⬛観戦記
2021年J2第3節。1勝1敗で迎えたV·ファーレン長崎はホームで愛媛FCと対戦。
開幕戦はなかった幟が出ています。やはりあると違いますね。
この2人はやっぱり撮る!
今回はV-LOVERSシルバー会員の招待券でA席。少しゆとりを持って入り、いい席を取れました。
2021年のイヤーブックもようやく発売。アカデミー選手を確認するために毎年開幕したら買うので、これがないと始まりません。
安心したら今回も飲みます。
スタグルはフライドポテトとロコモコ丼。何度か言っている気がしますが、ご飯ものは本当にありがたいです。
食べていたらヴィヴィくんが場内グリーティングに。バックスタンド前のDEJIMAシート(ピッチサイドシート)に人がいなかったので座ります。バクスタはそれで盛り上がったらしい。座るだけで沸かせるヴィヴィくんさすが。
愛媛サポさんにもごあいさつ。
皆さんが手を振ったり写真撮ったりしているのを上から微笑ましく見させてもらいました。
今日もヴィヴィくんは人気者です。
⬛試合レビュー
さて、試合は1-1のドロー。勝てた試合だけに厳しい結果ではあります。
長崎は4バックに戻してきました。どうも新潟戦は変化を加えすぎな気がしたので、少しほっとしました。トップ下に加藤大、左サイドハーフにルアンというのは狙いが気になります。そして、楽しみな亀川の復帰。
愛媛の予習はしていないのですが、37秋元、2浦田、11近藤といった選手たちは新加入とはいっても過去にも愛媛に在籍していたので、違和感がありませんね。
監督が変わったので、その点はどうか。
·愛媛の狙いを持ったプレッシング
試合を通して長崎が保持、愛媛が非保持と括って良いと思います。データ的にも長崎が67%のポゼッション率となりました。
ただ、愛媛はおそらくそれは想定内だったろうと思います。長崎のボール保持からの前進の形はある程度わかった上でのプレッシングをしてきたようにしか見えませんでした。
長崎は保持すると秋野がセンターバックの間か横に落ちて3バック化して数的優位を作って繋ごうとします(サリーダ·ラボルピアーナ)。昨年は多くのチームが撤退してブロックを作らざるをえないような展開に持ち込めていましたが、この愛媛は前から奪いに来ました。
長崎の3バックの真ん中にはFW、ボランチの位置にいるカイオにはもう一人のFW、3バックの外側には同サイドのサイドハーフ、サイドバックには同サイドのサイドバックを当てるプレッシング。
前半の展開としては、失点前と失点後に分けられるかなと。
失点する前までは、長崎が上手く愛媛のプレッシングを外して前進しチャンスを作れていました。愛媛のプレスにはめられそうなら無理はせず下げてやり直し。サイドバックからサイドハーフへのダイレクトパスや秋野、新里の持ち運びを織り混ぜながら空いたところ空いたところを突くことが出来ていました。加藤大が間で受けてシンプルに叩くことでさらに前進が可能に。そこが一つの狙いだったかなと。そして、愛媛サイドバックがプレッシングに参加するがゆえに裏を取りやすくなる亀川。ルアン、加藤が絡む流れで水を得た魚のようにポケットを取るところは素晴らしかったです。
ただ、それが点に繋がらなかったのは課題でしょうか。ポケットを取った段階でゴール前で準備出来ているのが富樫と名倉だけという場面が多かったので、もう少し工夫や厚みを持たせたいところ。
失点の場面は完全にはめられたパターンで正直に加藤に出してしまったのが悪手となってしまいました。二人がかりで奪われ、ショートカウンター。川村の持ち運んでからのシュートが良かったですね。左利きの川村を右に置いているのもプラスに作用しました。
ここから長崎の前進が上手くいかなくなります。
この理由はシンプルに、得点したことで愛媛の選手たちにパワーが加わったことだと思います。失点前までは寄せなかったり、寄せ方が甘かったりしたところを来るようになったと感じました。生で見ているときは長崎のペースが落ちたように感じていました。見返すとそこまでではないように見えました。仕方ない時間だったかなと。
·相手を惑わせるプレーが出来る長崎
後半立ち上がりは愛媛保持の時間が数分ありました。サイドから長崎キーパーとディフェンスの間にスピードのあるクロスを入れて、中と大外に飛び込むのはシンプルですが効果的だったように思います。これに終盤も脅かされますが、よく守ってくれたと思います。
その直後から長崎の時間。一連の決定機に繋がる48分のコーナーキックを取るまでの前進と崩し。二見→亀川→秋野と回す間にルアンと加藤が入れ替わると、愛媛の選手の目線が追いつかず、ルアンが受けて加藤がサイドバック裏を取り、富樫へクロス。コーナーキックの流れから富樫と名倉のシュートは秋元に防がれますが、可能性を感じさせる場面でした。
そして、51分の同点ゴールの場面。秋野が持ち上がると相手は侵入を防ぐために真ん中をケアしながら下がらざるを得ず、右タッチライン際に進出した新里が少しフリーになって受けると同時に加藤が裏を取るふりをしてライン間に落ちて受け、またフリー。そのタイミングで今度は富樫が裏に抜け、加藤からのパスを得点という場面でした。
この2つの場面は今の長崎のストロングポイントを表していると言えます。
「ポジションチェンジ」→ルアン、加藤
「後ろの選手のドリブルでの持ち上がり」→秋野
「マークを外す動き」→加藤、富樫
相手の守備が規則的であるほど、こういうプレーが相手を惑わせ、スペースと時間を得られることになります。ただし、これには味方同士では理解し合う必要があるという問題がありますが、長崎の場合はここまでは新里以外は昨年からプレーしているメンバーなので、出せた部分かなと。
·続く、都倉を生かすという課題
ただ、逆転ゴールには繋がらず、66分カイオに代えて玉田、富樫に代えて都倉を投入。投入直後などは形が作れたように思いましたが、まだ都倉はチームとして生かしきれてないかなと。
例えば、都倉のポストプレーを玉田が前向きで受け、空いたサイドに展開して前進というのはありだと思います。
ただ、この試合に関していえば、亀川とカイオがコンディションに不安があったためか交代してしまったことや、終盤になるにつれて逆転ゴールを取りに行くという部分でややスクランブルにならざるをえなかったというところで、崩しの形が曖昧になってしまったかなと。
終盤の愛媛の決定機もあり、負ける可能性もあった中で、受け入れるしかない引き分けかなと思います。
·あとがき
愛媛の強度があったことと、フィニッシュと都倉とのコンビネーションの部分に課題があったことで勝ちに繋がらなかったかというのはありますが、昨年からいる選手のコンビネーションは良くなっていると思いますし、もっと良くなる余地はあるように思います。
個人的に武器を磨いてほしいし、新潟戦のようなことはあまりやらないでほしい…。
ただ、ここまで対戦した3チームはプレーモデルがしっかりあって、強度もあったので、これからもどんな相手でも厳しい戦いになりそうなので、一試合一試合しっかり自分たちを信じて戦ってくれればというのが願いです。