獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

ゼレンスキー大統領とトランプ、バンスの口論(その3)

2025-03-10 01:41:27 | 政策・政治

d-マガジンで興味深い記事を読みました。
引用します。


ニューズウィーク日本版 3月11日号

世界で炸裂するトランプの理不尽外交
__ゼレンスキーを独裁者呼ばわりし、国連総会でロシアに擦り寄り、欧州とは距離を置く――その先にあるものは?
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

(つづきです)

黄金期という愚かな錯覚
いずれにせよ、トランプはアメリカにとって最も古く、最も豊かで、最も信頼できる欧州の同盟諸国を遠ざけようとしている。状況は既に手遅れなのかもしれない。
2月23日に行われたドイツの総選挙ではキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が第1党となり、フリードリヒ・メルツCDU党首が次期首相になることが確実になった。その翌日、メルツはテレビ記者にこう語った。「できるだけ早く欧州を強化し、アメリカからの独立を徐々に達成することが絶対的な優先事項だ。テレビでこんなことを言う日が来るとは思わなかったが、ドナルド・トランプの最新の発言を見る限り、この男、この政権が欧州 の運命などほとんど気にしていないことは明らかだ」
トランプは信じているのかもしれない。アメリカに同盟国は必要ない、特に自分のような優れた指導者がいるなら、敵か味方かを問わず一度に1人の相手との交渉で済む限り単独でもやっていける……。
「大きく美しい海が私たちを隔てている」と、トランプはマクロンとの共同記者会見で宣言した。20世紀が始まる前後の数十年間は、まさに海がその隔たりをもたらした。ばかげたことに、トランプはその時代を平和と繁栄の黄金期と考えている。
第1次大戦の勃発により幻想は砕け散った。戦争の余波の中、多くのアメリカ人は旧世界の「力の政治」の恐怖から逃れることを切望し、孤立の夢を紡ぎ、そして第2次大戦に突入した。
プーチンはここ数週間、ロシア帝国の復活という自らの狂った夢が実現する可能性に有頂天になっているかもしれない。習は台湾を征服するという夢を実現するために、どのような教訓を生かすことができるかを熟考している。金は朝鮮半島の統一を強行する可能性を考えているかもしれない。
これに対して韓国の指導層は、トランプがアメリカの安全保障の傘を畳むのを見て、自国で核抑止力を構築すべきかどうかを考えている。
重い力学が働いている。トランプはこの状況をのんきに見過ごしている可能性があり、加えて彼の安全保障チームはアメリカ史上最も経験のない追従者たちで構成されている。
アメリカの議会と行政府の一握りの人々だけが、この事態に歯止めをかける知識と能力を持ち得る。歴史は息を潜めてその時を待つ。

 

 


解説
プーチンはここ数週間、ロシア帝国の復活という自らの狂った夢が実現する可能性に有頂天になっているかもしれない。習は台湾を征服するという夢を実現するために、どのような教訓を生かすことができるかを熟考している。金は朝鮮半島の統一を強行する可能性を考えているかもしれない。
これに対して韓国の指導層は、トランプがアメリカの安全保障の傘を畳むのを見て、自国で核抑止力を構築すべきかどうかを考えている。
重い力学が働いている。トランプはこの状況をのんきに見過ごしている可能性があり、加えて彼の安全保障チームはアメリカ史上最も経験のない追従者たちで構成されている。

恐ろしいことに「独裁者」トランプの周りには追従者しかおらず、彼らはアメリカ史上最も経験のない者たちだというのです。
誰もトランプの妄想を抑える人がいないとは……


獅子風蓮


ゼレンスキー大統領とトランプ、バンスの口論(その2)

2025-03-09 01:21:29 | 政策・政治

d-マガジンで興味深い記事を読みました。
引用します。


ニューズウィーク日本版 3月11日号

世界で炸裂するトランプの理不尽外交
__ゼレンスキーを独裁者呼ばわりし、国連総会でロシアに擦り寄り、欧州とは距離を置く――その先にあるものは?
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)


もう行きすぎとしか言いようがない。ドナルド・トランプは外交面で、歴代の米大統領の誰よりも多くの「あり得ない」行動に出た。
ウクライナの国民に支持されるウォロディミル・ゼレンスキー大統領を「独裁者」と呼んで糾弾。ウクライナも欧州諸国も外す形で、ウクライナ戦争の和平協議をロシアと模索。ドイツの総選挙ではネオナチ政党にほぼ肩入れした。 
特に2月24日には想像を絶することをした。ウクライナ戦争をめぐってロシアの味方に付いたのだ。この戦争の意味について、彼はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の見解に全面的に賛同した。過去15年の米外交からの根本的な離脱はこの日、3つの段階を踏んで起こった。
まず、ロシアのウクライナ侵攻に対する国連の非難決議案をめぐって。それは侵攻から丸3年という節目の日に、国連総会がウクライナ支持を鮮明にするための採決だった。法的な拘束力を持つ決議ではないが、なんとアメリカは反対票を投じた。ほかに反対したのは、ハンガリーやベラルーシ、北朝鮮、ニカラグアなどまごうことなき親プーチンの国々も含めて17カ国だった。
第2段階として国連の米代表は、戦争終結を求めると言いながら、侵略国に言及しない決議案を提出。これに対し欧州諸国は、ロシアを侵略者と名指しするなど3つの修正を加えた。修正後の決議案はすんなり可決されたが、アメリカは投票を棄権した。
確かに国際的な緊張関係を和らげるため、あるいは中国の勢力拡大に対して共通の防壁を築くために、ロシアとの間で何らかの和解を図りたいという考えもある。私は以下の理由から、それに反対だ。
まず、プーチンは帝国主義的な妄想をしぼませる気など全くない。中国はロシアにとって、最も豊かで頼もしい技術の供給国。従って、ロシアがアメリカと反中同盟を結ぶと考えるのは甘すぎる。
そもそも落ち目のロシアと協力しても、アメリカが得るものはない。それでも国防次官(政策担当)に指名されたエルブリッジ・コルビーや、シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授(国際政治学)などは米ロが反中国で手を結ぶべきだと主張する。

まるでロシアの工作員
だがロシアが侵略者であることは、論をまたない事実だ。開戦は2014年。クリミア半島を併合し、東部ドンバス地方の分離独立派を支えるために特殊部隊を派遣した。いずれドンバス地方も併合しようという魂胆は明白だった。これは小競り合いなどではなく、その後8年間で1万4000人以上が命を落とした。さらにウクライナ全土への多角的な侵攻作戦へと拡大すると、プーチンはこの国の完全消滅が目的だと宣言した。
3段階目はホワイトハウスで。欧州諸国のウクライナ政策を協議するために訪れたフランスのエマニュエル・マクロン大統領との共同記者会見の時だ。プーチンを「独裁者」と呼ぶかと尋ねられたトランプは、「私はそういう言葉を軽々しく使わない」と答えてはぐらかした。
だが、わずか5日前にトランプはゼレンスキーを独裁者と呼んでいた。トランプに言わせるなら、ゼレンスキーは6年にわたり選挙を実施しておらず、その間に支持率は4%にまで落ち込んだ。実際にはウクライナはロシアの侵攻を受けて戒厳令下にあり、憲法の定めによって選挙が禁止されている。また独立系の世論調査によると、ゼレンスキーの支持率は57%ある。
対するプーチンは不正選挙、反体制派の殺害、言論の自由の弾圧など、独裁者のやりそうなことをたくさんやってきた。国際刑事裁判所(ICC)から戦争犯罪の容疑で逮捕状を出されてもいる。
トランプについては以前から、ロシアの工作員ではないかという疑惑がある。私は違うと思うが、仮にそうだとしてもトランプの行動は今とさほど変わらないだろう。それより彼の行動について納得のいく説明は、トランプは単に独裁者に憧れ、独裁者になりたがっているというものだ。
トランプは18年、北朝鮮の金正恩総書記と初の首脳会談を行った直後、インタビューで彼についてこう語った。
「彼は一国のトップだ。強いトップだ。彼が話すと国民は背筋を正して注目する。私も国民にそうしてほしい」
同じように大統領選直前の昨年10月、トランプはインタビューで中国の習近平国家主席を「すごい人物」と評した。
「14億の人々を鉄拳で支配している。聡明な男だ」。つまり、強権で多くの人々を支配することはすごいことであり、聡明な男でなければ成し遂げられない、というわけだ。
トランプはそんな人物になりたいのだ。彼はホワイトハウスに返り咲いて最初の1カ月間で、国内の民主的なプロセスや国外の民主的な指導者に特別な愛情や思い入れがないことを示した。民主的プロセスは煩わしく、同盟国との拘束力のある関係は高くつくと彼は感じている。
トランプの姿勢は、現実的政治理論の最も粗野なバージョンと大きく重なる。この理論では外交政策の形成に価値観は関係なく、大国は広大な影響圏を支配する権利があるとされる。
この考え方の多くの問題点の1つは、ある国の勢力圏の拡大は他国の目には帝国主義的な拡張と映る可能性があることだ。このような世界ではパワーバランスが微妙になるかもしれないし、戦争という大惨事がもたらされるかもしれない。

(つづく)

 


解説
だがロシアが侵略者であることは、論をまたない事実だ。開戦は2014年。クリミア半島を併合し、東部ドンバス地方の分離独立派を支えるために特殊部隊を派遣した。いずれドンバス地方も併合しようという魂胆は明白だった。これは小競り合いなどではなく、その後8年間で1万4000人以上が命を落とした。さらにウクライナ全土への多角的な侵攻作戦へと拡大すると、プーチンはこの国の完全消滅が目的だと宣言した。


日本でも、ウクライナ戦争の最初の責任はウクライナ側にあるなどと主張する政治家がいます。
佐藤優氏を情報源とする鈴木宗男氏です。
佐藤氏や鈴木宗男氏の情報は偏りが見られるので注意が必要です。


それより彼の行動について納得のいく説明は、トランプは単に独裁者に憧れ、独裁者になりたがっているというものだ。
トランプは18年、北朝鮮の金正恩総書記と初の首脳会談を行った直後、インタビューで彼についてこう語った。
「彼は一国のトップだ。強いトップだ。彼が話すと国民は背筋を正して注目する。私も国民にそうしてほしい」
同じように大統領選直前の昨年10月、トランプはインタビューで中国の習近平国家主席を「すごい人物」と評した。
「14億の人々を鉄拳で支配している。聡明な男だ」。つまり、強権で多くの人々を支配することはすごいことであり、聡明な男でなければ成し遂げられない、というわけだ。
トランプはそんな人物になりたいのだ。彼はホワイトハウスに返り咲いて最初の1カ月間で、国内の民主的なプロセスや国外の民主的な指導者に特別な愛情や思い入れがないことを示した。民主的プロセスは煩わしく、同盟国との拘束力のある関係は高くつくと彼は感じている。

なるほど、トランプは独裁者になりたいのか。
納得しました。「アメリカ・ファースト」は、アメリカ帝国主義という意味だったのですね。

彼の周囲に、彼を諫める者が誰もいないという悲劇。
ここは民主主義を標榜する西側諸国の首脳が一致団結して、トランプを抑えるべきです。


獅子風蓮


ゼレンスキー大統領とトランプ、バンスの口論(その1)

2025-03-08 01:42:14 | 政策・政治

d-マガジンで興味深い記事を読みました。
引用します。


ニューズウィーク日本版 3月11日号

ホワイトハウスのリアリティーショー
サム・ポトリッキオ (本誌コラムニスト、ジョージタウン大学教授)

ロシアとウクライナの戦争は、アメリカ史上最もシュールな大統領執務室のエピソードによってテレビのリアリティー番組まがいの展開を見せた。ところでウクライナ人とロシア人は、トランプ米大統領の戦争への介入をどう考えているのだろう。
ウクライナ側の意見は多様な民主主義国家の例に漏れず、一枚岩とは言い難い。昨年12月に行われたキーウ国際社会学研究所(KIIS)の世論調査によると、45%がトランプ大統領の誕生で平和が近づくと答えた一方、31%がそのような平和はほとんど、あるいは全く不公正なものになると考えていた。
ウクライナ人は当初、トランプの再登場が何をもたらすかについて意見が割れていた。だがトランプが交渉に乗り出すと、空気が一変。独立系の調査機関レイティングによれば、ウクライナが直接関与しない米ロの和平交渉は裏切り行為だという回答が91%に達した。
トランプはウクライナのゼレンスキー大統領に「独裁者」のレッテルを貼る一方で、プーチンをそう呼ぶことを拒否。ゼレンスキーを「そこそこ成功したコメディアン」呼ばわりし、国連大使に命じてロシアの侵攻を非難する決議に反対票を投じさせた。
ネット上では、ロシアを支持する独裁国家とアメリカを並べて非難するウクライナ人の投稿が拡散。そしてアメリカ史上最もシュールな大統領執務室のシーンが放映されたとき、彼らの怒りは頂点に達した。
ゼレンスキーにひれ伏して助けを乞わせようとしたバンス副大統領への嫌悪感と、自分たちの大統領が「いじめっ子」に屈しなかったことへの誇り。ある投稿にはそんな気持ちが表現されていた。
「トランプとバンスには品位がない。私たちにはある。トランプとバンスには良心がない。私たちにはある。トランプとバンスには敬意も思いやりも礼儀も気高さも良識がないが、私たちにはたくさんある。彼らには勇気さえないから、このシーンで私たちを辱めようとした」
あるウクライナの友人は私にこんなメー ルを送ってきた。
「祖国防衛のために軍を奮い立たせたければ、私たちを辱めようとするこの卑劣な試みを見せるといい」
一方、ロシアの世論は戦争終結に傾いている。一刻も早い戦争終結につながる和平交渉を望むロシア人は、戦争が始まって以来最も多い。3年間の戦争で疲弊したロシア人は社会の正常化を望んでいる。時間の経過とともに戦死者は増え続け、いつか子供たちが徴兵されることへの懸念も高まり、戦争の影は一般家庭にも忍び寄っている。
ロシア人にとって、トランプの大統領復帰は停戦に向けた天の恵みだ。ただし悲観論者のロシア人らしく、自分たちに有利な結果にはならないかもしれないという思いも根強くある。1期目のトランプはプーチン寄りの発言を4年間続けたが、ロシアが最も領土を拡大したのはオバマ、バイデン両政権の時代だった。
この警戒心は世論調査にも表れている。ロシア世論・市場調査センターによれば、ロシア人の61%がトランプに対して中立的で、肯定的なのは22%、11%が否定的だった。トランプ政権での対米関係については強気な見方が多く、改善するが33%、34%が変化なし、13%が悪化すると答えた。
だがトランプが大統領執務室でゼレンスキーを叱りつけたことは、ロシア側にとって望外の喜びだったようだ。メドベージェフ前大統領はX(旧ツイッター)にこう投稿した。「あの横柄な豚がついに大統領執務室でしかるべき叱責を受けた。トランプは正しい。キエフ政権(ウクライナ)は 『第3次世界大戦をギャンブルの種にしている』」

 


解説
トランプが大統領執務室でゼレンスキーを叱りつけたことは、ロシア側にとって望外の喜びだったようだ。

ウクライナ戦争を仕掛けた張本人であるロシアを喜ばせ、ロシアの侵略に耐えてここまで頑張ってきたゼレンスキー大統領を侮辱したトランプを、私は許せません。
トランプは、ウクライナへの軍事支援を一時的に停止すると脅しをかけています。
ここは、日本を含めた西側諸国の結束で、ウクライナを支え、トランプを翻意させるところだと思います。


獅子風蓮


保険証廃止をなんとか阻止したい。(その2)

2023-12-18 01:47:54 | 政策・政治

d-マガジンで、興味深い記事を読みました。

「マイナ保険証」の推進により来年秋に保険証が廃止されたら、医療現場に大きな混乱をもたらすだろうというのです。

引用します。


サンデー毎日 2023年12月24日号
現行の保険証廃止なんて メチャクチャだ!
荻原博子が徹底追及


(つづきです)


マイナカードの
偽造が横行

今まで、保険証1枚で何のトラブルもなく済んでいた病院の窓口業務ですが、来年の秋以降の保険証の廃止によって、業務が何倍にも膨れ上がるだけでなく、マイナカード絡みの犯罪にも警戒が必要です。
12月に入り、マイナカードを偽造する拠点が警視庁などで摘発されました。中国の指示役から送られてきた顔写真や住所などのデータを元に、偽のマイナカードを作っていた中国人女性が逮捕されました。押収されたパソコンには、約3000枚の偽造カードのデータが残されていたとのことです。
偽造されたカードは身分証として使われます。たとえば、携帯電話を作る際には身分証が必要ですが、このカードがあれば怪しまれずに作ることが可能です。こうしたカードを組織的に大量生産し特殊詐欺やフィッシング詐欺などの犯罪に使うのでしょう。
こうした犯罪を防ぐために、政府は新たにセキュリティーの高い「新マイナンバーカード」 を2026年に発行する予定。ただし、マイナカードの有効期間は10年なので、最近カードを取得したという人は、有効期限が切れるまでは今のカードを使わなくてはなりません。
新マイナカードができると大変なのは、病院の窓口です。今のマイナカードの隣に新マイナカードの読み取り機も並べて、すべて新マイナカードに移行するまでの10年間は、2つの機械のランニングコストを支払い続けなければなりません。


税金の垂れ流し

岸田内閣の支持率と同じで、利用率の低下に歯止めがかからないマイナ保険証。これを改善するために、政府は23年度の補正予算に、利用促進のための関連費用を887億円盛り込み ました。
この予算で、マイナ保険証を便利に使えるようにして利用率を上げるのなら話はわかりますが、なんと、そうではないのです。その うち217億円は、来年1月から11月までの平均利用率が、今年10月時点の利用率に比べて増えた医療機関や薬局に、ご褒美としてあげるお金なのだそう。金額は、利用件数や利用率の上昇幅に応じて決まるとのことです。
18カ月も実質賃金が下がり続けている中で、絞り出すように国民が払っている血税を使うのですから、まず、使い勝手を良くするために使うのが筋でしょう。ところが、政府がやろうとしていることは、カネで横っ面をひっぱたいて言うことを聞かすようなものです。既に政府はマイナ保険証を普及させるために約3兆円を使ってきましたが、この先も湯水のように税金を使い続けるはず。
ちなみに立憲民主党の試算では「資格確認書」発行のコストは約241億円。ランニングコストは毎年、最低でも5億5000万円です。


専門家が
「設計不良」と指摘

保険証だけでもこんなに不便になるのに、政府はマイナカードにパスポートや運転免許証を一体化すると言います。そうなるとどれだけ不便になり、どれだけ税金がかかるのでしょうか。そもそも、保険証もパスポートも運転免許証もマイナカードに格納してしまったら、このカードを落としたり盗まれたりした人は、どうやって本人確認をすればいいのでしょうか。マイナカードの再発行には、保険証や運転免許証などの本人確認書類が必要と書いてあります。
マイナカードについては、情報システムの研究や実践に取り組む大学や企業、行政などの専門家約300人でつくる「情報システム学会」も、「根本的な設計不良があり、それが原因で社会問題が引き起こされる懸念がある」と指摘しています。
「このまま推進すると国民にとって不利益が大きくなる」と警鐘を鳴らし、見直しを求めています。
マイナ保険証を補完する証明書類が続々と登場することで現場は混乱を極めています。「今の健康保険証を残せば済む話だ」という声もますます広がっています。立ち止まるべきです。

 

 

 


解説
保険証だけでもこんなに不便になるのに、政府はマイナカードにパスポートや運転免許証を一体化すると言います。そうなるとどれだけ不便になり、どれだけ税金がかかるのでしょうか。そもそも、保険証もパスポートも運転免許証もマイナカードに格納してしまったら、このカードを落としたり盗まれたりした人は、どうやって本人確認をすればいいのでしょうか。マイナカードの再発行には、保険証や運転免許証などの本人確認書類が必要と書いてあります。

本当にその通りですね。
保険証や運転免許証、パスポートをマイナカードと一体化して、それらを廃止した場合、マイナカードを落としたり盗まれたりした場合、再発行に際して本人確認をできないという、笑い話のような恐ろしい未来です。

専門家が、「設計不良」と指摘しているのですから、荻原さんが言われるように、ここは立ち止まり、とりあえず保険証廃止は中止すべきでしょう。

現状のまま、来年秋に保険証が廃止されたら、医療現場に大きな混乱がもたらされることでしょう。
そして、その被害は、患者とその家族に及びます。

来る総選挙では、ぜひ「保険証の存続を!」を選挙の争点にしてほしいと思います。
民意を反映することで、なんとか保険証の存続を期待したいと思います。

 

獅子風蓮


保険証廃止をなんとか阻止したい。(その1)

2023-12-17 01:27:49 | 政策・政治

現在、私のクリニックでは、カードリーダーを設置し、マイナ保険証に対応する態勢だけはとってあります。
しかし、小児科ということもあり、マイナ保険証を利用する患者はほとんどいません。
また、オンライン資格確認システムも導入してあり、受付で、パソコン画面で、受診者の資格確認をオンラインでしているのですが、いまだに資格確認ができない患者が日に数人います。
おそらく小児科だからということもあるのでしょうが、患者の保険証の情報がシステムに紐づけられていないケースが多いのだと思います。
現在は、持参してもらっている保険証で資格を確認していますが、来年秋に保険証が廃止されたら、こうした人は無保険になるので、全額を支払ってもらうことになるのか、不安でいっぱいです。

d-マガジンで、興味深い記事を読みました。

「マイナ保険証」の推進により来年秋に保険証が廃止されたら、医療現場に大きな混乱をもたらすだろうというのです。

引用します。


サンデー毎日 2023年12月24日号
現行の保険証廃止なんて メチャクチャだ!
荻原博子が徹底追及

マイナンバー制度を巡り、政府が進めてきた「総点検」の最終報告がまもなく公表される。 その結果をもって、現行の保険証は予定通り来年秋に廃止されるかもしれない。現場は今でさえ大混乱している。健康保険証の廃止反対を訴え続ける経済ジャーナリストの荻原博子氏は今からでも立ち止まるべきだと訴える。

 

マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」の利用率低下が止まりません。4月の6.3%から下がり続け、直近の10月には4.49%になりました。なんと、半年で3割減!です。
「便利」がウリで、しかも発行枚数は4月から10月まででかなり増えているのに、利用率がこれだけ減るのはなぜだと思いますか。ポイントにつられてカードを作ってはみたものの、 トラブルが続出して不安になる人が増えているからでしょう。この保険証が来年秋に廃止されたら、とてつもなく不便になることは間違いありません。
特に病院の窓口は、保険証に代わるさまざまなカードや書類、いわゆる「保険証もどき」の出現で、パニックになるでしょう。順番にみていきましょう。


「保険証もどき」
窓口も患者も混乱

現段階で想定されているものだけでも
①マイナ保険証のほかに
②暗証番号のないマイナ保険証
③マイナ保険証を取得していない人対象の「資格確認書」
④マイナ保険証でオンライン資格確認ができなかった場合の「被保険者資格申立書」
⑤マイナンバーカードと「資格確認のお知らせ」
という5つの書類やカードがあり、今ある保険証が廃止された後も1年間は暫定的に使えるので、書類やカードが入り乱れることになります。
これまでなら、年に1度、手元に送られてくる保険証を、月1回病院の窓口に出すだけで、何の不便もなく治療を受けられていた人も、保険証が廃止されたら、たくさんのカードや書類に対応しなくてはならなくなる可能性があります。
多種類の中から自分が使えるものを選んで、毎回病院に持っていかなくてはならなくなるのです。しかも、有効期限が切れたら、役所に行って更新しなくてはなりません(初回だけはプッシュ型=健康保険組合などの各保険者が、本人の申請がなくても自動的に交付する方式)。
これは、現時点で想定できる“大変さ”であって、保険証が廃止される来年秋までに、さらにどれだけの「保険証もどき」が出てきて混乱するのか想像もつきません。
なぜこれほどまでに不便なことになってしまっているのか。それはすべて計画性がなく、行き当たりばったりで進められているからです。


中途半端な
暗証番号なしカード

そもそもの間違いは、取得が任意であるマイナンバーカード(マイナカード)を半強制的に全国民に持たせるために、みんなが持っている保険証の機能をこのカードに搭載し、保険証を廃止するようにしたことです。これによって、政府は「すべての国民がマイナカードを持つ」と簡単に考えたわけです。そのために法改正までして保険証を廃止することにしましたが、中にはマイナ保険証を持ちたくないという人もいます。そういう人には、強制的に持た
せることができないので、保険証と同じような機能を持つ「資格確認書」を発行することにしました。
ところが、この2つだけでは対応できない人が出てきました。認知症の人や高齢者など、マイナ保険証を持っていても、暗証番号を覚えられない人たちです。マイナ保険証の暗証番号は3回間違えると使えなくなるので、こうした人たちに不便がないように「暗証番号のないマイナ保険証」を出すことにしました。まだ発行されていませんが、12月中には発行される予定です。ただ、この暗証番号なしカードではマイナカード取得者用サイト「マイナポータル」にアクセスすることができないので、自分の年金や医療、税金などの個人情報がどのように登録されているのかを確認することができません。マイナンバーと預金口座を紐付ける
「公金受取口座」が誤登録されていて、自分に振り込まれるはずの給付金が他人に振り込まれていても、わからないのです。また、住民票や証明書のコンビニ交付なども受けられないという中途半端なもの。
暗証番号なしの保険証の場合は顔認証か目視確認でオンライン資格確認が必要です。全国保険医団体連合会(保団連)では、保険証廃止後に30万件の目視が必要なケースが出てくる、と推定しています。その分、医療機関の窓口業務は増えることになります。


顔認証が大問題に!

実は今、この顔認証が問題になっています。
Google検索で「マイナ保険証」「医師」「YouTube」という3つのワードを入れると、出てく 検証動画があります。ある病院の院長が、自分の顔写真を引き伸ばしてお面にして女性スタッフに付けさせ、院長のマイナ保険証をカードリーダーに置いて、お面をかぶった女性が顔を近づけると、院長本人だと顔認証してしまう動画です。
これを見て、本当に顔写真で顔認証できるのか、自分の顔写真をうちわに貼って、マイナ保険証をカードリーダーにおいて試した人がいましたが、写真なのに顔認証されたと報告されています。
千葉の私の知人女性は、同僚の男性のマイナ保険証をカードリーダーにかざして、自分の顔を機械に読み込ませたら、なんと見事に顔認証されたと驚いていました。
おそらく、トラブルが起きないように、業者が機械の認証レベルを下げているのでしょうが、これでは「誰でも顔認証」になってしまいます。そのため、病院によっては「顔認証お断り」の張り紙をしているところもあります。


「10割負担」700件
 超は氷山の一角

次に出てきたのが、マイナ保険証が読み取れないトラブルです。
停電や故障、カードのICチップの破損など何らかのトラブルが起きるとマイナ保険証の情報は読み取れなくなります。それだけでなく、転職の際にデータ登録が終わっていないなどさまざまな理由で、機械は機能していても読み取れないケースが続々と発覚しました。
そうなると、病院で治療を受けた費用に保険が利かず、全額本人負担となります。こうしたケースが今年4月と5月だけでも770件を超えました。これは氷山の一角です。全国には約18万件の病院や診療所があるため、全額本人負担になったらどうすればいいのかが大問題になりました。
そこで「被保険者資格申立書」といって、
①保険証の有無
②保険種別
③保険者等名称
④事業所名
⑤保険証の交付を受けた時期
⑥一部負担金の割合
――の6項目の書き込みをして、本人か事業主が医療機関等の窓口に提出する書類が作られました。
困るのは、あまりに複雑な書類なので、大抵の人は完全な書き込みができないことです。そこで、この書類は「可能な範囲で」記入すればよいことになり、保険種別や一部負担金の割合などの項目は「わからない」の選択肢も用意されています。
これで本人の負担は少し減りますが、ただ「わからない」をチェックすると、病院の窓口や保険組合などがこれらを調べなくてはならず、事務作業の大きな負担になります。
さらに、マイナ保険証が使えない小規模な医療機関で保険診療を受けるために、被保険者番号や、窓口での自己負担割合などが記載された「資格情報のお知らせ」という新しいカード 発行されます。
ところが「資格情報のお知らせ」は簡単に作ることが可能なのです。しかも、オンライン資格確認に対応している医療機関は厚生労働省のホームページで確認できますので、未対応の病院や診療所は簡単に調べられます。
「『あの医療機関は、顔認証付きカードリーダーは使えない』と認識されてそれが広まり、『資格情報のお知らせ』でなりすましの患者が来ることが非常に懸念される」と保団連は警鐘を鳴らしています。

(つづく)


解説
これだけ問題が山積している「マイナ保険証」の利用です。
荻原さんが言われるように、ここは立ち止まり、保険証廃止は中止すべきでしょう。

「10割負担」700件超は氷山の一角

これは、私のクリニックでも実感していることです。
現状のまま、来年秋に保険証が廃止されたら、医療現場に大きな混乱がもたらされることでしょう。
そして、その被害は、患者とその家族に及びます。

来る総選挙では、ぜひ「保険証の存続を!」を選挙の争点にしてほしいと思います。
民意を反映することで、なんとか保険証の存続を期待したいと思います。

 

獅子風蓮