獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

池田大作“怪物”の正体 創価学会の略史 (その1)

2023-11-30 01:10:00 | 創価学会・公明党

池田氏のご冥福をお祈り申し上げます。

池田氏の逝去後、週刊文春、週刊新潮では池田氏と創価学会に関する特集を組みましたが、d-マガジンでは、そういう目玉の記事は載せないようです。
しょうがないのでコンビニで立ち読みしましたが、週刊新潮の記事は大したことないので、買いませんでした。
週刊文春の方は、興味深い内容を含んでいたため、購入しました。
池田氏と創価学会のあゆみが、良くまとまっているので、記録に残したいと思います。


週刊文春 11月30日号
特集:池田大作創価学会名誉会長“怪物”の正体

11月20日朝。首都圈にある簡素な一軒家の玄関から、白髪の高齢女性が姿を現した。記者が声をかけると、一瞥しただけで、言葉は返ってこない。
13年前の秋、同じように見知らぬ記者から声をかけられた彼女は、兄を「先生」と呼び、「もう別世界の人でございます。眩いばかりで」と静かに微笑んだ。妹が敬愛してやまない 兄は、その年の11月以降、ほぼ公の場に姿を見せなくなっていた。
今年11月15日の夜。創価学会名誉会長の池田大作が、東京都内の自宅で息を引き取った。享年95。老衰だった。近親者のみでひっそりと家族葬が営まれた。現世では別世界の人となった「先生」とは、別れの時だけでも兄と妹に戻ることができたのだろうか――。
国内会員は2022年時点で公称827万世帯。創価学会を国内屈指の巨大宗教団体に膨れ上がらせたのが池田だった。教団を支持母体とした公明党を設立し、国政にも影響力を保持し続けた。
権勢を恣にし、幾多の事件やスキャンダルで世を賑わせながら、95年の生涯を終えた“怪物”その実像に迫った。
1928年1月2日。現在の東京都大田区大森の地で、池田は海苔製造業を営む両親の元で産声を上げた。出生名は太作。大作に改名したのは結婚後のことである。
8人きょうだいの5番目。「年譜・池田大作」(第三文明社)によれば、池田が7歳の時、父がリューマチで寝込んで働けなくなり、家業の海苔作りを手伝い始めたという。戦争が始まると兄たちは出征し、一家の暮らしはますます困窮した。池田が創価学会に入信するのは、戦後まもない1947年の夏。19歳の時だ。創価学会のHPには、〈小学校時代の友人に誘われ、初めて創価学会の座談会に出席。そこで生涯の師となる戸田先生と出会い、その人格に感銘を受け、創価学会に入会しました〉と紹介されている。
戸田先生とは、後の創価学会二代目会長の戸田城聖のこと。未来のカリスマが師と出会いを果たす運命的な場面として語り継がれる 池田の「正史」である。
だが、そこには省略されている経緯がある。池田の入信には、彼が慕情を抱いた信者一家のある女性が深く関わっていた。前述の紹介文の中で〈小学校時代の友人〉と書かれた女性の妹だ。当の妹、三宅妙子は2010年、小誌に詳細な経緯を打ち明けていた。
「8月の暑い日でした。私の姉が小学校で同窓の彼を連れてきて、確かに、うちでやった座談会に参加したんです。後日、入信したのですが、ただその日、戸田先生はいませんでした」
代わりに池田は、その座談会で出会った三つ下の三宅に恋をした。二人は日比谷の有楽座で映画を楽しむなどデートを重ねたが、池田は手を握るのがせいいっぱい。純情な交際だった。
三宅が明かしてくれた秘話からは、等身大の若い池田像が浮かび上がる。
「彼とはお付き合いしましたが、私の方は、実はあまり燃え上がるものはなかったです。彼は『宇宙の星を宝石にしてあなたにあげたい』と言っていました。そういう大風呂敷を広げるのが彼の特徴でした」
池田は三宅の写真を大切に持ち歩き、手紙を渡されたこともあったという。
〈貴方と二人の間に永久に清らかに尊い結びの有る事を信じます〉
〈別れない!誰が何んと云っても永久に 別れない!〉
文字はやや右上がり、なめらかで独特な筆致で綴られた、熱烈な恋文だった。池田は座談会以降、三宅の家に度々遊びに訪れるようになっていた。
「うちの母が、もう少ししっかり信心するならと、彼を戸田先生がやっている会社に連れていって、紹介したんです。それが彼と戸田先生との出会いでした。母が着物に着替えて『これからこの子を連れて戸田先生に会いに行くのよ』と言っていたのを、今もよく覚えています」(三宅)
一方で、池田との淡い関係は自然消滅したという。
「私が会社の社員旅行で富士五湖に行った際、彼から後日、『さぞ楽しかったでしょう』と、皮肉めいた手紙をもらったんです。男性と行ったわけではないのですが、妬いているような内容でした。私が彼に執着しなかったこともあり、そのまま時が流れて、疎遠になりました」(同前)
当時の池田は、上昇志向を強烈に漲らせる若者でもあった。三宅は、池田から次の言葉をよく聞かされたと回顧している。
「いま僕は貧乏だけど、必ず指導者になって、世間を見返してみせるよ」


親族や学会幹部が集まり……

その宣言通り、池田は戸田の下で、みるみると頭角を現していく。三宅の母の紹介で、池田は戸田が経営する出版社の「日本正学館」に就職。売上不振により同社を畳むと、戸田は小 口金融の「東京建設信用購買利用組合」の破綻を経て高利貸しの「大蔵商事」を設立した。そこで営業部長の肩書を得た池田は、水を得た魚のように、辣腕を振るい始めるのだ。
創価学会に詳しいジャー ナリストの乙骨正生が補足する。
「大蔵商事時代の池田氏は『病人の布団を剥ぐ』という噂が立つほど、苛烈な取り立てをしたとされます。学会員から金を集めて、学会員に貸すなど、投資に運用する。つまり、学会員が増えれば増えるほど、収益が上がったわけです」
1951年、二代目会長に就任した戸田は「折伏大行進」と銘打った大規模な信者獲得活動を展開。そんな戸田を資金面から支えたのが池田の活躍だった。
池田が結婚したのは同時期の1952年5月。創価学会が宗教法人の認証を受けた年でもあった。お相手は、創価学会幹部で砂糖取引会社の役員だった白木薫次の次女・香峯子だ。
創価学会のエリート一族出身の香峯子は、池田と出会った頃、住友銀行に勤める行員だった。結婚式は中野区の寺院で行われた。
ここに、2枚の写真がある。1枚は、文金高島田を結い、色打掛を着た香峯子のワンショット。もう1枚は、新婚夫婦を中心に、約30人の参加者が写った集合写真である。
写真を保管していた年配の元学会関係者が語る。
「写っているのは、両家の親族や学会幹部たちです」
同じ場所で撮られた二人の記念写真は「池田大作 私の履歴書」(日本経済新聞社)などに掲載されているが、小誌が入手した集合写真は世に出ていない貴重 資料だ。
香峯子の半生記「香峯子抄」(主婦の友社)では、結婚前後の戸田と白木家の親族のやりとりがこう記されている。
〈叔母さん(香峯子夫人の母・静子さん)が、「大ちゃんは、大風呂敷なので」と。戸田先生はお笑いになって「大風呂敷でも、いまに見ていてごらん」と応じられましてね。とにかく「すごい男だよ」と〉
こうして生涯の伴侶を得た池田に大きな転機が訪れるのは、1958年。戸田が58歳で急逝したのだ。戸田の死の翌年、池田は創価学会理事に就任。そして1960年5月、32歳の若さで、第三代創価学会会長の座に上り詰めたのである。
池田体制の始まりとリンクするように、日本は戦後復興と高度経済成長の季節に突入。会長就任時、公称140万世帯だった国内会員の数は、右肩上がりで増えていった。その背景を、放送大学教授の原武史はこう解説する。
「戦後、創価学会に入信したのは、地方から都市部に流れ込んだ若い人たちが多かった。経済的に苦しく、疎外感を味わっていた彼らを取り込み、拠り所となることで信者を拡大していったのです。また、学会で教義をともに学ぶことが、敗戦後に高まった庶民の『学びたい』という意欲に応えた側面もあった」
時代も追い風となったのは間違いあるまい。だが、教勢拡大をもたらした最大の要因は池田の類まれな“人たらし力”だった。元埼玉県男子部書記長で、かつて「池田問題対策事務所」事務局長として池田に批判的な立場で活動した押木二郎さえも舌を巻く。
「池田氏はまるで、豊臣秀吉のような人たらしでした。人への気遣いにも長けており、インテリの人格者がコロッと池田氏の信奉者になるシーンを間近に何度も見てきました」
創価大出身の元信者タレントで、西東京市議会議員の長井秀和も、人心掌握術の一端を垣間見ていた。
「私が芸人としてテレビに出始めた頃、学会の芸術部を通じて池田氏からの伝言が届くようになりました。朝の視聴率が1パーセントもない番組でも『一緒に出てた人からこう言われていたけど、長井君は凄く頑張っているから、負けないで』といった具合です」
“人たらし力”だけではない。前出の押木は「池田にはなりふり構わない営業力があった」と指摘する。
「戸田氏は宗教性と商売っ気という『聖』と『俗』を両立させていましたが、池田氏にとっては宗教性はただの看板。『俗』だけをひたすら発展させ、持ち前の営業力で信者を増やしていったのです」
池田の世俗性が色濃く滲むのが、信仰の“数値化”だ。創価学会に詳しいジャーナリスト、山田直樹の解説。
「財務(寄付)の多寡は勿論のこと、信者を何人折伏したか、選挙で友人に投票してもらう『フレンド票』をどれだけ集めたか……。これが創価学会内での評価基準となりました。そして、結果を出せば『池田先生も喜んでいる』と褒め称えられ、組織の中で出世できる。学会では組織が細分化され、肩書きの数が膨大にあるのですが、それは出世して肩書きのランクが上がることが会員の励みになるからです」
池田の会長就任時には11人だった理事は、1969年には1700人にまで増加。それは理事の権限を広く分散させ、池田の権力を際立たせる結果を生んだ。
    ◆
本来、創価学会とは、日蓮正宗を信仰する信者の団体だ。戦前の名称は「創価教育学会」であり、日蓮正宗の信者を会員とする教育学の研究集団だった。
だが、巨大化した信者団体のトップに君臨する池田は、やがて神格化され、教祖の如き存在に変貌。組織の拡大路線と合わせ、様々な批判や醜聞にさらされてきた。象徴的な例が「月刊ペン事件」である。
「1976年、『月刊ペン』誌上に池田氏の女性スキャンダルが掲載されました。池田が愛人だった女性2人を公明党議員として送り込んだとする内容。創価学会は隈部大蔵編集局長を名誉毀損罪で刑事告訴しました」(元学会関係者)
池田も出廷した裁判では、愛人とされた女性宅で全裸の池田を目撃したという証言者が出廷。女性の義兄が小誌に実名で登場し、密通を証言するなどの“ドロ沼”裁判となった。
裁判は、一審二審ともに隈部に有罪判決が下る。隈部は最高裁に上告したが、死去によって審理は終了した。
女性問題だけではなく、たびたび注目を集めたのが、創価学会のカネの問題である。創価学会には毎年年末になると、全国の学会員たちから「財務」と呼ばれる寄付金が集まる。最盛 期は1年で3000億円近くが集まったとも言われ、95年の自民党議員の国会質問でも、創価学会の資産が「十兆円」と言及されたことがあるほどだ。
ベールに包まれた資金力の内幕が思いがけず垣間見えたのが、1989年6月の「捨て金庫事件」である。神奈川県横浜市の産業廃棄物処理場に、現金約1億7000万円入りの金庫が捨てられていたのだ。捜査で浮上したのが、創価学会で「池田大作の金庫番」と呼ばれた中西治雄だった。

(つづく)


解説

池田氏の人となりと創価学会の歴史が客観的にまとめられていると思います。


獅子風蓮


ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(16)

2023-11-29 01:22:19 | ガーシー

ガーシーには嫌悪感が先に立つほどだった私ですが、ガーシーのおかげで救われたという人もいたのですね。
また彼は家族思いで、母や妹には今でも慕われているようです。
ガーシーについて、好奇心がわきました。
ガーシーはどのように育ったのでしょうか。
彼なりの正義とはいったいどういうものなのでしょうか。

そこで、ガーシーの自伝的な本があるというので読んでみました。

ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(幻冬舎、2022.07)

かいつまんで読んでみたいと思います。

(目次)
□序章 ジョーカー誕生
□第1章 逃亡者
□第2章 しゃべりだけで成り上がる
□第3章 芸能界への扉
□第4章 アテンダーという裏稼業
■第5章 酒と女とカネと反社
□第6章 死なばもろとも
□第7章 社会の不満が生んだ怪物

 

第5章 酒と女とカネと反社
□芸能人におごりまくるタニマチ「タレントおじさん」
□芸能人を経済的に支える反社会的勢力
□裏のパパ活リストで見た「■■■■■■」「■■■■」の名前
□超人気女優のパパ活
■1日1億円が動く「社長麻雀」
■一見さんは入れない紹介制の賭け麻雀店
■イカサマ麻雀でブチギレた
□カネにきれいな芸能人
□カネに汚い芸能人
□モテる男の条件
□モテまくる山下智久とDAIGO
□「スター」と「ホシ」を分けるモノ
□自分流を貫く山田孝之
□本物の役者とアーティスト
□勝負時は誘惑を断て
□「港区女子」の悲しき末路
□「港区女子」が反旗を翻す恐怖の日
□広瀬アリスをマジギレさせたRADWIMPSの桑原彰
□芸能人とつきあうための一番の近道
□港区を守るグレーな存在

 


1日1億円が動く「社長麻雀」
女の子はパパ活でカネを稼ぎ、男はギャンブルでカネを熔かす。
「令和の虎」(YouTube チャンネル)に出演していた林尚弘(「武田塾」)、「晴れる屋」社長「トモハッピー」(齋藤友晴)、植本涼太郎 (StockSun 執行役員)の賭けポーカーが、ちょっと前に大騒ぎになった。連中は書類送検されたり活動休止に追いこまれたりしたもんや。
俺は賭けポーカーには関心はないが、違法な賭け麻雀ならさんざんやってきた。ギャンブラーの世界では「社長麻雀」と言われるジャンルがある。一部上場企業の社長や若い起業家が、プライベートな席で巨額の賭け麻雀をやるんや。
大王製紙元会長の井川意高さんはカジノで106億円熔かしたことで有名やけど、同じくらいの大金をスってる社長連中もザラにいる。
成功者になるような人は普通じゃない。頭のネジがぶっ飛んでる。刺激中毒なんやろうな。あの有名IT企業の社長だって最近までものすごいケタの賭け麻雀をやってたで。まあ誰にも迷惑かけんと身内で楽しんでるだけやから、そない悪いことじゃないと思うけどな。
負けが込んで、自分の持ち金が底をつくと「ハコテン」とか「ハコ割れ」とか「ドボン」と呼ばれる状態になる。スッテンテンになってカラの箱だけが残るから「ハコ」と言われるわけや。
社長麻雀では「ハコ」がなくなると数百万円を失う。カネ持ちは負けが込んでもどんどん種銭を追加できるから、1日中麻雀をやっとると4000万~5000万円が動く。六本木には、1日1億円が動くキ印麻雀もあると聞く。
1億円の現金をジュラルミンのアタッシェケースに入れて持ち歩くのは、物騒でかなわん。そこで社長麻雀に慣れてる連中は、キャッシュやなくて仮想通貨で精算するそうや。仮想通貨ならその場でスマホを操作してスッと送金できるし、銀行にキナ臭い入出金記録も残らん。

 

一見さんは入れない 
紹介制の賭け麻雀店

なぜギャンブラーは身ぐるみはがされるまでカネをむしり取られ、それでもなおやめることができひんのか。負けが込んで崖っぷちまで追い詰められ、ヒリつきながら 一発逆転したときのカタルシスはハンパやない。あのヒリヒリした破滅願望を味わい たくて、敢えて絶望の淵に身を置いて博打を打つんや。
時給900円のバイトをやりながら暮らしている学生にとっては、1万円を張るだけでも相当ドキドキする。年収1000万円の人にとっては、5000円や1万円を張っても博打をやっとる気にならん。
俺の場合、100万円や200万円を張ったときのドキドキ感を味わいたくて、勝負に出てまう。
なにしろトランプや麻雀牌をめくりながら、もし負ければたった数秒で200万円がなくなるんや。全身が内側からジリジリ焼かれていくようなあの高揚感は、ほかではよう味わえん。絶対に手をつけてはいけないカネに手をつけてからがギャンブルなんや。
全財産をもっていかれて完全に負けたときは、帰り道で我を忘れてブチギレる。エレベーターの壁をどつき、送迎のお兄ちゃんにボロカス文句を言って当たってまう。 当たり散らす対象はそれくらいしかないんやから、どうしようもない。
家に帰ってきて呆然としながら風呂に浸かると「ああ、やってもうたな……」とつらい気持ちになる。寝ようと思って横になっても、目が冴えてちっとも眠れずイライラしとる。
トランプや麻雀牌が頭の中でずっと巡ってて、結局、あの手この手でカネを作ってまた博打をやりに行ってまう。それがギャンブル依存症というやつや。
数百万円も負けたとき、持ち金が底をついとるからといってトンズラなんてできん。 店に入るときにはパスポートや免許証などIDカードを提出してコピーを取られるし、住所や連絡先は必ず訊かれる。
偽名で店に入るなどありえん。そもそも違法賭博をやっとる店には、誰かから紹介してもらわなければ一歩も入れん。もしトンズラなどしようもんなら、紹介者が保証人としてカネの取り立てに遭うわけや。

 


イカサマ麻雀でブチギレた

俺みたいなギャンブラーからカネをむしり取るため、イカサマをやる悪徳業者もいる。今はだいぶ少なくなったが、15年くらい前まではイカサマ麻雀はパチンコ店並み に普通にあった。実際、この目でイカサマ麻雀の現場を見つけたことがある。
株式会社ライバーの飯田祐基と、■■■というプロの麻雀師がおる。コイツらと麻雀をやっとったら、飯田と■■■が下に手を伸ばし、お互いがほしい牌をパスしてる様 子を見つけてもうたんや。
飯田のアホは、コッソリ牌を渡すつもりがボロッと床に落としよった。俺はブチギレて、飯田の胸ぐらをつかんでガン詰めした。
「お前、何やらかしてんねん!」
「何もしてませんよ。牌を落としただけです」
「お前、そんな牌そこから出てくるわけないやろう!」
麻雀牌を投げつけ、飯田の胸ぐらをつかんで引きずり回した。大騒ぎしていると、用心棒みたいなヤクザがワラワラ集まってきてえらい騒ぎになったもんや。俺は被害者やから、ヤクザにとやかく言われる筋合いはない。取り巻きのヤクザのことなんて気にせず、飯田を追及し続けた。飯田は「本当にゴメンなさいゴメンなさい! オカネは返しますから!」と言って、泣きながら土下座したもんや。
イカサマ麻雀のせいで俺がむしり取られた金額は、総計2000万円に達していた。イカサマでハメたからには、イカサマ分はきっちり返してもらわんと筋が通らん。ところが飯田のアンポンタンは、現金を1000万円しかもっとらんと言いよる。
最終的に、イカサマ抜きでサラの勝負をしようということで話がついた。結局、イカサマなしでも勝負に負けて、スッテンテンになってもうた。イカサマがあろうとなかろうと、種銭がゼロになるまで徹底的にカネを賭けてまう。それがギャンブル依存症患者の性なんや。

 


解説
ガーシーの語る裏社会の話は、聞いている分には面白いですが、あまり近づきたくないですね。

ガーシーを英雄視する若者も、ヤケドをするので、決してマネをしてはいけません。

獅子風蓮


ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(15)

2023-11-28 01:16:10 | ガーシー

ガーシーには嫌悪感が先に立つほどだった私ですが、ガーシーのおかげで救われたという人もいたのですね。
また彼は家族思いで、母や妹には今でも慕われているようです。
ガーシーについて、好奇心がわきました。
ガーシーはどのように育ったのでしょうか。
彼なりの正義とはいったいどういうものなのでしょうか。

そこで、ガーシーの自伝的な本があるというので読んでみました。

ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(幻冬舎、2022.07)

かいつまんで読んでみたいと思います。

(目次)
□序章 ジョーカー誕生
□第1章 逃亡者
□第2章 しゃべりだけで成り上がる
□第3章 芸能界への扉
□第4章 アテンダーという裏稼業
■第5章 酒と女とカネと反社
□第6章 死なばもろとも
□第7章 社会の不満が生んだ怪物

 

第5章 酒と女とカネと反社
■芸能人におごりまくるタニマチ「タレントおじさん」
■芸能人を経済的に支える反社会的勢力
□裏のパパ活リストで見た「■■■■■■」「■■■■」の名前
□超人気女優のパパ活
□1日1億円が動く「社長麻雀」
□一見さんは入れない紹介制の賭け麻雀店
□イカサマ麻雀でブチギレた
□カネにきれいな芸能人
□カネに汚い芸能人
□モテる男の条件
□モテまくる山下智久とDAIGO
□「スター」と「ホシ」を分けるモノ
□自分流を貫く山田孝之
□本物の役者とアーティスト
□勝負時は誘惑を断て
□「港区女子」の悲しき末路
□「港区女子」が反旗を翻す恐怖の日
□広瀬アリスをマジギレさせたRADWIMPSの桑原彰
□芸能人とつきあうための一番の近道
□港区を守るグレーな存在

 


芸能人におごりまくる 
タニマチ「タレントおじさん」

読者のみんなにはあまり縁がないかもしれんが、アテンダーとして生きてきた俺だからこそ語れる芸能界の酒、女、カネ、反社事情について書いていくで。
勝新太郎さんや若山富三郎さんのような昭和の銀幕スターは、夜の街で札束をバラまいてえろう羽振りが良かったと聞く。今の芸能人は、ぶっちゃけみんなが思うほどカネ持ちやない。年収が数千万円ある人間なんてごく一握り、1億円プレイヤーなんてシーラカンスなみの希少種なんちゃうか。
Taka なんかとしゃべっていると「芸能人ってみんなが思っているほど稼げないよ。稼げる天井なんて知れているから」とよく言う。ミュージシャンの中には、ツアーのたびに入れ替わるサポートメンバーとしてギターやパーカッションを演奏する者もおる。大きなステージに立ってたって、彼らのギャラなんて雀の涙や。
なのに芸能人は、なぜ夜の街で派手に遊び歩いているイメージがあるんやろか。それは、周りにタニマチ(スポンサー)がついているからや。ご飯を食べに行ったり、酒を飲みに行ったり、プライベートな旅行に出かけたりするにしても、芸能人が自分の財布を使う場面なんてない。
タニマチがついていれば、彼らが財布がわりになって全部おごってくれる。そこに露骨に甘えてぶら下がっとるのが、三浦翔平でありマッケンや。
タニマチはなぜ積極的におごりたがるのか。
友だちヅラして芸能人やアスリートを連れて歩くのがうれしくて、優越感を覚えるんやろな。
俺が知ってるタニマチの中には、一晩100万円どころではなく飲み代をパンパン使う剛の者がおる。芸能人が大阪に来るたび、メシ代や飲み代を全おごりしてあげるんや。大阪・北新地の女の子によると、その人は「タレントおじさん」というあだ名で呼ばれてるそうや。「自分は誰それの知り合いだ」と自慢して、いつもうれしそうにタレントの話しかしない。
一部上場企業の役員やったら、年間2000万円や3000万円くらいの交際費を使う権利は認められとるのかもわからん。せやかて、一晩に100万円も200万円も湯水のようにカネを使えるわけやない。そんなムチャクチャなことをやっとったら、税務調査が入ったとき「この支出は誰と会ったときのものか」とツッコミが入るし、株主総会で吊し上げに遭うかもしれん。
「タレントおじさん」は「誰から文句を言われる筋合いもない」と言わんばかりにパンパン自由にカネを使いよる。ヤッコさんの職業は謎や。本業は何をやっとるのかわからんが、とにかくカネをたくさんもっとる。そういう人間がタレントのタニマチをやっとるんや。裏の仕事でめっちゃカネを儲けて、焚き火するほどカネが余っとるのかもわからんな。


芸能人を経済的に支える反社会的勢力

2019年、吉本興業の所属芸人が反社の連中相手に営業をやっていたことが発覚し、大騒ぎになった。カラテカの入江慎也が、雨上がり決死隊の宮迫博之やロンドンブーツ1号2号の田村亮、レイザーラモンHGらを反社の集まりに連れて行ったんや。宮迫や田村亮たちには反社からのギャラが入り、入江は仲介料を中抜きしてカネ儲けする構図やった。
入江や宮迫は吉本興業を解雇された。反社営業の味噌がついた連中は干されてレギュラーの仕事を失い、テレビなんて出られなくなってもうた。
この事件が大騒ぎになったにもかかわらず、芸能人のタニマチの中には未だに反社が跳梁跋扈しとる。タニマチの番頭さん役のオッサンは未だにオレオレ詐欺を仕切って黒いカネをせしめとる。直接ギャラを渡すわけではなくても詐欺でせしめたカネが、芸能人との夜の飲み会に流れとるわけや。
反社のタニマチの中には、全身に墨が入っとる半グレもおる。芸能人が海外旅行に出かけたり外国で仕事があったりすると、そいつが金魚のフンみたいに一緒についていく。もし反社の素性が表にめくれたら、「芸能人と反社の黒い交際」と叩かれるに決まっとる。
まあでも芸能人もいきなり反社との関係を切ったら切ったで、逆上されて週刊誌に写真をバラまかれたりするかもしれないと頭抱えとるんやろうな。
反社のタニマチの中には、昔ホンマに人を刺したことがあるヤツもおる。そいつが俺の店に飲みに来たとき、店のトイレから使用済の注射器が出てきたことがあった。シャブをやってたんやろうな。
「女の子がビビるし、ウチの店でシャブやるのだけはやめてくれ」
そう言ってキツく怒ったことが何回もある。
中国系アメリカ人の女の子と偽装結婚して、アメリカでグリーンカード(永住権)を取得した反社もおる。グリーンカードを取得すれば、いちいち面倒くさい労働ビザなんて申請しなくてもアメリカで自由に仕事ができる。これがほしくてたまらん連中はいくらでもおる。
アメリカではグリーンカード取得目的の偽装結婚は重罪や。そんなことが発覚すれば永住権なんて即座に取り消され、国外退去処分を喰らう。それをやってのけたワルが、平気で芸能人の取り巻きをやっとるから困ったもんや。
芸能プロダクションの人間は、自分ところの所属タレントが誰とつきあっとるのか、一度綿密に身体検査をやったほうがええんちゃうか。

 

 


解説
タニマチがついていれば、彼らが財布がわりになって全部おごってくれる。そこに露骨に甘えてぶら下がっとるのが、三浦翔平でありマッケンや。

マッケン(真剣佑)の名前が出てきましたね。
ちょっと調べてみました。

新田真剣佑(あらたまっけんゆう)は、日本の俳優。本名は前田真剣佑(まえだまっけんゆう)。旧芸名は真剣佑(まっけんゆう)。
父は千葉真一、弟は眞栄田郷敦、異母姉は真瀬樹里、叔父は矢吹二朗。
(Wikipediaより)
ガーシーとのトラブルについては記載がありませんでした。

私は問題のガーシーch の動画を観ていないので、ガーシーがどのように真剣佑の秘密を暴露したかは知りません。

こんなサイトを見つけました。

【LINE画像】ガーシーchが新田真剣佑のステマ案件14選を暴露!

ステマ案件とは何なのでしょう。
事務所からもらう給料が安いので、事務所にばれないように企業のPRにつながるような仕事をするというようなことのようです。


反社のタニマチの中には、全身に墨が入っとる半グレもおる。芸能人が海外旅行に出かけたり外国で仕事があったりすると、そいつが金魚のフンみたいに一緒についていく。もし反社の素性が表にめくれたら、「芸能人と反社の黒い交際」と叩かれるに決まっとる。
まあでも芸能人もいきなり反社との関係を切ったら切ったで、逆上されて週刊誌に写真をバラまかれたりするかもしれないと頭抱えとるんやろうな。

そのまま、ガーシーが「手のひらがえし」を受けたと言って過去の行動を暴露された元「友人」の姿に重なりますね。

ガーシーは、友だちという甘い関係を装った「アテンダー」であり、「反社のタニマチ」にも似た存在だったのではないでしょうか。

 

獅子風蓮


ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(14)

2023-11-27 01:26:04 | ガーシー

ガーシーには嫌悪感が先に立つほどだった私ですが、ガーシーのおかげで救われたという人もいたのですね。
また彼は家族思いで、母や妹には今でも慕われているようです。
ガーシーについて、好奇心がわきました。
ガーシーはどのように育ったのでしょうか。
彼なりの正義とはいったいどういうものなのでしょうか。

そこで、ガーシーの自伝的な本があるというので読んでみました。

ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(幻冬舎、2022.07)

かいつまんで読んでみたいと思います。

(目次)
□序章 ジョーカー誕生
□第1章 逃亡者
□第2章 しゃべりだけで成り上がる
□第3章 芸能界への扉
■第4章 アテンダーという裏稼業
□第5章 酒と女とカネと反社
□第6章 死なばもろとも
□第7章 社会の不満が生んだ怪物

 

第4章 アテンダーという裏稼業
□アテンダーは黒子に徹しろ
□山下智久と亀梨和也はハメられた
□女性タレント9人の中絶もアテンド
□芸能人を盗撮・盗聴する女は許さない
□週刊誌記者から守るアテンド術
□アテンダーになる方法
□人のためにキレられるか
□努力しない女は港区から去れ
□バーで夢を売る技法
□すすきののホステス嬢を87人喰った
□みかじめ料とすすきの
□大阪・北新地のケツモチヤクザ
□豪快だった大物演歌歌手
■賭博ゲーム大国・沖縄の自由度
■関東連合60人が店にやってきた
■ウーロン茶5杯で10万円 ・関東連合から渡されたピン札
■プロ野球選手とJリーガー
■小出恵介をハメた美人局の正体

 


賭博ゲーム大国・沖縄の自由度

MACCAは六本木、すすきの、大阪に続き、沖縄にも支店を出した。1990年代に一世を風靡した JUDY AND MARY ってバンド知ってるやろか。あのバンドでギター弾いてたTAKUYAが、趣味で沖縄にダーツバーをもっとった。そのTAKUYAからこう誘われたんや。
「ヒガシ君、このダーツバー儲からへんから、MACCAに名前変えて一緒にやろうや」
そこで店をリニューアルして、MACCAに看板をすげ替えて営業を始めた。沖縄はオモロイ土地や。本土では考えられへんけど、バーでも居酒屋でも蕎麦屋でも、そこらじゅうにコインゲームが置いてある。カネを賭けられる賭博ゲーム機や。どう考えても違法やのに、沖縄ではこのゲーム機が普通にあちこちに置いてある。
MACCA沖縄店にも、怪しい営業マンがゲーム機を置きに来た。「これは沖縄の警察も認めてますから、心配しないでください」と言って、収益の何%かをマージンとして回してくれはるんや。
賭博ゲーム機のビジネスを仕切ってる大浜さんというオッチャンのフトコロには、作曲家の印税長者みたいに売り上げがドンドコ入ってきよる。そのカネを元手に、大浜さんは沖縄に村を作ってもうた。 Airbnb(エアビーアンドビー)を使って観光客を 呼びこみ、村の宿を貸し出して儲けてはる。大浜さんはこう言っとった。
「このビジネスを東京にもっていったことがあるんだけど、すぐに警察につぶされた。沖縄は自由にできるからええよな。沖縄は売春もユルユルやし、本土とは警察の仕組みが別々なのかもしれんね」

 

関東連合60人が店にやってきた

六本木にあったMACCAは、関東連合が来ないことで有名な店やった。せやから、MACCAは芸能人が「ここなら自由に遊べる」と安心して、めっちゃ溜まっていた。
常連だったAさんなんて、バーなのに毎月100万円近くカネを使ってくれはる。ありがたい客やったから、Aさんの支払いは月掛けのツケにしとった。そのAさんが、関東連合の連中を怒らせてしもうたんや。
MACCAの下の階には Cafe La Boheme(カフェ ラ・ボエム)というおいしいイタリアンレストランがあった。そこから取ったパスタを俺がMACCAのカウンターで食ってたら、めっちゃガラが悪そうな連中が店に入ってきた。
「なんやコイツら? 面倒くせえなあ」と思いながら引き続きパスタを頬張っとった ら、リーダー格の不良が「おい、ここの社長呼べよ」と言いよる。ん? 社長は俺やで。目の前に店長がいたから首を2~3ミリだけ振って「言うなよ」と目で合図した ら、そいつは「今日は来てないです」とトボけてくれた。
「ちょっと呼んでくれよ、話あんだよな」
(マジかよ……)
トイレに行くフリをして厨房に隠れて「どうしようかな……」と困ってたら、外が騒がしくなってきて、警察官がドヤドヤ入ってきてこう言うんや。
「おい、外にいる何十人もの若いヤツらは誰だ?」
MACCAの店内にはガラの悪いヤツらが15人くらいおる。さらに残りの連中が外で待っていて、総勢60人が集合しておったんや。
「おい、この店の社長呼べ!」
刑事が怒鳴る。しゃあないからおずおずと手を挙げた。
「何だよ! さっきから社長はいねえとかスットボケといて、ここにいるじゃねえか!」
「いや、ちょっと怖かったんで……。えらいすんまへん」


ウーロン茶5杯で10万円 
関東連合から渡されたピン札

俺はそのままパトカーに乗せられて麻布警察署に連れて行かれた。
「おい、あいつら誰かわかってるか?」
「いや、わかんないです。不良っぽく見えましたけど」
「あいつら関東連合っていって、俺たちもマークしてるヤツらなんだ。お前、何かやったのか?」
「いや、俺じゃないです」
「じゃあなんであいつらが大勢で来てんだよ?」
「いや、わかんないです。 本当に俺も全然わからないんですよ」
「ここに電話したら、5分以内に警察が来るから。何かあったらここにすぐ電話しろ。今この場で携帯に登録しとけ。俺らもとりあえずあいつらをどんどん逮捕したいんだよ。協力しろよ」
「はい、わかりました」
緊急の電話番号を渡されてMACCAに戻ったら、まだ関東連合の連中が5人残っている。
「今日は社長をさらいに来たんじゃねえから」
「はあ。それで、今日はどんなご用件なんですか」
「Aって客わかる?」
「はい、わかります。 ウチの常連さんです」
「ちょっとここに呼んでよ」
「なんでですか?」
「そいつ出会い系サイトをやってて、ウチの名簿をパクったんだよ。だから詰めなきゃいけねえんだわ。今あいつの家の前に、ウチの若いのが4人行ってんだよ。そいつが普段飲みに行ってる場所にも、全部ウチの若いモンが行って張ってんだ。社長、頼むわ」
「じゃあ、今連絡してみますね」
Aさんに電話をかけてみたものの、もちろん出るわけがない。
「出ないですよ」
「そうか。じゃあ信じるわ。もしそいつから連絡が来たら、絶対俺に連絡くれよな」
そう言って名刺を渡された。
「これ、今日の飲み代だ」と言って、10万円のピン札を渡そうとする。5人がウーロン茶を1杯ずつ飲んだだけやのに。
「いやいや、困りますよ。こういうのは、ちょっと受け取れないです」
「社長、俺に恥かかすの?」
しょうがないから、10万円のお代は騒ぎを起こした迷惑料として受け取っておいた。
「でも、ここイイ店だね。 また来させてもらっていい?」
「いや、ちょっとアレですねえ……」
「お前さ、そんなに露骨に嫌そうな顔すんなよ」
それからは関東連合の連中が六本木のMACCAに来たことはない。しくじりを犯したAさんが関東連合とどんな手打ちをしたかは、俺もよう知らんわ。

 


プロ野球選手とJリーガー

アテンダーとしてタレントの女の子を紹介しながらバーも全国に展開していった。俺はアテンド自体でおカネを稼いでいるわけやない。基本は友だちや。せやから、俺がアテンドすることで友だちの人生がマイナスになるようなことはしないようにしていた。
「女の子を紹介してくれ」と言ってくる客は、タレントばかりではない。経営者にアスリートと職業は多彩や。
その中でアスリートについては、意識的になるべくからまんようにしてきた。
芸人や俳優、アーティストは、女遊びをやればやっただけ芸の肥やしになる。色気も出てくる。きれいな女の子にキャーキャー言われることがモチベーションになり、ますます仕事をがんばる人間が多い。けどアスリートだけは、アテンダーが女の子を紹介するとダメになってまうケースが多い。
大宮アルディージャの氏家英行は、トルシエ監督の時代に日本代表選手に選ばれるほど活躍した。ものすごい才能やったけど俺が女の子を紹介してあげたら、女遊びにハマってどんどんダメになっていったように見えた。名前は忘れてもうたが、横浜マリノスにいたサッカー選手も、俺が女の子を紹介した瞬間にホンマに見事にダメになった。
「しまった。アスリートに女を当てがうのは絶対アカンな。俺がアテンダーをやるせいで、あいつらのアスリート人生が終わってまう」
そう気づいてからは、アスリートから頼まれてもなんやかや言うてはぐらかし、女の子は紹介せんようになった。
アスリートは総じて性欲がムチャクチャ強い。性欲の塊、男根が服を着て歩いてると言ってもええくらいや。そのくらい肉体的に強いから一流になるわけや。よっぽど意思が強くストイックでなければ、あいつらは女性への性欲には勝てん。性欲に呑まれて、アスリートとしての本業の仕事がおろそかになってまう。
プロ野球は毎日のように試合があるから、シーズン中はムチャクチャハードや。試合がない日は地方への移動日やったりするし、遊びたくてもそんなには遊べない。
Jリーグは試合間隔がプロ野球ほどハードやないから、試合と試合の合間にインターバルが空く。ピッチを90分間走りまわった体を休め、メンテナンスするべき休暇日に女遊びしまくっとったら、サッカーがダメになっていくのは当然や。
若いうちから海外リーグに移籍したほうがいいのは、サッカーだけに集中できるというのも大きいんやろうな。

 


小出恵介をハメた美人局の正体

アミューズが所属タレントの危機管理に力を入れ始めたころ、アドバイザーとして非公式に協力を求められたことがある。「大阪の××とは関わったら絶対アカン」「東京の要注意人物はコイツとコイツや」と危ないアテンダーの固有名詞をコソッと全部教えた。ヤバイ人間が出入りするバーの名前も全部教えたもんや。
当時の人気俳優・小出恵介がハメられ、芸能界から何年も追放されたことがある。17歳の女子校生と酒を飲んでセックスしたことが、2017年に「FRIDAY」に暴かれてしもたんや。CMは打ち切り、出演ドラマや映画は何本も撮り直しやお蔵入りになった。違約金が何千万円にのぼったのかは想像もつかん。
小出君をハメた人間が誰かを俺は知っとる。
その不良は、イベントに参加しとったかわいい女子高生を未成年と知りながら小出君に紹介した。小出君が見事にハマってくれたのを見届けて、このネタで脅してカネにしようと考えた。巧妙に仕組まれた美人局や。
世の中には、何歳になっても20歳に見える童顔の女性もおる。反対に、ちょっと年上に見える女の子だっておる。身分証明書でも提示してもらわん限り、女の子の実年齢なんて誰にも正確には当てられん。飲みの席で「免許証か保険証を見せてくれる?」なんて尋ねるのは野暮の極みや。「20歳で~す」「21歳で~す」と自己紹介されたら、疑うことなく普通に飲むのが当たり前や。
相手が未成年の女子校生だとわかっとったら、人気芸能人が酒を飲んだりホテルに行ったりせんだろう。20歳以上だと信じてたのにハメられたんやから、小出君はむしろ被害者や。なのに淫行犯罪者のようによってたかって非難して、芸能界の第一線から引きずり下ろす。いくらなんでもあんまりや。
筋の悪いアテンダーに引っかかったら最後、芸能人の人生が一発で終わってまう。自分の顔と名前が売れてると自覚がある人は、遊び方にはくれぐれも気ぃつけてくれよ。

 

 


解説

ガーシーの語る裏社会の話は、聞いている分には面白いですが、あまり近づきたくないですね。

ガーシーを英雄視する若者も、ヤケドをするので、決してマネをしてはいけません。

 

獅子風蓮


ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(13)

2023-11-26 01:57:24 | ガーシー

ガーシーには嫌悪感が先に立つほどだった私ですが、ガーシーのおかげで救われたという人もいたのですね。
また彼は家族思いで、母や妹には今でも慕われているようです。
ガーシーについて、好奇心がわきました。
ガーシーはどのように育ったのでしょうか。
彼なりの正義とはいったいどういうものなのでしょうか。

そこで、ガーシーの自伝的な本があるというので読んでみました。

ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(幻冬舎、2022.07)

かいつまんで読んでみたいと思います。

(目次)
□序章 ジョーカー誕生
□第1章 逃亡者
□第2章 しゃべりだけで成り上がる
□第3章 芸能界への扉
■第4章 アテンダーという裏稼業
□第5章 酒と女とカネと反社
□第6章 死なばもろとも
□第7章 社会の不満が生んだ怪物

 

第4章 アテンダーという裏稼業
□アテンダーは黒子に徹しろ
□山下智久と亀梨和也はハメられた
□女性タレント9人の中絶もアテンド
□芸能人を盗撮・盗聴する女は許さない
□週刊誌記者から守るアテンド術
□アテンダーになる方法
□人のためにキレられるか
□努力しない女は港区から去れ
□バーで夢を売る技法
■すすきののホステス嬢を87人喰った
■みかじめ料とすすきの
■大阪・北新地のケツモチヤクザ
■豪快だった大物演歌歌手
□賭博ゲーム大国・沖縄の自由度
□関東連合60人が店にやってきた
□ウーロン茶5杯で10万円 ・関東連合から渡されたピン札
□プロ野球選手とJリーガー
□小出恵介をハメた美人局の正体

 


すすきののホステス嬢を87人喰った
六本木のMACCAが軌道に乗ると、札幌のすすきのに進出してMACCAの支店を出した。もともと俺はすすきのが大好きやったし、東京の次はすすきのに進出したかったんや。
MACCAすすきの店はサパー (supper=男性スタッフが接客するナイトクラブ) や。ここは女の子やなく、男が客を盛り上げる店やった。せやから、店にカネを落としてくれる客(女の子)を力ずくで集めてこなアカンかった。
アメリカザリガニ(お笑いコンビ)の平井善之の後輩に、芸人を辞めて暇そうにしているヤツがおった。のちに三浦翔平の取り巻きとなった一人や。そいつを店長にして、芸人上がりをもう一人投入し、イケメンの元ホストもいっぱい従業員として雇って店を作った。俺はそいつらに猛烈な営業をけしかけた。
「お前ら、とりあえずすすきのじゅうの女を喰いまくれ。枕営業しまくってかまへん。ガンガン女を喰って、ガンガン店に女を呼ぶんや」
そうけしかけて猛烈に営業をかけさせたら、MACCA すすきの店がメチャクチャはやった。夜の繁華街には、風俗嬢やホステスの顔写真やプロフィール、店の名前が紹介してあるフリーマガジンが必ず置いてある。ネット時代の今は「ホスラブ」という掲示板サイトがあるけど、昔はホストやホステスは紙媒体で宣伝し、店に呼びこんでいたわけや。
夜の街のフリーマガジンには、かわいい子が大勢載っとる。その子らの店に次々と突撃した。俺自身、1年間ですすきののホステス嬢を87人喰った。その子らと仲良く なって、MACCAすすきの店の客として呼びこんだんや。
「東京から来た関西弁のヤクザが、すすきのの女を喰いまくってるぞ」
すすきのの風俗店やキャバクラの間で、たちまちMACCAすすきの店の悪評が響き渡った。


みかじめ料とすすきの
もしかしたら今も変わってへんかもしれんけど、当時のすすきのはヤクザにみかじめ料を払わなければ店なんてやれんかった。みかじめ料を払わなければ、腕に入れ墨をした怖いお兄さんが毎日店にやってくる。客は怖がって帰ってまう。月々のみかじめ料さえ払えば、そない嫌がらせはピタッと止まる。
俺が店を出すより先に、友だちがすすきのでニュークラブ(札幌ではキャバクラのことを「ニュークラブ」と呼ぶ)をオープンしておった。その友だちに地回りのヤクザを紹介してもらい、みかじめ料を払って店のケツモチをしてもらっとったんや。
「それみろ。ガーシーは反社やないか」なんて脊髄反射せんといてくれ。ヤクザ者にみかじめ料を払わなければ、店なんてやれん時代がついこの間まであったんや。「暴力団を街から追放せよ!」なんてきれいごとは、PTAのオバハンに任せとけばええ。ケツモチがいなけりゃ、夜の街で経済活動ができんのやからしゃあない。
ちなみに、当時のみかじめ料は1軒あたり毎月3万円や。そのほかに、盆暮れ正月のつきあいごともある。夏場は甲子園の野球大会があるから、野球賭博に参加してケツモチに現金を落とすつきあいごとが習わしや。
「今日はオヤジ(組長)の誕生日や」と言われたら1万円を渡す。正月には「門松代 です。新年からも引き続きよろしくお願いします」と言って3万円のご祝儀を渡す。それをすすきのじゅうの店が全部やってるわけやから、ヤクザが得る毎月の収益はものすごい。こんなものに領収書なんて発生せえへんから、全部無税の収入や。
あのころの札幌は、ヤクザのほうが警察より力が強かった。ヤクザが乗っている車のナンバープレートを、警察は全部控えている。違法駐車していようが、事件が起き検問があろうが、警察はナンバープレートを見てヤクザの車だけには手出ししない。袖の下を渡して、ヤクザと警察が結託しとったんやろうな。
みかじめ料を払わず抵抗する飲み屋があると、ヤクザが客として嫌がらせに来る。泥酔したフリをして難癖をつけて、店の中で暴れることもある。店長がたまらず110番通報しても、警察はすぐには来てくれへん。
「民事不介入」と言って、明らかな暴力を振るわれるまでは警察は動いてくれん。 「お前らがみかじめ料を払わんからアカンのや」と言わんばかりや。すすきのはそれ くらいムチャクチャな街やった。
東京はだいぶ前から、ヤクザより警察のほうが力が強い。ヤクザ者との揉め事が起きたら、普通に110番通報すればいいだけの話や。夜の街の住人たちは「横浜とすすきのだけは、ヤクザのほうが警察より強いわ。ポリの連中、なかなか動いてくれへん」言うてた。今はどうか知らんけどな。


大阪・北新地のケツモチヤクザ
ヤクザと夜の街の関わりは、地方によってだいぶ異なる。大阪やと北新地のキャバクラは、ヤクザのケツモチがついてるとトラブルに巻きこまれん。ケツモチがついてないバーやと、ヤクザが普通に客としてやってくることがある。
ちょっと反社っぽい人がいるだけで、ほかの客が嫌がる。せやから俺は店長に「ちょっとでも変なことがあったら、すぐ警察呼べ」と言い聞かせてた。
あるとき大阪で店を任せてた店長から、あわてた様子で電話がかかってきた。
「ヒガシさん、ウチの店の者がさらわれちゃいました!! どうしましょう」
「アホ! 俺に電話する前に、まず警察に電話せえ!」
そのとき俺は東京にいたから、大阪に駆けつけようにも時間がかかりすぎる。警察からその従業員に電話してもらったら、そいつは無事やった。その従業員は、たまたま店にやってきたヤクザの後輩やったらしい。
「すみません。さらわれたわけじゃないんですよ。違う店に飲みに行こやと誘われて、今は別の店で飲んでます。大丈夫なので安心してください」
「お前、心配するやろ」
そんなやり取りをしてホッと一安心やった。
「ウチの店の敷居はヤクザにはまたがせない」というルールを徹底させないと、要らんトラブルの火種になる。ヤクザを嫌がる店は多いから、連中は息抜きする場所がない。「自分らもここで酒飲んで大丈夫なんや」と一人に思われたら、どんどん別のヤ クザが店に来よる。せやから、ヤクザがやってきたときにはビビらず対応するほかな い。
「お客さんすみません。ほかの者が怖がりよるんで、今日のところは引き取ってもら えませんか」
そう丁重にお願いして、出禁リストに入れる。キッパリと対応すれば、ヤクザもわかってくれる。


豪快だった大物演歌歌手
すすきので店をやっていた当時、俺の兄貴分やった人から細川たかしさんを紹介してもらった。細川さんは北海道出身やから、すすきのでパーッと遊ぶのが大好きやった。昔の演歌歌手はムチャクチャ羽振りが良かったから、細川さんがMACCAに来てくれたときは昭和の日活スターみたくドンチャン騒ぎや。なにしろ一晩で200万円も使ってくれはった。あの人は俺のことを「マッカ」と呼んどったな。
細川さんは、開けっぴろげで豪快なスターやった。
「マッカ、お前どこにケツもってもらってんだ?」
「××です」
「お前、そこじゃダメだろ。俺が紹介してやっから。これを拡大コピーして、額に入れて飾っとけ。そうすりゃ誰もお前の店に口出しできないぞ」
細川さんが俺に渡したのは、某大手組織の名刺や。
「いやいや、こんなすごい人がケツモチだなんて言ったら、逮捕されるんで無理です。勘弁してください」
「なんだお前、一番強いぞこの名刺」
「そういう問題じゃないです」
丁重にお断りして、名刺はお返しした。その当時、俺がケツモチを頼んでいたのはその傘下にある組やった。その人にみかじめ料を払い、盆暮れ正月のおつきあいも欠かさなかったから、MACCAすすきの店はややこしい揉め事になんて一切巻きこまれんかった。「お前の店にはヤクザは行かさないからな」と言われ、ヤクザなんて誰も店に来たことはない。

 

 


解説
ヤクザ者にみかじめ料を払わなければ、店なんてやれん時代がついこの間まであったんや。「暴力団を街から追放せよ!」なんてきれいごとは、PTAのオバハンに任せとけばええ。ケツモチがいなけりゃ、夜の街で経済活動ができんのやからしゃあない。

芸能人とのコネを当てにして、風俗業に進出したガーシーは、ケツモチヤクザとも仲良くやっていた、ということです。

 

獅子風蓮