予防接種
2011-11-14 | 詩
予防され阻害され排他され除外される
沈黙を差し出し
己の自我を埋没させる
酒場にて
酔っ払い相手にギタリスト
魔法にかかったその指先から
旋律は流れ
でも
いつかうらびれた酒場の隅っこで
忘れ去られた音楽をやってみたいのだ
僕は
街は綺麗になった
小奇麗な服装と髪型
床屋はまるで装いを変えた
月のピッチカート
星のアルコ
チェロの音色が好きだ 最近は
宮沢賢冶の「セロ弾きのゴーシュ」の様に
チェロが弾きたい
萩原 朔太郎
「猫街」
開いたページの一行に
「これは人間の住む世界ではなくて、
猫ばかり住んでいる町ではないのか。」
現実では
野良猫は駆逐され飼い猫は去勢された
300年前の音楽なんて
一体全体誰が好んで聴くのだろう
メッセージが白々しく想う
予防された文脈の中で
芸術や音楽に身を捧げるなんて行為は
忙しい生活に埋没されるのだ
皆が寝静まった頃に
小さなヴォリーュムで
ラヴェルの
「亡き王女のためのパヴァーヌ」
を鳴らす
ウイスキー三杯分なら
ハウリン・ウルフのだみ声も
趣が感じられるのだから不思議だ
それだけが
それだけが
唯一残された時間
夢
意見を求められてもね
混乱するだけさ
世界は予防接種されているのだからね
やがて消え行く
沈黙を差し出し
己の自我を埋没させる
酒場にて
酔っ払い相手にギタリスト
魔法にかかったその指先から
旋律は流れ
でも
いつかうらびれた酒場の隅っこで
忘れ去られた音楽をやってみたいのだ
僕は
街は綺麗になった
小奇麗な服装と髪型
床屋はまるで装いを変えた
月のピッチカート
星のアルコ
チェロの音色が好きだ 最近は
宮沢賢冶の「セロ弾きのゴーシュ」の様に
チェロが弾きたい
萩原 朔太郎
「猫街」
開いたページの一行に
「これは人間の住む世界ではなくて、
猫ばかり住んでいる町ではないのか。」
現実では
野良猫は駆逐され飼い猫は去勢された
300年前の音楽なんて
一体全体誰が好んで聴くのだろう
メッセージが白々しく想う
予防された文脈の中で
芸術や音楽に身を捧げるなんて行為は
忙しい生活に埋没されるのだ
皆が寝静まった頃に
小さなヴォリーュムで
ラヴェルの
「亡き王女のためのパヴァーヌ」
を鳴らす
ウイスキー三杯分なら
ハウリン・ウルフのだみ声も
趣が感じられるのだから不思議だ
それだけが
それだけが
唯一残された時間
夢
意見を求められてもね
混乱するだけさ
世界は予防接種されているのだからね
やがて消え行く