君が追いかけたものは何だい?
黒猫が雑居の建物の狭間で問いかける
煙草を咥えて僕はジミ・ヘンドリクスをヘッドフォンで聴いていた
紫の煙がたなびく空
絶え間ない意識の残像
永遠にフィードバックし続ける空間に
かすかな希望の残り香を感じた昨日と今日
音列の隙間に君を想った
絶望と希望の構成物質は似ている
天井の憂える隙間
天窓から零れる月明かりの下
音楽室のピアノで少女がスクリャービンを弾いた
僕は毛布に包まりウイスキーを舐めている
煙草の白い灰が落ちた
まるで欠落した記憶の様に
指先が乾燥して
傷口から赤い血が滴った
君が追いかけたものは何だい?
警官隊が問い詰める
黙秘を行使しながらコンクリートの壁越しに
青い月夜を夢想する
安易な拘束着
思想の抑制帯
精神安定剤に於ける無気力な安寧
ねえ
君を愛してる
ただ
君を愛してる
追いかけられない実態を求め
鋭利な刃物で喉元に突き付けられる罪と罰
そうして
いつまでも影踏みの様に残り香を追い求めた
永遠
永遠に辿り着けない理想郷
黒猫が尋ねる
君が追いかけたものは何だい?
バーボンの甘ったるい香りに酔う
現実界隈の誹謗中傷憎しみ
お願いだから
雑居ビルの飲み屋の非常階段で
胃液を吐いた
警官隊だ
やがて彼等は武装にて
この混乱した状況に終止符を打つだろう
何人かの友人が拘束され
残された何人かが異国に逃亡する
この国に黒猫と僕だけが残された
毎日の繰り返しの中
たまに夢を見るんだ
皆が集まり楽器を持って
白ワインのボトルを回し飲みした冬の出来事
無邪気に君が微笑んでいた一枚の写真
拘束されたのだ
邪気の無い自分自身の思想に
ねえ
なにか弾いてあげる
少女が呟いた
僕は坂本龍一を弾いてくれるようにお願いした
戦場のメリークリスマス
ピアノの音が空虚な部屋にそっと響いた
僕はどうしょうもなく泣いていた
やがてワインのボトルが空いた
取り残されたのだ
仲間や時代や夢や希望に
君が追いかけたものは何だい?
黒猫が美術館の入り口で尋ねる
僕は途方に暮れて空を見上げた
ただね
ただ
愛しているんだ
混線した電波模様
パルスを送る
ぴぴぴ
ぴぴぴ
黒猫が雑居の建物の狭間で問いかける
煙草を咥えて僕はジミ・ヘンドリクスをヘッドフォンで聴いていた
紫の煙がたなびく空
絶え間ない意識の残像
永遠にフィードバックし続ける空間に
かすかな希望の残り香を感じた昨日と今日
音列の隙間に君を想った
絶望と希望の構成物質は似ている
天井の憂える隙間
天窓から零れる月明かりの下
音楽室のピアノで少女がスクリャービンを弾いた
僕は毛布に包まりウイスキーを舐めている
煙草の白い灰が落ちた
まるで欠落した記憶の様に
指先が乾燥して
傷口から赤い血が滴った
君が追いかけたものは何だい?
警官隊が問い詰める
黙秘を行使しながらコンクリートの壁越しに
青い月夜を夢想する
安易な拘束着
思想の抑制帯
精神安定剤に於ける無気力な安寧
ねえ
君を愛してる
ただ
君を愛してる
追いかけられない実態を求め
鋭利な刃物で喉元に突き付けられる罪と罰
そうして
いつまでも影踏みの様に残り香を追い求めた
永遠
永遠に辿り着けない理想郷
黒猫が尋ねる
君が追いかけたものは何だい?
バーボンの甘ったるい香りに酔う
現実界隈の誹謗中傷憎しみ
お願いだから
雑居ビルの飲み屋の非常階段で
胃液を吐いた
警官隊だ
やがて彼等は武装にて
この混乱した状況に終止符を打つだろう
何人かの友人が拘束され
残された何人かが異国に逃亡する
この国に黒猫と僕だけが残された
毎日の繰り返しの中
たまに夢を見るんだ
皆が集まり楽器を持って
白ワインのボトルを回し飲みした冬の出来事
無邪気に君が微笑んでいた一枚の写真
拘束されたのだ
邪気の無い自分自身の思想に
ねえ
なにか弾いてあげる
少女が呟いた
僕は坂本龍一を弾いてくれるようにお願いした
戦場のメリークリスマス
ピアノの音が空虚な部屋にそっと響いた
僕はどうしょうもなく泣いていた
やがてワインのボトルが空いた
取り残されたのだ
仲間や時代や夢や希望に
君が追いかけたものは何だい?
黒猫が美術館の入り口で尋ねる
僕は途方に暮れて空を見上げた
ただね
ただ
愛しているんだ
混線した電波模様
パルスを送る
ぴぴぴ
ぴぴぴ