素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

漢字・書き順 今も昔も苦労の種

2025年01月06日 | 日記
 小2の孫がやって来た。明日が始業式なので宿題の最後の追い込みである。メインは自分の小さかった頃の話を親や祖父母にインタビューをしてまとめ、その感想を書くというものである。妻は出産の時の様子、私は宮参りの時に大泣きしていたことなどを話した。これで終わりかと思ったら自主学習というのがあるという。算数、国語のテーマから自分で選んで自主学習するというもの。「自主学習」と聞いた時は「どんなものだろうか?」と関心を引いたが、中身を見て拍子抜けをした。

 書くのが難しい漢字にチャレンジした。見ていて大学時代の友人原田くんの年賀状に書いてあったことを思い起こした。彼は、退職後「放課後子ども教室」に長く携わっている。近況報告の中で次のように書いている。

 「低学年の指導に携わって気になることは、第一に、漢字や数字を一筆書きで書くことでした。第二に視点を変えて子どもの生活態度を観察すると、身の周りの整理整頓ができている子が少ないことでした。そこで、一つの課題が終わったら、使用したものを片付けて次に行うことの準備をするように、声かけをすることが必要と思い、教室のスタッフに提案をして実行をしました。スタッフ全員が同じ目線で指導しているので、子どもたちも徐々に片付けに気を配るようになってきました。
 子どもに大切な内容を分かるように伝えるには、丁寧に易しい言葉で話すことが必要であり、時間がかかることを身をもって実感しました。今年は、分かり易い言葉で話しかけることに挑戦しようと思っています」


 私は親から 「糸の切れた凧」「嵐を呼ぶ男」と称されたようにどこかフワフワしたところがあるのだが、原田くんは実直で、足が地についているという感じだった。毎年の年賀状の近況報告を読むたびに「ブレていないなあ」とこちらの背筋も伸びる。

 孫が苦戦している漢字を見ると「道」「楽」「通」「曜」「週」「絵」「親」など。書き順無視で形として書こうとしているから無理が生じる。一筆書きで書く子ども達に驚いた原田君と同じ思いになった。

 とはいえ、私自身が小中学校の時、書き順無視派だっただけに偉そうなことは言えない。小学校3年の時、文学士・松本徳巳先生が「右」と「左」の書き順の違いについて熱弁していたシーンが記憶に残っている。その時腑に落ちず「そんなことどうでもいいやん」と思ったのが書き順無視派への入口だった。

  私の字を見た時の母のあきれ顔、今ならその心内が分かる。「余録」の書き写しをしているのは、その穴埋めかもしれない。今は筆順を「整った字を書くための合理的な手順」と考え大切にしている。

 筆順の概念がない孫にいかに分からせるか?と考えた時、今私が愛用しているスマホのアプリ【漢字筆順】を見せることを思いついた。入学した時から一人一台タブレットを持ち、物心ついた時からスマホ画面に馴染んでいる世代。百説くよりも一見させ「こういうもんだ」と分からせるのが得策と思った。
 作戦は成功したように見えるが果たしてどうだろうか。とりあえず苦戦していた漢字はましな形で書けるようになった。
コメント
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