友岡雅弥さんは、執筆者プロフィールにも書いてあるように、音楽は、ロック、hip-hop、民族音楽など、J-Pop以外は何でも聴かれるとのこと。
上方落語や沖縄民謡にも詳しいようです。
SALT OF THE EARTH というカテゴリーでは、それらの興味深い蘊蓄が語られています。
いくつかかいつまんで、紹介させていただきます。
カテゴリー: SALT OF THE EARTH
「地の塩」という意味で、マタイによる福音書の第5章13節にでてきます。
(中略)
このタイトルのもとに書くエセーは、歴史のなかで、また社会のなかで、多くの人々の記憶に刻まれずにいる、「片隅」の出来事、エピソー ド、人物を紹介しようという、小さな試みです。
2018年9月3日 投稿
友岡雅弥
Guardian紙(2018年4月12日)によると、
イギリスでは、(今の日本全体の傾向や大阪のこの10年ほどの実態と同じですが)、保守党により、公営住宅の民間への売却、住宅手当の凍結(2016年)が行われました。
大阪の維新府政、維新市政もそうなんですが、そうすることによって、支出を減らして、財政が健全化するというのです。
では、結果としてどうなったか。
ホームレスが増加し、2010年以降、「一時的な救護施設」の利用が61%も上昇しました。
これだけではなく、医療費が払えない人たちが、医者に行けず、かえって病気が悪化して、高額医療の対象となったり。
というわけで、結果としてどうなったか?
自治体の支出は39%も増大したんです。
結局、目先の「支出カット」や「民営化」のほうが、公共への恒常的な支援よりも、財政的に高くつくわけです。
これには、正式な調査研究がありまして、
ここです。
https://www.crisis.org.uk/media/238700/homelessness_monitor_
england_2018.pdf
これをもとに、分かりやすくGuardianが記事にしてくれています。
https://www.theguardian.com/society/2018/apr/12/england-
homeless-families-temporary-housing
ヨーロッパ全域についても同じことがいえて、
例えば、フィンランドが、ホームレスの数を減少させ、財政的にも効果的だったのは
1)シェルターなどの緊急サービスではなく、住宅手当による安定した施策
2)追い出し(evictions) の予防
ホームレスは、排除すべき「悪」ではなく、ホームレスを生みだす社会の「悪」をきちんと少なくしていけば、結果として、ホームレスは少なくなる。
当たり前の話です。
「結果としてのホームレス」を社会問題として、どうこうするよりも、「ホームレスの原因」である社会資本に投資した方が、財政的にも、効果的にも、よりよい結果が生まれるわけです。
当たり前のことです。
そして、それは、私たち自身の暮らしを、他人をけ落とす「世知辛い」今の状態から、豊かなものと変えていくでしょう。
【解説】
イギリスでは、(今の日本全体の傾向や大阪のこの10年ほどの実態と同じですが)、保守党により、公営住宅の民間への売却、住宅手当の凍結(2016年)が行われました。
(中略)
では、結果としてどうなったか。
ホームレスが増加し、2010年以降、「一時的な救護施設」の利用が61%も上昇しました。
これだけではなく、医療費が払えない人たちが、医者に行けず、かえって病気が悪化して、高額医療の対象となったり。
というわけで、結果としてどうなったか?
自治体の支出は39%も増大したんです。
西欧のデータによると、目先の財政支出を減らすことより、ホームレスを生むような社会の病巣を手当てする方が、結果的に、財政は健全化するということですね。
日本の場合はどうなんでしょうか。
大阪の維新府政、維新市政が行った「改革」によって、目先の財政はたしかに健全化したのではないでしょうか。
友岡さんはそのことについて言及していないので、ちょっとインパクトに欠けます。
私の印象では、それまでの大阪府政、大阪市政は、あまりにも無駄が多い行政だったので、「改革」によって、財政は健全化したように思うのです。
でも、長期的にみると、さまざまな矛盾が表面化する可能性はあります。
ホームレスの数も増えてくるかもしれません。
生活保護受給者の数も増えるかもしれません。
多方面から、経過を見る必要があるでしょう。
この方面の、詳細なレポートをどなたかしてくれれば幸いです。
友岡雅弥さんのエッセイが読める「すたぽ」はお勧めです。
獅子風蓮