立秋とは秋が始まる日のことです。しかし立秋にあたる8月7日頃は暑さの全盛期で、実際に「秋」を感じるには1カ月ほど後の「今でしょ!」。秋を感じ始める今は「食欲の秋」と言われるほど、食に対する意識をしてみたいと思います。
食べ物の自給率はカロリーベースで38%と、昭和40年度(1965年度)73%と比較し、日本人の食生活が徐々に変化しました。国内で自給できるお米の消費が減り、肉類や油脂類の消費が増えたことから、全体の自給率が低下してきた大きな要因です。
地平線まで見渡すような広大な農地で生産する外国の穀類と、狭い農地で生産する日本の小麦、大豆、とうもろこしなどは、生産コストで大差があります。
日本産の食べ物だけで、国民全員に必要なカロリーを賄おうとすると、献立はどうなるか、農林水産省が例を示すと、夕食は「茶わん1杯の白米に、野菜炒め2皿、焼き魚1切れ」タマゴは2週間に1個程度らしいのです。
戦後の日本は、急激な経済成長とともに食生活は大きく変わり、外食が増え、コンビニエンスストアでの弁当やお総菜などの普及、食べ方も大きく変化しました。豊かな食生活を支えているのは、輸入された食べ物や飼料などが実態です。
地球の温暖化に伴う食べ物の生産危機、コロナ下の国境閉鎖や紛争によるなど、「食べ物は輸入すれば良い」と、のんきに構えていられない状況ではないでしょうか。
終戦後の食べ物のない時代を過ごしてきた世代は、荒れた畑も耕して、少しでも食べ物を作ろうという気になりかけていると思うのです。