「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

空港管理運営事業費537,000,000円

2012-04-03 21:39:00 | H24県予算評価
平成24年度静岡県予算のうち「空港管理運営事業費」5億3,700万円について、以下に短評する。


この事業の目的は予算調書に記載のとおり「静岡空港の設置管理者として、空港の安全性の確保や円滑な運用のために必要な管理運営業務を行う」というもので昨年度からの継続事業である。

さて、この予算にであるが、一言でいえば富士山静岡空港株式会社とそこに巣食う参加企業と天下り役人のための予算である。
なぜなら、予算のほとんどが指定管理者である同社への業務委託費(約4億円)だからである。
加えて、3月15日にも書いたが、
空港ターミナルビルを県の税金で立てながら自己所有とし、それを県などに言い値で貸し付けることによって収入を得ている税金ぼったくりの「富士山静岡空港株式会社」
に県は家賃を支払っているが、この一部もこの予算から出ているのである。
なお、「一部」と書いたのはこの予算で負担するのはあくまで管理事務所のスペース(432.96㎡)分の賃料4,500万円/年だけだからだ。すなわち、これ以外に「公的利活用スペース(776.43㎡)」「防災関係スペース」と、これ以上のスペースの賃料(約8,600万円)があるからだ。(なお、光熱水費は賃料に含まれていないので賃料とは別に同社に支払っている)
そればかりか、すでに紹介のとおり航空会社の賃料まで補助している。
これだけの負担をして借りるくらいなら県が所有したほうが無駄な役員手当や固定資産税の負担もなく安上がりというものだが、地元市町や御用企業への便宜に加え県や企業からの天下りャXトのためこの構造が継続しているのである。

ちなみにこの事業は平成22年度の事業仕分けの対象となって仕分けが行われた。
以下はその時の資料であるが、

中段に「指定管理者の導入」という節がある。
ここには「施設の安全確保や緊急時の対応、着陸料の設定などについては、航空法により空港の設置者が保安上の基準に従って施設を管理することとされていることから県が責任を持って行う体制を整備し、一方、空港の基本施設や駐車場等の点検、清早A警備等については、指定管理者制度を導入して、可能な限り旅客ターミナルビルを運営する空港運営会社に委託し、民間主導の一体的な管理による利便性と効率性の向上を目指すとともに、管理経費を抑えた生産性の高い空港運営を行う」と記されている。
つまり競争のない単独随意契約での富士山静岡空港株式会社への委託を行うということである。
これでどうして効率性のインセンティブが働くのか?どうして生産性が高まるのか?
そんなことをしても運営会社からしたら委託料を下げられるばかりでメリットはないではないか。

結局、この仕分けの際の結果は5人全員が「要改善」で、意見として「指定管理者の努力と収入・支出が直接リンクしていないためインセンティブが働きにくい」「民間企業のノウハウを活用できる工夫について検討してほしい」などと厳しい指摘が行われたのだが、現状を見るとその声は生かされていない。というよりも、生かせない構造にあるというべきだろう。
なぜなら、富士山静岡空港株式会社は言い値でビルのスペースを貸しているだけで儲けるだけの不動産賃借会社に過ぎないからだ。

以上のとおり、この予算は空港がある限り必要なものではあるが、シロアリにたかられ無駄が多い。無駄を排除するためにも、ビルを県所有とし収支構造をシンプルにし透明化することが先決である。


<巻末資料>
参考に民間で企画書にあたる県の予算調書を添付する。県ではこの程度の企画能力で予算が付くというレベルの低さをご確認いただきたい。静岡県が改革進む大阪府のように予算編成過程の情報公開ができない理由もよくわかることでしょう。
「空港管理運営事業費PDF]

空港ティーガーデンシティ構想推進事業費392,800,000円

2012-04-02 21:45:00 | H24県予算評価
平成24年度静岡県予算のうち「空港ティーガーデンシティ構想推進事業費」3億9,280万円について、以下に短評する。

この事業の目的は予算調書に記載のとおり「空港周辺の賑わい創出等による地域振興と空港の利活用促進」というもの。昨年度からの継続事業である。
さて、この予算は川勝知事発案による準箱もの整備である。
準を付けたのは建物ではないが、建物同様経年で維持管理費が発生する施設に他ならないからである。
具体的な工事内容は「石雲院展望デッキ」「取付歩道」「ライフライン」の整備である。

その整備費(工事費)が本年度はこの予算の約98%に相当する3億8,600万円かかり、昨年度と合わせたこのティーガーデンシティの整備費用は総額6億460万円となる。
「ハコモノ建設計画は白紙とし1年以内に必要性をゼロベースで見直します。そのために、県民目線でハコモノの費用対効果をチェックします。」とマニュフェストでこのように公約した川勝。費用対効果のチェックはどこに行ったのか。川勝県政の欺瞞ここに極まれり。

また、残りの予算680万円のうち500万円が維持管理費であり、11月15日からの維持管理であるので、年間にしたらその倍以上かかることになる計算だ。

そして、残り180万円のうちの160万円が賑わい創出イベントであるが、すべて丸投げの「委託」。お気楽な役人ぶりがうかがえる。

最後にこの事業の必要性や自己評価についての公文書を以下に示す。

ここで引き出されてきたのが官委託学者による「経済波及効果」
空港によって新たに増加した経済効果ではないものをあたかもすべがそうであるかのように偽り事業を正当化しお手盛りの自己評価に腐心している。なんとも哀れなものだ。


<巻末資料>
参考に民間で企画書にあたる県の予算調書を添付する。県ではこの程度の企画能力で予算が付くというレベルの低さをご確認いただきたい。静岡県が改革進む大阪府のように予算編成過程の情報公開ができない理由もよくわかることでしょう。
「空港ティーガーデンシティ構想推進事業費PDF」

航空物流推進事業費12,000,000円

2012-04-01 19:41:00 | H24県予算評価
平成24年度静岡県予算のうち「空港物流推進事業費」1,200万円について、以下に短評する。


この事業の目的は予算調書に記載のとおり「航空物流の推進による県内経済・産業の振興」及び「航空物流の推進による空港の利活用促進」というもの。
これもやはり予算の大部はマンネリ補助金の継続であるにもかかわらず、扱いは無駄な事業を廃止してねん出した予算で行うとされる「新規事業」に区分されている。
さて、この予算は見てのとおり「貨物上屋賃借料補助」が予算の約63%を占める7百50万円の税金注入の「薬漬け」の施策である。
金の切れ目が縁の切れ目で、旅客への税金投入同様、今後も継続して毎年投入され続けることとなるだろう。
一方でそれで目的である「県内経済・産業の振興」に向かうなら許容の余地もあるが、税金投入による低額化の誘因で需要を少しばかりよそから取っただけでは「県内経済・産業の振興」など夢のまた夢だ。

「貨物上屋賃借料補助」に次いで多いのが「FSZ利用モデル拡大実証実験事業」の300万円。
事業の名前だけ見るといかにも効果がありそうだが、現実は以下の積算根拠に見るとおり「富士山静岡空港航空貨物利用促進協議会負担金」として300万円を交付するのが役人の仕事にすぎない。
「実証実験」とやらを本当にやる気があるなら委託にして実績を約定させるべきだが実績なくとも返還義務なしの負担金とはこれ如何。
御用団体の活動助成を実証実験とは笑わせるにもほどがある。
なぜ、県民や議会にご立派な予算名と金額は公開してもその予算の詳細までは公開しないのかがよくわかる事業である。


さらに、残り約13%のうちの最大のものはおきまりの職員のお小遣い付の海外旅行に使われる「普通旅費」。展示会や説明会を開く予算であるが、いかにもやってます・取り組んでますと言いたいだけの「いいわけ」事業だ。


<巻末資料>
参考に民間で企画書にあたる県の予算調書を添付する。県ではこの程度の企画能力で予算が付くというレベルの低さをご確認いただきたい。静岡県が改革進む大阪府のように予算編成過程の情報公開ができない理由もよくわかることでしょう。
「空港物流推進事業費PDF」

空港定期便拡充促進事業費180,000,000円

2012-03-29 22:00:00 | H24県予算評価
平成24年度静岡県予算のうち「空港定期便拡充促進事業費」180,000,000円について、以下に短評する。

この事業の目的は予算調書に記載のとおり「空港の利用促進」というものであり、これを達成することで「「憧れ」を呼ぶ“ふじのくに”づくり」に資するという皮算用となっている事業である。
これもやはり実質はマンネリの継続であるにもかかわらず、扱いは無駄な事業を廃止してねん出した予算で行うとされる「新規事業」に区分されている。
さて、この予算の本質は、民間団体と称する「富士山静岡空港利用促進協議会」を迂回しての航空会社、旅行会社、空港利用者個人などへの税金ばらまきである。
1億7千4百万円と一団体への補助金としては高額で、この事業予算の約97%を占めている。
そして、以下のとおり、ばらまきのメニューが並び、ここまでして利用させて費用対効果があるのか大いに疑問であるが、頭の悪いトップは費用便益比と経済波及効果の違いすら理解できず、とりまき役人の手玉に取られ検証なしの税金ばらまきが拡大継続しているのである。税金という役人が痛みを感じないお金だからこそできるばらまきの典型である。


次に、この事業予算の残りわずか3%程度の中で大きく占めるのが昨日紹介のものと同じ県職員の旅行費用「普通旅費」である。
372万円かけて国内国外の就航先企業・団体を訪問し利用を呼び鰍ッるという。たかり役人の考えそうな安直な事業内容だ。県行政の末期症状が具現している。


このように金のばらまきで増やした旅客が補助金が切れても継続するだろうか。
ましてや、「「憧れ」を呼ぶ“ふじのくに”づくり」につながるだろうか。
そもそも、県行政の第一義は今ここに住む県民の生命財産の保護にある。ゆえに、成長戦略もその延長線上にャWショニングされるべきだ。
将来のための税金までばらまき、借金ばかり残し、それで便益も原価(費用)割れ。
こんな事業は真っ先に止めるのが県政の正道というべきである。
風が吹けば桶屋が儲かるという考えで税金を使われたらたまったものではない。


<巻末資料>
参考に民間で企画書にあたる県の予算調書を添付する。県ではこの程度の企画能力で予算が付くというレベルの低さをご確認いただきたい。静岡県が改革進む大阪府のように予算編成過程の情報公開ができない理由もよくわかることでしょう。
「空港定期便拡充促進事業費PDF」

空港競争力強化事業費373,000,000円

2012-03-28 22:44:00 | H24県予算評価
平成24年度静岡県予算のうち「空港競争力強化事業費」373,000,000円について、以下に短評する。

この事業の目的は予算調書に記載のとおり「新規路線誘致、既存路線拡充等の活動」というもので、実質は継続であるにもかかわらず、扱いは無駄な事業を廃止してねん出した予算で行うとされる「新規事業」に区分されている。
ご覧のとおり、予算の約97%に当たる3億6千万円が航空会社支援という金銭補助であり、この予算の「新規路線誘致、既存路線拡充の活動」に使われる予算は1千3百万円(約3%)に過ぎない。
目的に記載の「新規路線誘致、既存路線拡充の活動」の「等」にほとんどすべての予算が投入されているのである。
県民をだまそうと企むことにご執心の役人や御用マスメディアの常とう手段たる">「等」や「など」で本質を隠す手法は本県においてはいまだ健在なのである。

では、その予算の大部を占める航空会社支援であるが、「空港ターミナルビル内で航空会社が使用するスペース等にかかる使用料に対する補助」に3億5千2百万円、これは航空会社が、(今日、株式を県に買い取れと申し出たことで話題の)空港運営会社「富士山静岡空港株式会社」に支払う使用料を県が税金で補てんするという予算である。
航空会社が県に支払う着陸料は来年度予算上でも1億4千万円程度の収入見込みであり、これをはるかに上回る補助金というのは着陸料を全額免除してさらにお金をばらまくことと同じである。
一公共交通機関にこれだけの優遇。しかも、離島の空港のように生活に必需な需要のためでもない。
海外に遊びに行くようなある程度余裕のある県民のために税金が優先投入されているのである。
これでは税金が足りなくなり「消費税」増税に役人たちの期待が集まるのも無理はない。

次に、わずか3%程度の「新規路線の就航や既存路線の拡充に向けた航空会社への働きかけ」予算のうち最も大きいのが過半額を占める6百95万円の「普通旅費」、すなわち県職員の旅行費用である。

何泊と記載はないが1泊程度が通常である韓国に1回一人92,000円と高額なのは、旅費は自腹で払うものではないため航空チケットは航空会社の割引なし運賃、また、宿泊費はいくら安く泊まろうが定額支給、さらに日当なるお小遣い付き、というように役人にとっては無駄遣いし放題への誘因構造があるからだ。
民間なら安いチケットで宿泊も実費支給が普通であろう。
さらに相変わらず、パスメ[ト取得費用も県職員は税金もち
県民のためというよりも、まさに公務員のための予算だ。

この予算で空港が発展し県民が豊かになると信じる県民が何人いるのだろうか。
改革とは縁遠い「静岡県」。地域間競争が激化する中、凋落傾向はとどまることはないだろう。


<巻末資料>
参考に民間で企画書にあたる県の予算調書を添付する。県ではこの程度の企画能力で予算が付くというレベルの低さをご確認いただきたい。静岡県が改革進む大阪府のように予算編成過程の情報公開ができない理由もよくわかることでしょう。
「空港競争力強化事業費PDF」