月明かり
2013-02-06 | 詩
眠れない夜には
孤独を打診する
伝線から伝わる電気信号の哀しみ
表情から覗える困惑は
決して運命だけに羅列されたものでは無い
赤い水筒から水を飲み
優しい夜の世界に居場所をようやく見つけた午前三時
ここだよ
誰かの声がした
そんな気がした
何時かの現世に於ける僕自身のアリバイは
容易に失われ
縮図された世界地図の中には
到底存在を確認できない
試算される夢と現実の対比
ここだよ
青い月の夜
窓から抜け出した僕らは
甘美な月明かりの下で
誰も知らない歌を歌った
君の口笛が
緑の草原に鳴り響いた
なんの旋律だい?
僕の質問に君は微笑んだ
遠い見知らぬ国の昔の歌だよ。
それから君は煙草に灯を点け
深々と深呼吸をして
通り過ぎた過去に振り向き
手のひらを軽く振って何処かへ消えてしまった
残された僕は君が最後にくれた青いビー玉を
ポケットの中で握り締めている
握り締めているのだ
ずっと
控えめな汽笛が鳴り
遠い外国に向かう船が厳かに出航した
眠れない夜には
孤独を打診する
我々は現世に表出した夢の名残で
いつか何処かに消えてゆく
気に入りのレコードを
エンドレスで流し続ける様に
世界に生まれ
消失し
幾度と無く生まれ変わるのだ
ここだよ
夜の子供たち
僕らは無数の世界の螺旋状の階層に於いて
泣き微笑み怯えて暮らす
瞬間の柔らかな毛布に包まり
あの少年時代の如く
夜の夢想に余念が無い
ただ心が震えるのだ
ただ其れだけの戯言
眠れない夜には
草原に鳴り響いた君の口笛を想い出すだろう
いつか
その旋律が輪郭を失い
想い出せなくなる日まで
ここだよ
眠れない夜に
僕は君を想う
青い月夜だったね
いつでも
永遠に明けること無い
月明かりの下
孤独を打診する
伝線から伝わる電気信号の哀しみ
表情から覗える困惑は
決して運命だけに羅列されたものでは無い
赤い水筒から水を飲み
優しい夜の世界に居場所をようやく見つけた午前三時
ここだよ
誰かの声がした
そんな気がした
何時かの現世に於ける僕自身のアリバイは
容易に失われ
縮図された世界地図の中には
到底存在を確認できない
試算される夢と現実の対比
ここだよ
青い月の夜
窓から抜け出した僕らは
甘美な月明かりの下で
誰も知らない歌を歌った
君の口笛が
緑の草原に鳴り響いた
なんの旋律だい?
僕の質問に君は微笑んだ
遠い見知らぬ国の昔の歌だよ。
それから君は煙草に灯を点け
深々と深呼吸をして
通り過ぎた過去に振り向き
手のひらを軽く振って何処かへ消えてしまった
残された僕は君が最後にくれた青いビー玉を
ポケットの中で握り締めている
握り締めているのだ
ずっと
控えめな汽笛が鳴り
遠い外国に向かう船が厳かに出航した
眠れない夜には
孤独を打診する
我々は現世に表出した夢の名残で
いつか何処かに消えてゆく
気に入りのレコードを
エンドレスで流し続ける様に
世界に生まれ
消失し
幾度と無く生まれ変わるのだ
ここだよ
夜の子供たち
僕らは無数の世界の螺旋状の階層に於いて
泣き微笑み怯えて暮らす
瞬間の柔らかな毛布に包まり
あの少年時代の如く
夜の夢想に余念が無い
ただ心が震えるのだ
ただ其れだけの戯言
眠れない夜には
草原に鳴り響いた君の口笛を想い出すだろう
いつか
その旋律が輪郭を失い
想い出せなくなる日まで
ここだよ
眠れない夜に
僕は君を想う
青い月夜だったね
いつでも
永遠に明けること無い
月明かりの下