悲哀
2024-10-28 | 詩
混濁した意識領域に於いて
不穏な現象はいつも夢見がちで
困惑した意識の羅列のその背景には
きっといつだって狂気を孕んだ卵の化石を内包している
夜
青い月明かりの下
青い道化師の僕等は赤い口紅をひいた口元で
偽証の微笑みを繕うのだ
それほど他愛も無く
呆れるほど青い空
空虚さの陰影を背景に
真夏の音楽室で
君は急に演奏を止めた
音楽教師が苛々と言葉をぶつける
どうして合図も無しに演奏を止める?
早く楽器を持ちなさい
指揮棒をヒステリックに振り回す教師に
君は構わず冷徹に言い放つ
狂ってますよね、調弦。
何処かで蝉が鳴いている
それももしかしたら幻聴にしかすぎないのだろうか?
白い壁
黒い制服の彼等が故郷に帰るのだ
行こう。
誰かがそう云った
何処へ?
僕は不思議そうに尋ねた
家に帰るんだよ
家?
暑い日差しが窓から容赦なく射し込む
帰る場所を失った僕の
記憶はきっと
あの古井戸の中
青いビー玉と共に静かに眠っているのだ
世界の調弦は狂っているのだ
たぶん
皆その事にきずいているけれど
あの日の君の様に
声に出して言及する者はいなかった
お休みの日に
友人に勧められた
ミルラベルガモットを焚いた
部屋の明かりを消して
バッハのリュート組曲を流した
緊張した意識が弛緩する
ゆっくりとストレッチをした
呼吸
息を吸う音
吐く音
考えない様に
何もかもを
モノクロームに薄れてゆく記憶
やがて全てが失われる
アルコール消毒された病室の様に清潔に
それは怖いことなの?
少女が尋ねる
怖くはないさ。
ただ、
ただ?
哀しいんだ。
哀しいんだ。
真夏の青
どうしようもなく
切なく哀しい記憶
僕等は
不穏な現象はいつも夢見がちで
困惑した意識の羅列のその背景には
きっといつだって狂気を孕んだ卵の化石を内包している
夜
青い月明かりの下
青い道化師の僕等は赤い口紅をひいた口元で
偽証の微笑みを繕うのだ
それほど他愛も無く
呆れるほど青い空
空虚さの陰影を背景に
真夏の音楽室で
君は急に演奏を止めた
音楽教師が苛々と言葉をぶつける
どうして合図も無しに演奏を止める?
早く楽器を持ちなさい
指揮棒をヒステリックに振り回す教師に
君は構わず冷徹に言い放つ
狂ってますよね、調弦。
何処かで蝉が鳴いている
それももしかしたら幻聴にしかすぎないのだろうか?
白い壁
黒い制服の彼等が故郷に帰るのだ
行こう。
誰かがそう云った
何処へ?
僕は不思議そうに尋ねた
家に帰るんだよ
家?
暑い日差しが窓から容赦なく射し込む
帰る場所を失った僕の
記憶はきっと
あの古井戸の中
青いビー玉と共に静かに眠っているのだ
世界の調弦は狂っているのだ
たぶん
皆その事にきずいているけれど
あの日の君の様に
声に出して言及する者はいなかった
お休みの日に
友人に勧められた
ミルラベルガモットを焚いた
部屋の明かりを消して
バッハのリュート組曲を流した
緊張した意識が弛緩する
ゆっくりとストレッチをした
呼吸
息を吸う音
吐く音
考えない様に
何もかもを
モノクロームに薄れてゆく記憶
やがて全てが失われる
アルコール消毒された病室の様に清潔に
それは怖いことなの?
少女が尋ねる
怖くはないさ。
ただ、
ただ?
哀しいんだ。
哀しいんだ。
真夏の青
どうしようもなく
切なく哀しい記憶
僕等は