虚無の隙間は
憂える魂の物
置き去りにされた瞬間
意識が
ガードレールの向かい側
昔かたぎなケーキ屋のぽつんとした灯り
バームクーヘンが売れ筋の
頑固な店
酔いにまかせた僕は
辛辣な情景を求め
小銭をかき集めて
バームクーヘンの
穴の空間に見とれ
買ってしまうのであった
甘い物なんてどうせ食べやしないのに
そのまま眺めて
冷蔵庫の隙間に埋めた
一ヵ月後
萎びたバームクーヘンの表情は
むしろコケットな様相を見せ
ごみ箱に処分する前に
三分ほど眺めてみた
用意された月面のクレーター
容赦なく降りしきる
太陽
大気圏への突入も
全てが
ケーキ屋の親父の策略
バームクーヘンは偉大だ
食う
空
やがて朝陽が昇った
僕はグラスを放せない
だがしかし
どうしてバームクーヘンなんだい?
尋ねられると
答えに困るね
たとえばさ
ジョージ・マクドナルドの
「リリス」
のようだね
あるいは
支離滅裂な
シド・バレットのソロアルバム
難解すぎてね
バームクーヘン
お菓子じゃないような気がするのさ
ヘンゼルとグレーテルなら
喜んで齧るのだろうか?
今度は食べてみよう
貰い物の
バームクーヘン
憂える魂の物
置き去りにされた瞬間
意識が
ガードレールの向かい側
昔かたぎなケーキ屋のぽつんとした灯り
バームクーヘンが売れ筋の
頑固な店
酔いにまかせた僕は
辛辣な情景を求め
小銭をかき集めて
バームクーヘンの
穴の空間に見とれ
買ってしまうのであった
甘い物なんてどうせ食べやしないのに
そのまま眺めて
冷蔵庫の隙間に埋めた
一ヵ月後
萎びたバームクーヘンの表情は
むしろコケットな様相を見せ
ごみ箱に処分する前に
三分ほど眺めてみた
用意された月面のクレーター
容赦なく降りしきる
太陽
大気圏への突入も
全てが
ケーキ屋の親父の策略
バームクーヘンは偉大だ
食う
空
やがて朝陽が昇った
僕はグラスを放せない
だがしかし
どうしてバームクーヘンなんだい?
尋ねられると
答えに困るね
たとえばさ
ジョージ・マクドナルドの
「リリス」
のようだね
あるいは
支離滅裂な
シド・バレットのソロアルバム
難解すぎてね
バームクーヘン
お菓子じゃないような気がするのさ
ヘンゼルとグレーテルなら
喜んで齧るのだろうか?
今度は食べてみよう
貰い物の
バームクーヘン