う

          僕は
           僕は穏やかな嘘を優しく包む

            薬包よりも手際よく

             優しい嘘を包みこむ



     
コメント (3)
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