黒板と白墨
2022-01-17 | 詩
余罪の残った暗闇の中で
意識的に白線を流した
黒板と白墨
長所と短所を利用して
世間を皮肉に微笑した淡いカクテル色の自意識
追求する意識に肉薄した途端
僕らは道に迷ってしまったのだ
永遠を捜しにいこう。
少女がレモンドロップを舌先で転がしながら
僕の瞳を覗きこんだ
永遠?
そう。永遠に終わらない夏休み。
風のざわめき。
白い雲を眺めて好きな音楽を流してお酒を飲むの。
終わらない物語。
始まりも終末も存在しえない長い旅。
僕は少女の熱病のような言葉に耳を傾けながら煙草に灯を点けた
永遠?
あなたが望んだものよ。
かつてのあなたが。あるいは、これからのあなたがね。
僕はただ飲んでいたいだけだよ。
痛みを麻痺させたいんだ。
なら。
少女の髪が草原の風になびいた
なら、あなたはどうして黒板に白墨で線を引いたの?
どうして世界の領域に足を踏み入れたの?
此処ではない何処かを捜し始めたの?
深く深呼吸をするように僕は煙を吐いた
永遠?
そう。赤いレンガの壁。
見つかりそうも無い骨董品屋であなたは
懐中時計を買ったのよ。
そうして、その時計の時間は止まったまま動かない。
どうしてだかわかる?
どうしてだい?
少女が優しく微笑んで僕の煙草を取り上げ一服しながら語りかける
その時間は此処の時間じゃあないのよ。
あなたの世界は
たぶん
目が覚めた
僕はワイングラスを持ちながら眠っていたのだ
少女がパンケーキを焼きながらビールを飲んでいた
シロップはいらないんでしょう?
甘いのキライなんだから。
不思議よね。甘い物が嫌いな人間がいるなんて。
パンケーキを皿に載せて少女が食事の準備をした
どうしたの?変な顔で。
いつも変だよ。
ちがうわよ。
少女が笑った
あなた不思議なものでも見てるみたい。
夢を見たんだ。ただそれだけ。
夢?
興味深そうに少女が僕の瞳を覗きこんだ
茶色い瞳が僕を見つめた
夢さ。
永遠に関する。
ところで。この家には黒板と白墨はあったのかな?
酔っぱらっているの、まだ。
学校の教室でもないのにある訳ないじゃない。
あるはずだよ。たぶんね。
僕が呟くと少女は呆れた顔をした
変なの。
黒板と白墨なんて。
意識的に白線を流した
黒板と白墨
長所と短所を利用して
世間を皮肉に微笑した淡いカクテル色の自意識
追求する意識に肉薄した途端
僕らは道に迷ってしまったのだ
永遠を捜しにいこう。
少女がレモンドロップを舌先で転がしながら
僕の瞳を覗きこんだ
永遠?
そう。永遠に終わらない夏休み。
風のざわめき。
白い雲を眺めて好きな音楽を流してお酒を飲むの。
終わらない物語。
始まりも終末も存在しえない長い旅。
僕は少女の熱病のような言葉に耳を傾けながら煙草に灯を点けた
永遠?
あなたが望んだものよ。
かつてのあなたが。あるいは、これからのあなたがね。
僕はただ飲んでいたいだけだよ。
痛みを麻痺させたいんだ。
なら。
少女の髪が草原の風になびいた
なら、あなたはどうして黒板に白墨で線を引いたの?
どうして世界の領域に足を踏み入れたの?
此処ではない何処かを捜し始めたの?
深く深呼吸をするように僕は煙を吐いた
永遠?
そう。赤いレンガの壁。
見つかりそうも無い骨董品屋であなたは
懐中時計を買ったのよ。
そうして、その時計の時間は止まったまま動かない。
どうしてだかわかる?
どうしてだい?
少女が優しく微笑んで僕の煙草を取り上げ一服しながら語りかける
その時間は此処の時間じゃあないのよ。
あなたの世界は
たぶん
目が覚めた
僕はワイングラスを持ちながら眠っていたのだ
少女がパンケーキを焼きながらビールを飲んでいた
シロップはいらないんでしょう?
甘いのキライなんだから。
不思議よね。甘い物が嫌いな人間がいるなんて。
パンケーキを皿に載せて少女が食事の準備をした
どうしたの?変な顔で。
いつも変だよ。
ちがうわよ。
少女が笑った
あなた不思議なものでも見てるみたい。
夢を見たんだ。ただそれだけ。
夢?
興味深そうに少女が僕の瞳を覗きこんだ
茶色い瞳が僕を見つめた
夢さ。
永遠に関する。
ところで。この家には黒板と白墨はあったのかな?
酔っぱらっているの、まだ。
学校の教室でもないのにある訳ないじゃない。
あるはずだよ。たぶんね。
僕が呟くと少女は呆れた顔をした
変なの。
黒板と白墨なんて。