一定の年齢になると自動車の運転免許を取得し、多くの人が自動車運転をすれば自動車が売れるという様に、日本の自動車産業が戦後の復興に大きく貢献し、今もなお影響を及ぼしています。
一方、高齢者が増えれば、やがて望むと望まざるにもかかわらず、福祉機器の使用が増し、シルバー機器産業は発展していくと思います。
政府が公表している高齢者増加の推移と将来推計によると、2025年に日本の総人口における65歳以上の割合は30%をこえるといいます。この傾向は以降も継続し、2055年には日本の総人口の約4割が65歳以上になるというのです。
AI(人工知能)による自動運転が進めば、高齢者が自動車を運転するための認知機能検査や運転免許そのものも必要がなくなります。今はまだ実験段階でしょうが、私が自動車運転免許を取得した頃は「カーナビ」など発想すらない夢のような世の中でした。
介護保険制度ができて、国内の福祉機器の開発は飛躍的に進歩し、機器を使う顧客は10年間で10倍になったといいます。健康な人でも高齢になれば老眼鏡や補聴器、入れ歯も必要でしょうし、杖(つえ)が必要な人も増えることでしょう。
歩行が困難になれば、補助の機器が必要で、機能の高い製品開発も進んでいます。介護については紙おむつなど介護用品、車椅子や電動ベッド、簡易トイレ、義手・義足、介護ロボット機器など、日本は高い技術力があり、福祉先進国の北欧に発信できるほど力量があると思うのです。
介護施設の運営や介護技術の進歩と伴に、これらを輸出する事も考えられ、今までの課題を整理して、その国に適した介護モデルを作ることが求められます。